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良いアート作品ってなんだろうっていうのを考えてみる。

  • 12月 01 / 2019
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みじんこアート, みじん講義

良いアート作品ってなんだろうっていうのを考えてみる。

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ありがたいことに、現在とても条件のいいレジデンスにあちこち受かっていて(落ちているほうが10倍くらい多いんですが)、一緒に参加するアーティストさんたちと話をする機会がいっぱいあります。みなさん、キャリアもすごくあってギャラリー所属のアーティストさんもけっこういたりします。そんななので、みなさん「現代アート」として非常に作り込まれている。そんな中で抜きんでるには何が必要なのかなっていうのを考えてみました。

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作品の先に未来があるかどうか

結論から言ってしまうと、最近、大事なのはこれかもしれないなぁと思っているんですね。非常に鋭い視点でおもしろい問いかけをしている作品っていっぱいある。みなさんもうね、十分レベル高いんですよ。そんな中、本当に一握りしか目立っていかないわけで。その差ってなんだろうって思った時に、「作品から未来が感じ取れるかどうか」っていうのが一つ鍵かもしれないなと。それは、これまで残っている作品がきっかけとなって未来が切り拓かれてきたからですね。その作家の作品を通じて、未来がどうなっていくか、みたいな期待感があるかどうか、っていうのはけっこう大事な要素かもしれないという目で最近は見ています。問いや視点としての鋭さってもってる作家がすごく多いからですね。きっとそれだけじゃダメなんだろうなぁと。

良い作品をチートして見抜く

私は何度も言っている通り、目利きではないので、作品単体を見た時にどうこうという判断はほぼできません。でも、自分が現代アートをやる上で、そこそこ「良し悪し」が分かっていないと作品はつくれないんですね。今後伸びるアーティストの作品を買いたい、みたいな場合には、「アーティストと話す」ということをすると、かなり判断がつきます。投資家が優良企業を探すのとたぶんほぼ同じだと思うんですよね、これ。
まず、現代アーティストは基本的に自分がやっていることについてかなり博識です。作品に文脈が張り巡らされてるといっていいです。そこを読み解いていくところに楽しみがあるわけなんですが、日本は特に現代アートが好きな人と現代アートとか関係ないアート全般ファンとの間に割と乖離が起きてる感があるので、一般目線を持ちつつ、現代アートどっぷりな人も唸らせる工夫がある作家はさすがだなという感じがします。んで、そういう作家さんと話すとやっぱり非常によく学んでいるし、知識がすごい。あと、個人的にですが、作家に「未来を背負う気があるかどうか」みたいなのは、今後、重要になってくるのかなと思っています。つまり、自分が作品で食べていくとかよりもっと先の未来を背負ってるかどうかみたいな部分。これがあると、単純に周りが応援したくなるのです。最近よく言われてますが、クオリティが同じになった時、どちらを買うか。正直、アートについてはそれぞれ見栄えはぜんぜん違うので、全く同じ作品ってのはほぼないですが、どうせだったら、推したアーティストがきっかけで日本の現代アートが発展したり、世界で認められたりしたら、買った甲斐があるじゃないですか。そういう意味で、作家から未来が感じられるかどうか、っていうのは重要になりそ、って思っています。

多様性のあるマンガ、多様性を認められないアート

ところで、最近、みじんこがマンガ情報サイトのアルでライターをやり始めました。マンガのレビューを書いたりマンガのコマで遊んだりしています。世界で現代アートが果たしている役割を、日本の場合はマンガが果たしているというのを私はずっと考えていて、日本のマンガの地位がもっと世界的に上がれば、日本の現代アートの地位も引っ張られて上がるんじゃないかと考えてたりします。世界で「コミック」というと、地域によっては下に見られることがあるんですね。つまり、子どもが読むもの(大人になったらやめるべき)、アホな人が読むもの(知的な人は小説を読む)みたいな。日本のマンガ・アニメのレベルの高さは実際に触れてもらえれば分かると思うんですが、「下」に見られる風潮があるせいで、公にしにくい、マンガ・アニメ関連の仕事をしにくい、みたいなのもあるようです。平たく言っちゃうと差別なんですよね、これ。日本の現代アートっていうのもそもそもマイノリティな世界なんですよね。なので、問題点としては「こうすべき」という外圧を押し付けられすぎなんです。アートじゃなくて「哲学」とかに言葉を置き換えたほうが分かりやすいかもしれませんが、美ってなんだかわからなくないですか。特定の美ってないんですよ。だから美は探求しながら模索していくことでさまざまなものが生まれるわけなんですが、「こういうジャンルだけが美です」ってなった段階で制限されてしまうのです。そういう多様性を受け入れる土壌が日本にはまだまだないのかな、と。これがマンガだとね、日本のマンガってほんとあらゆるジャンルが「アリ」で、猟奇的なやつとか犯罪すぎるのとかも、ぶっちゃけあるじゃないですか。マンガだからダメとか言われないはず。でもアートだと日本人の多くは会田誠さんを許さない。マンガが「現代アート」としても十分戦える、文化的にすごいものなんだっていう認識が広まった時、日本の現代アートももう少し多様性を認めてもらえるんじゃないかなぁって思っています。いや、日本でやりにくければ海外に行けばって言われればそれまでなんだけど、どの国も基本的に自国の文化を自国がまず推すんですよ。日本はまだ1億人以上の人口がいるし、2020年に女性の平均年齢が50歳になると聞いたけど、高齢化してるってことはそこそこお金もある。マンガじゃなくてもアートじゃなくてもいいですが、文化にお金を払ってくれる人が増えたら、文化は育ちやすくなる。
なんか論旨がはっきりしない文章になってしまいましたが、そんなことを最近考えてみました。

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みじんこは未来が見えてるよ!ヽ(=´▽`=)ノ

みじんくん と みじこちゃん

「過去も見えてるよっ!」
「現在が見えてないよー」

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