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無自覚のまま誰かを差別してる人の特徴~日本に漂う「差別」な空気感

みじん講義

無自覚のまま誰かを差別してる人の特徴~日本に漂う「差別」な空気感

今日も山口周さんの「武器になる哲学」より、日本に浸透している差別意識について考えていきます。差別、嫌な言葉ですねー。する側にまわりたくないなぁ。うん、でももしも自分が実はすでに差別する人だったら?自分はそのつもりがなくても、自分の周りの人がみーんな女性差別、人種差別する人たちだったら? そんな環境にいても、自分だけは「差別」しないでいられるものなんでしょうか。

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「らしくある」ことを求められる社会

女性の解放を求めて戦ったというシモーヌ・ド・ボーヴォワール。「人は女に生まれるのではなく、女になる」という有名なセリフを残しています。オランダの社会心理学者ヘールト・ホフステードによると、日本は文化的に「男女の役割がはっきり分かれている」国になります。男の子は男の子らしく、女の子は女の子らしく。この「~らしく」はつまり、男の子は強く自分の意見をはっきり主張してたくましく生きていくべき。女の子は優しくやわらかく、男性を支えていく、みたいな感じです。

参考リンク  武器になる哲学 人生を生き抜くための哲学・思想のキーコンセプト50

日本の国民性

各国にどんな国民性があるか、というのを調べた「ホフステッド指数」を見ると、日本には、不確実なことが苦手(安定を求める)、男女の性別による役割を強く求める、長期主義な傾向があります。平たく言うと、チャレンジよりも安定、男性らしく女性らしく、何かを長く続けること、が推奨されやすい環境にあるということです。
この傾向に合ってる人はいいのですが、もともと自分自身が飽きっぽくて、いろんなことに手を出したいような人にとっては、環境的な圧力を感じる社会である、つまり生きにくい社会とも言えます。
あるいは、男で保育士になりたい人、家庭料理をつくるのが好きな人。女で家事をしない人、自衛隊に入って国を守りたい人、にとっては、自分が本当にやりたいことを主張するのに理解が得られにくい状況があるということ。

参考リンク  国民性の指標「ホフステッド指数」を分析する

モテる男性、モテる女性について調べてみる

ちょっと「モテ」に対する記事に対してイチイチ突っ込んでみましょう。
みんな大好き!CanCamから、「これはモテるわ…。永遠にガチでモテる女子の10の特徴
・彼の背を追い越さないコーデ→女性は小さいほうがいい、男性を「越えない」ほうがいい、とも取れます。
・弱いところを見せる→か弱いほうが女性らしい?
・料理が得意で自炊する→家事は女性がするもの?

男性側はこちらの記事から。「絶対的に「モテる男」の必須条件。女性が惚れる男の特徴とは
・結果にプライドをもつ
・一つのことを着実に極めている
・仕事ができる
ざざっと見るだけでも、男は強く、女はか弱く、みたいなのがモテそうですね。この記事に限らず、モテる女、モテる男で検索をかけると、どれも似たような結果が出てきます。うん、じゃあ強い女性がか弱い男性を守っちゃダメなのか。ダメじゃないし、ぜんぜんいてもいい。そうは言いながら、女性らしくカワイイメイクで愛され女子を目指しちゃったりしてませんか?笑。そのほうがいいよね、みたいな意見が多く、あちこちで聞かれると、そうじゃない人たちはなんとなーく、「こんなこと言ったらヘンに思われそう」と本心を言えなかったり、自分の本心を偽ってフリをしてしまいます。もちろん、言ってる側は差別意識なんてない、それを単純に楽しんでいるだけ。でも、あまりにもその声がスタンダードなのだと言われてしまうと、たくましい女性は「女性なのにたくましい」。繊細な男性は「男性なのに繊細」と異端のレッテルを貼られることにもなりかねません。
この性別にまつわる「らしさ」の強要は、日本でLGBTの人が自分の素を出していけない原因の一端にもなっているのではないでしょうか。

参考リンク  これはモテるわ…。永遠にガチでモテる女子の10の特徴 絶対的に「モテる男」の必須条件。女性が惚れる男の特徴とは

性差別はとても根深く、血の中、骨の中に溶け込んでいる(シモーヌ・ド・ボーヴォワール/武器になる哲学)

本書では、ある会社での実例が紹介されていました。産休を取っていた女性の昇進について審査していた時に、オランダ人上司が「日本は文明国だと思ってたのに、こんなに前時代的、女性差別的な議論が行われているなんて大ショックだよ!」と指摘したことがあったんだと。こう言われて、そこにいた日本人の多くは「えっ、なんで?」とびっくり。ちなみに私がこれを読んだ時の感想は「えっ、そこまで言うほど?」。たぶん、オランダでは産休がどうこうとかは議論に上がらないんでしょうね。オランダ人はびっくりするほどのことでも、日本人の自分たちにとっては、それが女性差別的であるとは思いもよらない。だからこそコワイ。だからこそ、続けちゃう。それが女性の社会進出を阻んでるとしたら?

ところで、私自身の例では、フランス北部のアーティスト・イン・レジデンスに参加した時に、こんなことがありました。滞在先の僧院の庭で結婚式があって、参列者がいっぱい来ていました。私はそこに住んでいるので一緒にパーティに参加させてもらえました。ビュッフェの食べ物を取って、他の参列者たちとごはんを食べた後、お皿をまとめて片づけようとしたら、参列者の一人に「自分でやるからそんなことしなくていいよ」と止められます。彼が言うに、男女平等を推奨している自分が、女性に片づけさせるのを見過ごすわけにいかないと。
日本人女性は男性を立てる、細やかな気配りができる、だから外国人にモテる、みたいな話を聞いたことがないでしょうか? 私はなんとなく、女の子だから家事はできたほうがいい、みたいな感じで育てられてますが、あなたは?。自分や誰かのことを、これは男らしい人、女らしい人と思ったことは?
このそこはかとなく、誰もがもっている「なんとなく男らしく」「なんとなく女らしく」。これが、日本はかなり強力である、ということ。

あからさまじゃないせいで差別に気づかない

2018年8月に東京医科大学が女性の受入学生数を制限するために、入学試験で得点を減点していたことがニュースになっていました。女子だけ一律減点っていうのは、明らかにおかしいんだけど「産休や出産で仕事を辞める、休まれたら困る」というのは、あちこちで言われてますよね(マタニティー・ハラスメントでぜひ検索してみてください)。
差別というのはそもそも、どこからどこまでが差別かというくくりがあるわけじゃないです。「産休で休まれると周りが困るよねー」「そうだねー」という会話が差別にくくられるのであれば、けっこう多くの人が差別したことがあると言えるはず。

参考リンク  東京医科大、女性受験者の得点操作で謝罪

人種差別についてこのような指摘をしている記事もありました。「日本人が知らずにしている人種差別の「正体」
シャイであることを理由に、外国人を避けてはいないかと。非日本人からすれば、この態度には傷つくし、差別と変わらないのではないかと。日本に旅行した海外の人に話を聞くと「日本人は親切」とよく言われます。でも、旅行と暮らす、はぜんぜん別物。外国人であることを理由に入居を断られる、就職を断られるというのは、実際にあるようですね。

参考リンク  日本人が知らずにしている人種差別の「正体」 「外国人3割が差別発言経験」の法務省調査、手法に難あり? 海外掲示板で話題に

自分は差別をしているのだと考える

ちょっと長いですが、著作からの引用を。

日本が極めて強いジェンダーバイアスに支配された国であるということ、そしてそのバイアスに我々自身が極めて無自覚であるため、多くの人がそのようなバイアスから自由であると錯覚し、そしてその残酷な無自覚さが、女性の社会進出を妨げる最大の障壁になっているということを心しておくこと

上海で出会ったスペイン人男性が、料理が非常に大好きでいつも凝った料理をみんなに振る舞ってくれていました。私は冗談で「YOUはいい奥さんになるよー」って言ったことがあるのですが、よく考えたらこれも女性差別と考えられる発言。料理=女性がするもの、という認識が根底になければ出てこない発言です。でも、こういうの、けっこうやってませんか?「きゃー、可愛い、女の子っぽーい!」「やっぱカッコいいわ、アイツは男らしいわ」とか。
「差別」っていう言葉にすると、ずいぶんひどいことのように感じます。自分が差別する側だと認めたくはないですよね。生まれた時から服を着て育ってる我々が、全裸で町を歩くことができないように、生まれ育って身につけた習慣を根底から変えるのはなかなか難しい。特にずっと日本で生まれ育っている(=ジェンダーバイアスの中に浸かっている)というのであれば。しかし、それが日本を生きる誰かを生き辛くしているとしたら。まずは自分が偏見をもっているかもしれない、と自覚することから始めてはどうでしょう。一人一人に自覚が生まれれば、「らしさの枠にハマれない人」「長く続かない人」「チャレンジが好きな人」を受け入れる社会になっていくはずです。

「障がい者だから優しくしよう」「外国人だから親切にしよう」も差別の別形態だと考えることもできますね。だってそれって、相手を弱者と決めつけてる態度では?
私たちは全知全能の神じゃない。知らないことはいっぱいある。そして、知らないことに対して偏見をもってしまうことは普通に起こりうるのです。私は上海に6か月滞在するまでは、中国はなんか怖そう、日本人はいじめられちゃうんじゃないのって思ってました。実際はローカルの人たちはかなりフレンドリーで、お世話になった人もいっぱいいるし、日本語を勉強してる人にもいっぱい会いました。
政治家・有名人の差別発言、みたいなのが頻繁に炎上していますが、差別につながる偏見は、きっと誰もがもってるのです。でも「本当は誰かを差別なんてしたくない」というのが多くの人の本音のはず。知らなかったり、気づいてなかったりすることで、傷つけてしまうことはある。何が誰を傷つけるか分からないし、自分が傷つけられるかもしれない。自分が差別をしているかもしれないと自覚すると共に、傷つけられたらそっと伝え、お互いに気づき合えたらいいね。


みじんこは、差別を自覚したいです!ヽ(=´▽`=)ノ

みじんくん と みじこちゃん

「みじんこっぽいよっ。」
「みじんこらしく生きるよー」

mijinconbi