2016年から海外に滞在してアート制作するプログラム、アーティスト・イン・レジデンスにあちこち参加しつづけているOuma。2018年6月現在は8カ所めとなるフランス北部のヌーヴィルという町に滞在中です。こちらはなんと広大な敷地内に一人暮らし。果たして一体ここは・・・!?
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ACCR-europeと呼ばれるアーティスト・イン・レジデンスプログラム
なかなか他にない環境ですが、こちらもアーティスト・イン・レジデンスプログラムの一つで、ODYSSEE ARTIST-IN-RESIDENCY PROGRAM 2018と呼ばれるもの。フランス文化・通信省の協力で開催されるもので、滞在費無料だけでなく、渡航費助成および1200ユーロ/月の助成金がアーティストに支給されます。
アートだけでなく、音楽、映像、パフォーマンスなどさまざまなジャンルの受け入れがあります。
今回、私はACCRの中でもいくつかの組織に応募資料を出しましたが、受け入れの連絡をいただいたのはLA CHARTREUSE DE NEUVILLEのみ。FRENCH CULTURAL CENTERS (CCR)に属する組織の中で、自分のプランにあったところに応募し審査を受けます。
✓ 参考リンク ODYSSEE ARTIST-IN-RESIDENCY PROGRAM 2018 LA CHARTREUSE DE NEUVILLE
LA CHARTREUSE DE NEUVILLEってどんなところ?
広大な庭付きの建物ですが、こちらはもともと修道院。初めて建てられたのは1324年ですが、フランス革命の際に破壊。その後、1870年にカトリック修道院の要請があり、建築家のClovis Normandによって再建。1875年から1901年まで僧侶たちが住んでいましたが、彼らが去ってからは戦時中の病院や精神病院などとして使用されていました。
教会の入り口に彫られた地球と十字架、7つの星。7つの星は最初にこの場所でコミュニティをつくった聖Bruno(1032年生まれ)と6人の弟子たちを表しています↓
カトリック僧院の印刷所でもあったこの場所では、12000冊もの本が保管されていました。この図書室には同時に2人までしか入ることができなかったようです。
1901年に僧侶たちがこの修道院を追放された際、本や家具、オーナメント類をすべて一緒に持ち去りました。その総量はなんと100トンを超えるほどだったとか。
ここで暮らしている神父(Father)に食べ物を渡すドアがこちら↑。2枚扉になっており、同時にドアが開かれることはありません。Brother(修道士)が食べ物を入れて扉を閉じ、あとから神父が扉を開けて食べ物を取り出します。神父たちは毎日、祈りをささげ、学び、食べ、眠るだけの生活をしているので、誰とも出会うことがありません。ただ、日曜のランチは神父全員で一緒に(ただし喋ってはダメ)。また、月曜は3時間だけ神父さんたちが集まって話す機会があったそうです。
神父さんのベッド(左)とトイレ(右)
第一次世界大戦中(1914年頃)にはこちらはベルギーの民間病院として使用されており、その際につけられた壁の傷が今も残っています。現在でも年に一度、ベルギーイベントが行われているのは、この時の経験からです。
こちらはベルギーのかつての大統領↑。ひげがふっさふさで、ベルギー人が見るとすぐに分かるようです^^
その後はフランスの精神病院として使われており、10年ほど前からカルチャーセンターとして利用されるようになりました。現在は、僧侶たちの住んでたエリアをゲストハウスにしようと建物の改修が進んでいます。
中庭にあるのが「お墓」↑。
ここに亡くなった僧侶を埋め、十字架を立てます。十字架が朽ち果てたら別の遺体を埋めてよいとされます。
ガラス窓は外から中は見えませんが、中から外が見えるようになっています。
こちらではボランティアさんたちも多く働いていて、庭のお世話などをしてくれています。栽培されている花や野菜は購入も可能です。メンタルケアの一環としてこちらでガーデニングを一緒にやるというアクティビティも行われているようです。
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ガイドツアーは10ユーロ。団体のお客さんへのランチの手配などもやっています。
レジデンスプログラムの細かい情報や応募条件についてはまた次回。気長にお待ちいただくか、あるいは「みじんこショップ」から記事のオーダーをお願いします^^
みじんこは、謎の暮らしが大好きです!ヽ(=´▽`=)ノ