上毛町のご縁で大分の中学校でアートのワークショップをやってきました。世界15カ国で絵を集め、すでに2000枚が集まっているこのプロジェクト。この日は2時間いただいてたので、1時間はプロジェクトの説明とニューヨークのギャラリーやアートフェア(アーモリーショー)で実際に展示販売されている作品について紹介しました。
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自分が感じたこと、なぜそう感じたかを考える
ニューヨークのアーモリーショーは世界でも厳選されたギャラリーしか出せない審査の厳しいアートフェアです。2017年のアーモリーショー、さらにニューヨークで展示されていた作品の中で、割と「意味不明」度の高い作品を紹介しながら、自分がどう思うか、なぜそう感じたのか、を考えてもらいました。
日本の小学校や中学校くらいで「良い絵」って言われるのってたぶん、デッサンがきれいでいわゆる「ちゃんと」描けている絵なんですよね。でももし、「現代アート」をやろうとするのであれば、そういういわゆるちゃんとした絵は、ほとんどまともに評価されません。つまり、良いと思われないってこと。それは美術史に残る作品というのは、科学と同じで発見・発明がないといけないから。三角形の面積を求める数式は正しいけれど、それを後から何度主張しても数学者として評価されないのと同じことです。
現代アートはアートの一分野に過ぎないので、現代アートが正しいとは私は考えていません。ただ、「アート」にさまざまな側面があることを感じて欲しかった。美しいとはなんなのか。物事にはさまざまな側面があり、デッサンが正しい、きれいな色合い、バランスがいい、それだけが「良い」の基準ではないということ。言うなれば自分で「良い」の公式を作っていいのだということ。これは、公式を当てはめることになれているとなかなかできませんが、学校を出て自分で人生を切り開く上では非常に大事なこと。つまり、美術では「考える力」を鍛えることができるのです。
自分が感じたこと、その理由を説明するためには、物をよく観察しないといけません。「汚いと思った」なんでそう思ったか。古いと感じる要素がどこかにあったわけで、その要素はなんだったのか。ただ単に感性に任せて作品を見るのではなく、言葉にすることで思考力と観察力が伸びます。
このタイヤを見て「古そう」って言ってた子がいたのですが、理由はタイヤの溝が白くなってるから。新品だったら確かに真っ黒なはずです。シンプルな回答ですが、果たしてアート作品を見る時にこうして丁寧に見てるでしょうか。けっこう見てないんですよ。感じたことを理由を考えて言葉にする。簡単なことですが、この作業を繰り返すことで考える力がつく。
✓ 参考リンク 子どもの学力を伸ばす美術鑑賞法~思考力を鍛えるVTS(ビジュアル・シンキング・ストラテジーズ)
描き方を発見するということ
絵は基本的には地元の様子が伝わる何かを想像してくれると嬉しいな、と。でも自由に描いてもらっていいと伝えました。制作している様子を見ていると、徐々に絵の具を何度も強く重ねたり、飛ばしたり、自分なりに描き方をいろいろ試すようにする子が出てきて、それは見ていて楽しかったです。こうしたらどうなるんだろう、そう思ってさまざまに試す。私はそれが「クリエイティブ」のスタートだと考えています^^
✓ 参考リンク 世界中の人とつくる一つのアートSORAプロジェクト
いろんな意見をいただけて勉強になりました。参加ありがとうございます、次はもっと議論が進むような進行を心がけますね^^
✓ 参考リンク 「暮らす」を試そう。~上毛町ワーキングステイ募集要項2018
みじんこは、考えてません!ヽ(=´▽`=)ノ