TSUTAYAに行ったら目に入った「ゴッホ兄弟のウラ話」みたいなポップ。パラっと見てみるとゴッホの弟、テオドルスが主人公なんですね。ネタバレを含むので気になる人はぜひ読んでからに^^
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さよならソルシエとは?
平たく言うと主人公はゴッホの弟テオドルス。商才はあって頭も良かったけど、絵の才能はなく、兄をうらやましく思っていた。絵を描いているだけで幸せっぽい感じのピュアな兄は暴漢に襲われてあっさり死亡。「天才画家」を世に出すためにゴッホの経歴を捏造するというお話です。ソルシエはフランス語で「魔法使い・妖術師」みたいな意味です。
絵もきれいだし、展開もいくらでも膨らませられそうだったので、2巻完結という短さにまずびっくり。史実を加味しながら物語をつくるというのが難しいのでしょうか。漫画だし無視しまくってもいい気がしますが笑。
史実を無視した展開を勝手に考えてみる
展開を膨らますとするなら、若手の動きをアカデミーが徹底的に妨害し、テオがその裏をついて勝手に美術館をつくったり、アカデミーを無視したサロンをつくって若手を扇動していく、とか。アカデミーの批評家たちとの対立構造をめっちゃ出してもおもしろそうでしたよね。印象派のことを「印象に過ぎない」と言われ、それをむしろ派閥の名前としちゃってさらに若手を煽るとか。印象派のきっかけになる浮世絵をテオが入手し、若手に配ったとかにしてもいいかも→印象派を生み出したのはテオで、絵の才能はないが次代を読む才能はだいぶあった説。
あるいはゴーギャンとゴッホを出会わせて一緒に住むように画策させた後、ゴーギャンをゴッホが耳を切る原因だと考え、ゴーギャンの絵の不買運動を起こし、親子を困窮させてタヒチに追いやるとかw。史実にそれっぽく引っ張られるより完全にフィクションとしてキャラを極端にしたらおもしろいと思うのです。
アーティスト・画壇を舞台にした物語ってあんまりないので、もっと長く読みたかった分、2巻完結が残念で。ゴッホ死亡でテオも失踪となると、続編も期待できない涙。とはいえ、出だしも上手な物語だったので、ぜひご一読をお勧めします^^
みじんこは、アートが好きだよ!ヽ(=´▽`=)ノ