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エストニアとロシアに分断された少数民族セトはどうやって差別を乗り越えたのか

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エストニアとロシアに分断された少数民族セトはどうやって差別を乗り越えたのか

先日、キリスト復活祭(イースター)の時に訪れたセト民族の教会。セト民族とはエストニアの南部に暮らす少数民族で、国境によりロシア側に暮らす人たちとエストニア側に暮らす人たちで民族が分断されています。エストニア南部の町Moosteで行われたフォークミュージックフェスティバルの時に、セトの方たちが来ていて、詳しく話を聞くことができました。

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セト民族のリアルについて聞いてみた

2日間に渡って行われた音楽祭MOOSTE ELOHELÜ。先日ちょうど訪れた少数民族セトの衣装を発見。伝統の歌のようなものを屋外で披露していました。女性の胸を守るというシルバーのアクセサリーも見られました。こちらの記事によると、このシルバーは結婚してから孫が生まれるまで身につけるものだそうです。

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会場をうろうろしていたら、たまたま話した人が2日目の音楽コンペに出場するバンドの人たちで、さらにセト民族出身とのことが判明。なんとなく話が弾み、雨が降り始めたこともあって座って話し込むことに。せっかくなので民族に関するいろんなことを伺ってみました。ちなみにこちらの動画で歌われているのがセト語の歌で、セト国歌です。民族のことはSeto(セト)、エリアのことはSetomaa(セトマ)と呼ばれています。

ロシア側との行き来が困難になっている近年

もともと、セト民族はエストニア南部からロシアあたりにかけて暮らす人々でしたが、ロシアとエストニアの国境が引かれた時に、エリアが分断され、エストニアに暮らすセト民族とロシアに暮らすセト民族とに分かれてしましました。おじーちゃん・おばーちゃんのお墓がロシア側にあったり、友だちがロシア側にいたり、ということがあって、友だちや家族との交流が簡単にできなくなってしまったのだとか。とはいえ、最初の頃はセト民族のためのフリービザみたいなのもあったようなんですが、最近はロシア側が厳しく、お墓参りに行きたいーとか言っても「ガソリン買いに来たんだろ!」って言ってなかなか許可されなくなったみたいです(※ロシアはエストニアよりガソリンが安いらしい)
セトの人たちはもともとセト語を話しますが、この言語はエストニア語やフィンランド語と近く、ロシア語とはかなり違います。隣り合って隣接してる国でも言葉はかなり違うんですね。また、セト語自体はすでに学校で教えることもなくなっていて、言語の保持はかなり難しくなっているとのこと。昔は授業はエストニア語だけど、両親がセトで家ではセト語だから、学校で友達と話す言語はセト語だったみたいなんですが、今では民族も混ざり合って家庭でもセト語を使わなくなっているよう。話を聞いた方は50歳くらいだったんですが、たまに友人たちと「セト語」を話そうの会とかやるけど、自分がセト語を話してもみんながあまり分からないため、「えっ?今なんて言った?」って聞き返されまくるからだんだん面倒になってきちゃうって言ってましたね。あと、ロシア側とくっついて自分たちの国家をつくる、みたいなのは全く考えていないみたい。小さいエリアでも独立を掲げるバルセロナとはまた違う考え方ですね。

差別を受けていたセト民族

驚いたのは、セト民族がもともと差別されていたとのこと。20年くらい前まではエストニア人は「セトよりましに生きたい」って思っている人が多く、セトの人たちも出身地を聞かれた時に「エストニア南部」とだけ言って「セト出身」であるとは言えなかったみたいなんです。最近では観光客も増え、差別自体もなくなってきているようですが、なぜ変わってきたのか、に興味があり聞いてみました。理由について具体的にこれが、ということは言ってなかったのですが、現在ではセト語で書かれた新聞が月に一度発行されているし、セトは素晴らしいよって言い続けた人たちの力なんじゃないかなと私は考えました。

また、セトでは地域で使える専用のお金もあるし、年に1回セト王国の日があり、王国の国王を決める行事もやっていて、地域の観光業にも貢献しています。国王はその日に集まった人たちの投票(日本人でも投票できるみたい)。立候補者はセト語でのスピーチが必須。良いなと思った候補者の列のロープに掴まることが投票になります。人気があれば、列が長くなるってことだね。投票数はロープを捕まった手を数えていくみたいです^^。国王になると1年間、公務に就きますが、国王になっても給与はもらえず、お金を払うばかりだそうです(笑)。とはいえ、民族に貢献できる名誉なお仕事ですね。

合わせて読みたい  SETO PANK(セト民族の使ってるお金が見られる) Seto Kingdom Day(セト王国の日について)

改めて差別について考える

日本ではLGBTの人たちを取り巻く状況がここ20年くらいの間で変わってきたでしょうか。海外だとLGBTの人ってふつうに出会うんですが、日本だと頑張ってそういうコミュニティに行ったりしないと会えない。つまり、それだけ差別が根深いってことですよね。ほかに日本では精神障がい、女性差別とかがありますかね。在日とかもそうなのかな。
私自身も一人で旅をしつづける生活をしていると、「もう家庭をもつとか子どもを産むとか諦めてるんでしょ?」みたいに言われることがあるので、それはちょっと悲しくなります。実際、その「悲しさ」のせいで挑戦できなくなってる女性もいると思うんですよね。家庭をもたなければ、あるいは子どもを産まなければならないプレッシャーを抱えてしまってたり、挑戦を取った時に家庭をもつことを諦めてしまったり。女性に限らず、なんらかのプレッシャーを抱えながら、本当に私たちは選びたい選択肢を選べているのか。無意識の差別や偏見にはそういう影響力がある。ちなみに、これまでこういうの言ってきたのは日本人だけ。さらに割と年配。言ってくる人たちにも悪気があるわけではなく、そういう社会の中で育ってきたっていうことは理解します。だから社会の主体となっている世代が変わって、ようやく変わってくるのかなと。それを考えると差別については、なるべく若い世代の人と話した方がいいかなと思います。そうしたほうが、自分がもってる差別意識に気づきやすくなると思うんですよね。自分が育った時代の社会と、社会の空気は確実に変わっているから。
同時に、差別がなくなってきたことがあったとしたら、それは差別の中で声を上げ続けた人たちのおかげ。潜在的にもってしまってる差別は、本人にも自覚がないはずなので、ささやかに「その考え、差別っぽくない?」って指摘し合えるといいのかもしれないですね。

セト産のノンアルビール

セト民族は服や言語、さらに陶器なども有名だそうですが、興味深かったのはこちらのノンアルコールビール。私はふだんアルコールを飲まないのですが、これは美味しかった!泡立った様子が黒ビールみたいなんですが、味はコーラに近く、北欧の黒パンを食べたことがある人は、黒パン風味だと思ってくれるとかなり正解。けっこう甘いので、甘いものが苦手な人は苦手かも。私は大好きな感じの味でした^^ なかなか他では味わえないような味だったので、ぜひ、エストニア南部に来た時には探してみてください^^

参考リンク  VARSKAVESI(SETO KALIを売っているメーカーさんのサイト)

会場内盛り上がるセトバンド

音楽祭2日目は16組のバンドによるコンペ。課題曲1曲と自由曲1曲を披露し、審査員やオーディエンスによる採点によって評価されます。セトさんたちのバンドは最終組。セト民族のバンドだからてっきり、最初の動画みたく民族的なアレンジかと思ったら、ロック!(*´▽`*)
動画は課題曲のほうですが、みなさん自由にアレンジして、それぞれかなり曲調が変わってましたね。お酒も入っているせいか、オーディエンスの老若男女が踊り出して大盛り上がりでした。めっちゃ踊っていたおじいちゃんがいたのですが、会うたびにショットでお酒を飲んでいて、「俺の人生は1に睡眠、2が飲酒だ」って言ってました。完成形になってましたね!

フェスの内容についてはまた次回!


みじんこは、少数民族です!ヽ(=´▽`=)ノ

みじんくん と みじこちゃん

「増えてるよっ。」
「実は大多数だよー」

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