良著を濃縮還元してお届けするみじんこブックレビュー。今日は脳科学者の池谷裕二さんの「脳はこんなに悩ましい」から、
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脳は他者からの評判が好き
「高価なワインを100円といい、安いワインを高価な値段と伝えた場合、値段に比例して脳の快感回路が活動した。世間の評判や付加価値に左右される人は軽薄、浅はかと呼ばれるが、脳はもともとそこに価値を見出している」
自分の基準をもち、世間の評判に惑わされるな!と言いたいところですが、実のところ賞を獲ってる作品や有名人の作品を「素敵ね」と言ってしまうのが脳の悩ましさ。集団的に良いと決めたものを良いとしようと認識しようとしている作用なので、共通認識をもつことでより生きやすくする利点があると考えられます。社会という集合生命の一部として。
数学的に創られた音楽
「クセナキスは全ての鍵盤(音)を平等に使う現代音楽を作曲したが、知的におもしろくても美しくない。この世は「べき則」という高度に不平等な秩序によって成り立っている」
美しくない、と評したのが誰の批評だったかは忘れてしまったのですが、ぜひご自身で美しいかどうか判断してみてください。たとえば黄金比など数学自体は自然のあらゆる場面に見られるので、数学的イコール美しくない、ではないはずなんですね。私たちは貝の渦巻きを美しいと感じますから。別の研究で、感情がなくなってしまうと知能レベルが同じでも重要度が判断できなくなるというものがあります。情動というのは「美」を感知する上で重要な要素なんでしょうね。
✓ 参考リンク 数学的に作曲するクセナキス
分からないものを無視する子どもの脳
「大人の脳は難しい分からない単語を検知するが、子どもの脳は分からないものは無視するようにできている。自分がわかる言葉だけを意識的に集中して吸収するというのが、言語の学習・獲得に重要なよう」
子どもの世界は分かる言葉だけでできているんですね。難しい言葉を言っても無視されているようなので叱る時は気を付けて笑。
みじんこは、自分に都合の悪いことは聞こえないよ!ヽ(=´▽`=)ノ