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無知から始める!いろいろ飛び級して世界で活躍したいアーティストのための勉強法

  • 9月 24 / 2017
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みじんこアート, みじん講義

無知から始める!いろいろ飛び級して世界で活躍したいアーティストのための勉強法

以前、まったくの無知、経験ゼロ、コネゼロの状態からアートキャリアを積むためにやれること、という記事を書いたのですが、今回はその追加にあたる記事を。アートやってみたい!とほんわり思ってから今日まで、私が意識したことは一点だけ「現場に飛び込む」
これだけです。では、現場に飛び込むとはどういうことか、具体的にやったことをお伝えします。

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これまでのOuma(オーマ)の経歴をざっくりおさらい

美大に受かる人たちがどのくらい事前に勉強しているのか分かりませんが、美大に入る前に1年、美大に入って4年勉強して、どっかのギャラリーで初個展(デビュー)すると考えると、5年くらいは勉強してるんでしょうか。いや、現場が分からないのでてきとうなんですが。それを考えると、ふわっと絵を描き始めて2年で企画個展をやってる私は相当いろんなことをすっ飛ばして進んでいます。

  • 2011年:ふわっと描いた絵を友人たちに褒められるレベル。「素敵なイラストね」とよく言われていた。知識は草間彌生の名前をやっと知ったくらい。美術批評家海上雅臣さんに会う。
  • 2012年:個展の話をいただき、UNACを借りて制作を始める。ジャクソンポロックとかの名前を覚え始めるが、この頃は知識がなくてできるってほうがかっこいいかな~と思っていた。
  • 2013年:UNAC TOKYOで初個展。初めてニューヨークに渡り、ギャラリーめぐりをする。現代アートの魅力に気づく。
  • 2014年:海外でやれるようになりたいなと思い立ち、お金を払って海外展示をやる(グループ展・個展ともに1回ずつ)。グランシップ奨励賞を受賞(審査員の1人が金沢21世紀美術館の館長(当時)、秋元雄史さん)
  • 2015年:UNACで2度目の個展。代官山の個展でインスタレーション作品が売れる。もっとバンバン海外で活躍できるようになりたいと思い立つ。
  • 2016年:バルセロナ、ロシア、ドイツの3か所のアーティスト・イン・レジデンスに参加。海外企画個展・グループ展、ロシアでは翌年カタログに掲載。
  • 2017年:家賃0円の家がなくなったので仕方なく海外放浪。散乱してた作品のコンセプトがようやくまとまる。フィンランドと上海、3か所のレジデンスに参加。
  • 2018年:上海の次のレジデンス先にデンマークが決定。

ちなみに2013年UNAC TOKYOでの初個展には、某美術大学の副学長や某美術館の館長、某アート系テレビ番組の関係者が見に来てくれました。ギャラリーオーナーであり美術批評家の海上さんが声をかけてくれたんですね。でもね、肝心の私は現代アートの知識がなく、何を聞かれても「いや、そこらへんはなんとなく」「あーもう本当にすごく楽しくできて-」としか言えず。
同じUNACでの個展を経ていても、2015年に個展をやった書家の山本尚志さんには、その後アートコレクターの佐藤辰美さんからのオファーが来て、作品集制作へと繋がっています。私の場合も、この企画展の作品がきっかけで賞の受賞につながったり、レジデンスの合格など次のステップのための実績になりました。でも、山本さんと比べたら広がりが少なかった。それはもう自分にキャリアがなく(作品が1点しかない状態)、そもそも現代アートの作家としての基本的なことが全部できてなかったから仕方ないんですが。

書家・山本尚志さんへのインタビューの中で、「日の目を見る前にできること」を質問に入れているのは、自分自身がチャンスを逃したという思いがあったからです。もし最初の個展の時から、かなりのプレゼンができていたら。そもそも作品のつくり方もまったく違っただろうし、その後の広がりもぜんぜん違っただろうと。
まぁ、完全に無知なところから2年目だった自分には無理だったんですが。そもそもその頃は「なんかよく分かんないのに、ちょっといいところで個展ができちゃう自分ってかっこいいな!」くらいの気持ちでいたせいで、勉強もさほどしてなかったんです。初個展が、自分にとって完全に転機になりました。
でもね、そんなヨチヨチ状態でいきなりチャンスが降ってくることがある。少なくとも私にあったということは、あなたにもあるかもしれない。その時にちゃんと準備できていれば、広がりが全然違うんですよ。あとでやっておけばよかったと思っても遅い。その時逃したおかげで展開が10年遅れるかもしれない。だからいつでも準備をしておけと言いたいのです。経験者は語るよマジ(笑)。

合わせて読みたい  書家・山本尚志氏へのインタビュー「第2回/書家の強みと日ごろ意識すべき具体的なトレーニング(前編)」 書家・山本尚志氏へのインタビュー「第1回/書家が現代アートの舞台に立つ上でやるべきこと(前編)」


2011年スタート時の絵はこんな

「現場で学ぶ」ことを意識するということ

アートを本当にちゃんとやりたいな、と目覚めたのは2013年の個展の後。それまでは、行き場がない自分の言い訳のためにアートっぽいことをやっているような状態でした。でも、本当にやりたいなと思ってから心がけたのは「現場で学ぶ」ということ。これは、自分の獣医時代の経験からきています。私は獣医大学に6年通って国家試験を受けて免許を取ったわけですが、実際の臨床の現場に入ったら何一つできなかったんです。本当に何も分からない。実際の現場と座学では全然違った。現場に入ったら手取り足取り教えてくれることはない。カルテを見て、先輩がやることを見て、自分で学ぶんです。私は思いました。
「学生の頃から病院でバイトや研修をしておくべきだった」
そしたら、現場で必要なことがもっと分かった上で勉強に取り組めたのに。

だから私は、アートを真剣にやろうと思った時にも、座学から入るのではなく、まずは「現場に入る」「現場で一番必要なことから学ぶ」を実践することにしたのです。

1)ニューヨークのアートを見る

一番最初にやったのがこれ。2013年の個展の写真を使って冊子を作ってスーツケースに詰め、ニューヨークのギャラリーを見に行った。売り込みも兼ねて。
なぜニューヨークか?当時、村上隆さんが「今はまだニューヨークが中心地」みたいなことを言ってたみたいな話を小耳にはさんだからです。世界に名の知れたアーティストが言う最先端のアートがある場所。最先端の現場にどんなアートがあるのか、それを知りたかった。初ニューヨークだったので、当時はニューヨークとマンハッタンの違いもよく分からず、そもそもギャラリーがどこにあるのかもあんま知らない、みたいな感じでした^^
この時にやったのは作品を見る、見まくる。何がいい、何が受け入れられているのかを考える。すぐにそれを分かり切るのは無理でしたが、この作品たちの中に「何らかのヒント」があるのだという目で見る。私がこの時驚いたことは展示全体の「空間構成力」です。私はその時、絵を水平に、均等に並べることしかできなかったので。
展示というのは空間をつくらないといけないんだ、というのが、当時の私のささやかな「発見」でした。

2)現場の人の話を聞きまくる

インターナショナルに活躍したいと思ってる人に言いたいですが、海外ではギャラリーオープニングに参加していろんな人に話しかけると、けっこうすごいレベルの人に割と簡単に会えてしまいます。これね、アートに限らずビジネスも同じみたい。特にニューヨークは。ニューヨーク在住の日本人の方たちが「意外とすごい人にさらっと会えちゃうのがこの町のいいところ」と言ってました。
やたら売り込んだりしなければ、相手もいろいろ教えてくれます。アーモリーショーも作家がふらついてるので、うまく捕まえれば本人から話が聞けてしまいます。私がたまたま話しかけた人も「出展してるー」と言ってました。その時は私がわたついてじっくり話を聞けませんでしたが。
だからね、インターナショナルに活躍したいと思っている人は本当に、「いつ何時チャンスが来てもいいように準備をしておけ」(2回目)
英語で端的に作品の説明できる?「うおっ」と足を止めるほどの作品をすぐ見せられる?作品の質は十分なのか、バリエーションは十分なのか、今後もチャレンジし続けることが分かるか、キャリアのある作家としてお金をかけて推していくだけの将来性、期待値が自分にあるのか。準備というのは、いつでもそれを示せる状態にしておくということです。
作品のバリエーションやキャリアについては、書家・山本尚志氏へのインタビュー「第2回/書家の強みと日ごろ意識すべき具体的なトレーニング(前編)」の下の方の「アートコレクター佐藤辰美氏の試験内容」に具体的な基準が書いてあるので、ぜひこちらをご参考に。

オーナーが店番してるギャラリーはオープニングの時は忙しすぎるので、ヒマそうな時間を狙っていくと話せることがあります。
「シャガールしか知らないとビギナーにしか思われない」は2013年のニューヨークで言われたことですね。本当にシャガールが好きだったし、今も好きですが、この時から言うのをやめました。でも勉強は足りてなかったので、この年、2013年末に会えたキュレーターさんの「好きな作家は?」の質問に誰の名前も言えませんでした。

合わせて読みたい  獣医師を現代アート作家に変えた12の言葉たち

私が一番よく聞いたのは「この作家を選んだ理由」「作品の良さ」「作家をどこで見つけてきたのか」
この人たちは何を「良い」と思っているんだろう、というのを理解しようとしました。
批評家の海上雅臣さんは十代の頃に棟方志功を購入。山本さんは20歳で80万の井上有一を購入しています。それぞれ今はかなり値段が上がった。UNAC TOKYOは棟方志功作品を売ってつくられてますから。2人とも、生まれながらの目利きだったんですね。イーナー;つД`)。
私は村上隆作品がオークションで何億!みたいなニュースを見て「なんでこんな変なものが」と思ってた一般人の一人です。
現代アートの世界で「良い」と言われているものは私には分からない。本当に全く分からなかった。
だから、現場の人に聞きまくって、何がいいのか、何をつくればいいのか、何から勉強するのが一番いいのかをまず理解することを心がけました。ほかにコンペに出す、もそうですね。一次まで通れば審査員と話せるので、そこで審査員に個別に話しかけました。グランシップで賞が取れた時は、当時、金沢21世紀美術館の館長だった秋元さんと一緒にタクシーで帰れたので、その時に話を聞いた。自分の作品のダメなところ、審査員がいいと思う作家のこと、どこがいいと思ってるのか、選ばれた作家がどこがよかったのか、など。まぁでも、審査員は作品に対して「ダメ」とはあんまり言わないんですよ。それでも私が知らない作家を教えてもらえることがあるので、そういうところから学んでいく。話を聞きながら、自分の作品のどこに弱点があったのかを推察する。新潟オフィスアートストリートで会った日比野克彦さんには「アートは道なき道をつくるもの。正解なんてない。あなたみたいな人は、作品を通じて新しい人に出会えたことをまず喜ぶのがいいのでは」という言葉をいただきました。これはたぶん、「何が良い作品なのか」を聞いたからですね。世界共通で通用するような明快な答えはないよ、という意味だと受け取りました。

で、「聞きまくる」と相手からも「聞かれる」ことがあって、アーティストなんだーって言うと作品見せて?みたいな展開になることがある。ポートフォリオを大仰に出すことはしなくて、iPhoneのデータをサクサクっと見せる(お気に入りフォルダに写真だけ用意してる)。するといろんなことを言われる、聞かれる。
私の初期作品は本当によく「キースへリング」と言われていました。アニメ絵描いても「村上隆」とは言われないと思うので、キースへリング、草間彌生、リキテンシュタインなどがどれだけ一般に愛されているかが実感できる。つまり、私の最初の課題が「キースへリング」と思われないようにする、だと分かったんですね。髪の毛が長い日本人女性なだけでオノヨーコっぽい、と言われちゃうことがあるので、一般の意見をそんなに気にする必要はないです。でも、あまりにも多く言われるなら、そのフィルターがかかって見られてることが予測つくので、変化をつける必要がある。
「キースへリングっぽいし、アメリカで受けるんじゃない?」ってふつうのニューヨーカーに言われたこともありましたね。その時点で現代アートとしてはダメ。だってキースへリングに負けてるから。でも、そういうことが自分で「分かる」ことが大事。だから聞く。

3)現場にいない人の意見は全部無視する

アートやってました、アーティストの友人がいる、みたいな人たちに、これまでいろんなことを言われました。特に多かったのは
「デッサンやらないとダメ」「美大行かないとダメ」
私は結局、彼らの意見を全部無視しました。いや、悩みましたよ。正確にはデッサンもちょっとやったしwしかし、彼らは現代アートの作家自身でもなく、現代アートの関係者でもなく、そこにわけ入ろうと学ぶ人たちでもない。
めっちゃ言われていた上記の2つの言葉は、どちらもやってないけど今のところ困ってない。今のところ、一番役に立ってるなーという本は村上隆さんの著作「芸術起業論」「芸術闘争論」です。
逆に言えば、彼らに作品を褒められて喜んでてはダメ。そういうのはありがたく受け取ってやる気に変えるだけで、自分の作品がいいんだと勘違いしちゃいけない。それは畑違いだからです。一般の人に「すごーい、手術上手ー!」って言われてもと。そういうこと。

先述の佐藤辰美さんの審査基準も相当役に立っていて、「種類」と「数」が圧倒的に足りてなかったので、制作方法を見直すきっかけになりました。具体的な数の指定があるので、最低限の基準が分かりやすいです。私は定期的にエクセルで作品をまとめてチェックしてます。
一番学びになるのは現代アートの現場、渦中にいる人の話を聞くこと。アーティストも多いけど、その中でも現代アートをやろうとしている人と話をする、議論をすること。
私の場合は定期的に書家の山本尚志さんと話してきたのがよかった。私の周りでガチで現代アートの作家で、流れが来てる人って他にいないです。正確には山本さんに流れが来る前から話を聞いてたんですが。それは獣医出身の自分の周りには、アーティストがそもそもいなかったから。村上隆から個人レッスン受けるのは無理だけど、山本さんは個人的に話す機会が得られる。作品についても意見をもらえる。現代アート書道のセミナーコースを受講したのもそのためですね。2016年の個展では一部の作品について「パターン的すぎる」という意見をもらいました。これは初個展で海上さんに言われたこともあって、私の弱点の一つでした。
パターン的というのは、つまり「デザイン的にきれいに見える感じに寄せたくなる」ってこと。ただ、自分で弱点が分かっていれば、つくっちゃっても直せますから。言われた作品は全部修正しました。セミナーでは特に「構図」についての部分が勉強になりました。「構図」も自分の弱点の一つだったので。
ただ、山本さんは専門が「書」なので、そこらへんを鑑みて吸収する。それでも、現場の渦中にいる人から話を聞けるというのは、一番学びが早いです。
一番ダメなのは、現代アートの現場にもおらず、活躍もしてない人の話を聞くこと。いや、現代アートやらないなら全然いいんですが。獣医師になりたいのに3Dプリンタの技術者に話聞きに行く人いないよね?現代アートとそれ以外のアートはそのくらい違う。日本では特に混ざっちゃってる部分があるので、そこはきっちり自分で見極めること。現代アート以外のアートの行きつく先は全部ゴミです。残念だけど。100年後も残ってると思う?自分の作品が100年後も愛されてると本気で思う?実際に現代アート以外のアートをやっている人たちは、その覚悟もあるんじゃないかな。つまり、自分が死んで数年したら、ゴミとしてポイされるってことについての。

4)現代アートに関わる本を読みまくる

まったく分からないことを学習するためのよくある鉄則なんですが。1冊を読み込むよりも、同じテーマについての本を100冊読む。現代アートの本は人気がないのか、図書館でだいたいいつでも借りられます。私は本の重要ポイントを全部クラウドサービス「Evernote」にメモってるので、それを定期的に見直してますね。
ブログを書く時とかに特に見直すので、発信するというのは身に着けるのにもいい方法ですね。

5)気に入ったギャラリーにメルマガ登録しまくる

ニューヨークやロサンゼルスに行くたびに狂ったようにメール登録してくる私には、毎日のようにどっかのギャラリーからメールが届きます。英語までさすがに読んでいられないので写真だけ見る。「良い」「悪い」の判断をし、その理由を考える。目利きでない自分には感性で作品の良し悪しを判断できる力はないです。なのでこういう特訓をします。ギャラリーや美術館で展示を見る時も同じくやってますね。

合わせて読みたい  現代アートを学ぶならメーリス登録しておきたいニューヨークとロサンゼルスのギャラリー7選

まとめ

  • 可能な限り最先端のアートを見まくる。
  • 可能な限り最先端のところにいる美術関係者に話を聞きまくる。
  • 現場にいない人の意見は無視
  • 現代アートに関わる本を読みまくる
  • ギャラリーにメルマガ登録しまくる(最新情報を入手できる状態にする)

獣医の現場では、一回見たことは覚えないといけなかった。この注射の後はこの注意書きを出す、病院ごと、医者ごとに処方は違いますが、それを覚えて先生に合わせてアシストする。それができないと「何回もやってるだろ!」と怒られていました。
現場に身を置いてそこでどう動けるかを考えながら学ぶ。これが最速で学べる方法だと私は思っています。最初は特に実際に現場にいる人たちに迷惑もかけるし、怒られることもあります。ですが、あらゆる学びをする上で重要なこと、ちゃんと学びとして活かせる方法が「現場で必要なことから学ぶ」「現場の人と議論する」です。

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みじんこは、学びます!ヽ(=´▽`=)ノ

みじんくん と みじこちゃん

「現場で学ぶっ。」
「現場の人と話すよー」

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