物事には良い面もあれば改善すべき面もあるわけで。アートセラピーに関わらず、人に関わる職業は非常にデリケート。信頼関係は片方が手を伸ばすだけでは成り立たないですが、手を伸ばすというのは勇気がいることだ。
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アートセラピーを行う上での注意点
アートセラピーについての記事でこんなのを見つけました。
「『心のケア』による二次被害防止ガイドライン」では「絵を描くことは、子ども自身が気づいていなかった怒りや悲しみが吹き出ることがある」と指摘。特に水彩絵の具のように、色が混ざってイメージしない色が出る画材を使う際には、意図せず、強い怒りや不安が出てしまう心配があるため、注意が必要とした。
2011年6月の記事で、特に311震災を受けての心のケアについて注意を呼び掛けています。
✓ 参考リンク 「アートセラピー」かえって心の傷深くなる場合も(朝日新聞)
2012年の甲南大学による「アートセラピーの現状と課題 アンケートとインタヴューから」という調査報告書では、アートセラピーについての定義の曖昧さを指摘、あいまいさゆえに言葉が乱用されないか、という問題提起しています。アートもそうですが、どこからどこまでがアートってはっきりしないですよね。誰がアーティストとして名乗っていいのか。セラピーと名の付く医療行為になるとしたら、資格が必要でしょうか。では逆に、資格さえあれば経験がなくてもセラピストなのでしょうか?
✓ 参考リンク 「アートセラピーの現状と課題 アンケートとインタヴューから」(PDFファイルを開きます)
この調査報告書では、セラピストが重視する項目としては、一番が表現の質の向上(30%)。しかし、表現の「質」とはいったい誰が判断できるのか。バリエーションが増えたというのであれば見映えで判断がつきますが、内面の変化は考慮されているのかが気になるところですが、こちらはもともと、『アートセラピーの過程における作品の質の変化、 そしてそれに伴うクライエントの内面の変化に焦点を当てるべく設定された』もののようです。セラピスト自身も『できあがった作品自体を鑑賞し、 アートとして評価する姿勢よりも、 回を重ねる中でクライエントに起こる変化を重視する姿勢、 クライエントに働きかけて内的な変容を促進しようという姿勢を重視する傾向にある』ようです。
内面の変化についての判断は本人の気持ち次第ですが、もしも本人が継続して参加するようなら、ポジティブな変化が起こっていると判断できそうです。(アンケートや言葉で「好きじゃない―」って言っていながら寄ってくる子どもとかいるので、言葉を言葉通りに受け取れないケースがあると思うのです)
アートセラピーの理想と現実のギャップを感じる要因として、最も課題だったのが「自由な表現」。評価を気にする、などの指摘がありましたが、これは人前で描いている以上、ゼロにしていくのはかなり難しそうです。すごく苦しいことがあったとしても、「死ね!」とか人前では書けないし、言えないのがふつうでしょう。自宅かどこかで一人でやれるように促せるといいのかもしれないね。
私はアートセラピーと検索するとすごくキラキラした素敵な人が出てくることが気になります。残虐な絵とか描いちゃいけなさそう。どちらにしろ、あらゆるセラピー(医療行為)は信頼関係があってこそ成り立つので、アートかどうかの手段よりも関係の構築が一番大事なポイントですね。
みじんこは、評価を気にするよ!ヽ(=´▽`=)ノ