作品づくりのために、動物のこととか言葉のこととかを学んでいます。最近学んだことの雑な覚書メモです。
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1)言語の起源
とてもおもしろかった本です。気になったポイントをメモしておきます。
言語は文法が生まれるように進化する過程で、シンボル・発話・会話が必要だった。
言語は社会を築き上げ、われわれの最も強い願望、最も基本的な考え、感情の動き、人生哲学を表現する。だがつまるところ、すべての言語は意思疎通にこそ奉仕するものだ。
言語の進化は
指標記号(インデックス)→類像記号(アイコン)→象徴記号(シンボル)
という感じで徐々に現れてきた。
指標記号:足跡で動物を表すように、物理的につながりがある物を指す
類像記号:人物の肖像画のように物理的に似ているもの
象徴記号:恣意的、慣習的な意味の表し方
言語のギャップ
人類とそれ以外の生き物の間には、広くて深い言語のギャップがある。
動物界のコミュニケーションシステムは、人類の言語とは大きく異なる。
言語は「意味」「用法についての条件」「使える音の物理的特性」「文法」「音の構造」「単語の構造」「談話の会話編成原理」「情報」「ジェスチャーの相互作用」からできている。 個々の構成要素を調べても全体は分からないという特性がある。
「再帰」は人間の思考とコミュニケーションの重要な要素。これは思考についての思考を考える能力のことで、「〇〇ちゃんが思ってそうだなってその子の友達が考えてそうな気がした」みたいなやつ。
動態としての文化は、社会の個々人にのみ見つかる。どんな社会の構成員も、価値の幅や認められる価値の相対的な優先順位において一致していれば、一つの文化を共有していることになる。 生まれて一番最初の子は「常に女の子」という文化的な性をもつエリアがあります。最初に生まれると、男性器をもっていても女子扱いされるっていうことですね。そういうエリアに自分がいきなり入っても、すぐにそれに馴染めないというのは、文化を自分が共有していないから、ということ。
文化は所属するコミュニティによる教育みたいなものだなと認識しています。
言葉の結びつき
言語は突然変異で生まれたのか?
言語の存在理由は「思考の表現」よりも「コミュニケ―ション」が優位であるが、どちらも相互に関係している。
道具にはシンボルのように文化的意味があるものもある。たとえば「槍」は、狩りに使っていない時も「狩り」を意味するなど。
道具は全体でなく、部分がその性質を表していることもある。たとえば、「包丁」は機能としては「刃」が切れるようになっていれば、持ち手の形や刃のデザインはどうであってもいい。矢羽が特定の民族ごとにデザインされているのは、道具的な性質よりも民族としての「シンボル」の要素が強い。
「運用言語」には、視覚言語、手話言語、音声言語などがあるが、第一形態は口頭によるもの。
人間のコミュニケーションにおいて重要なジェスチャーは、類像的ジェスチャー、比喩的ジェスチャー、拍子とりがある。
「包丁」は飾られているだけの時でも「包丁」を意味するっていうのはとてもおもしろい視点だなぁと思いました。言葉も「創造」っていう言葉は何も創造してない時でも「創造」を意味するし、「破壊」も同じく。 破壊っていう言葉があるだけで、破壊されてない状態でも「破壊」が存在するということは、言葉が存在することは「概念」が存在することも意味していますが、道具にもそういう側面があるっていうところが発見でした。 道具、あるいはアート作品をつくることで、これまでになかった概念を存在させることができるかもしれないし、道具をなくすということは、概念の消失も意味するのかなというのを考えています。
2)求愛行動って意外となぞ
動物たちがどんな仕草や鳴き声でコミュニケーションしているかをまとめた一冊。オスのチンパンジーが求愛行動としてリーフクリッピング(葉を噛み切る)って書いてあったんですが、求愛行動って冷静に考えるととても不思議だなと。踊る鳥とかもいますよね。派手な色の羽をもってるといいとかもあったような。
言語学者さんの定義で、言語とは「創造性」「規則性」「意味」を兼ね備えたもの、とされることもあり、それからすると動物のコミュニケーションは「言語」ではないんじゃないかという説もあるようでした。 求愛行動は言語なのか。行動としての言葉を考えさせてくれたところがおもしろかったです。
3)キリン解剖記
キリンの解剖って丸2週間くらいかかるんですね。すごい、大変!でもキリンの骨はあったらとても見てみたい気がします。
キリンの首の骨についての発見が書かれていたのがとてもおもしろかったです。ほ乳類って基本的に頸椎(首の骨)の数がみんな7つなんですね。キリンみたいな首が長いやつも7つなので、鳥と違って首がクネクネしないですよね。鳥は頸椎がたくさんあるので、首だけ蛇みたいにくにゃりとしてくれますが、キリンは首が長いけど、頸椎の数が同じなのでくにゃれないんです。長さに差はあるのに、頸椎の数は人間と同じ7つなので。
ですが、キリンの第一胸椎がちょっと特殊みたいで、キリンの首が動く時にはこの第一胸椎も一緒に動いているみたいなのです。そのおかげで、キリンの首の可動域が広がっていて、地面まで届くようになっているというのが、郡司さんの発見でした。
「特定の骨が動く」っていうところを物語として使えそうだなと思い、ちょっと覚えておきたいなと思ったのでした。
4)光合成する動物たち
生命の基本単位としての細胞の定義が書かれていました。
・自己複製する(主に遺伝子の仕事)
・エネルギー代謝を行う(主にタンパク質の仕事)
・外界と仕切られている(主に細胞膜の仕事)
外界と仕切るっていう部分が、インターネットやデジタルが「生命化」する上でもしかしたら重要な要素なのかもしれないと考えましたよ。
セルロース主成分の細胞壁はコンクリートより強い。
あとセルロースがコンクリートよりも強いっていうのもなんか驚き。コンクリートが意外と弱いの・・・?
サンゴやイソギンチャクは単細胞の藻類を自分の細胞内に住まわせており、安全な住まいと引き換えに光合成による炭水化物を得ている。
人間の細胞のミトコンドリアも別の生物が入り込んでるので、オリジナルDNAをもつという話がありますが、植物細胞が入ってたら、永遠にエネルギー供給しなくてよくなるもんでしょうか。
自分の身体の一部に植物細胞を植えて、ハイブリッドカー的な感じでハイブリッド生活するとかも可能だろうかと考えてみました。
今日も読んでいただきありがとうございました!
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みじんこ、たくさん学んだよ!ヽ(=´▽`=)ノ