4、5回くらい出してて最終審査も数回行ってるんですが、毎回落ちているOuma。(エレベーターなどの平面やデジタルサイネージでの応募の時に落ちて、インスタレーションはぜんぶ最終に通ってるので、平面と動画にだいぶ弱いんでしょうね。インスタレーションについては競争率が低いんじゃないかなーなんて予測しています、内情は知りませんが)
こちらはアート独学者への情報提供を目指すみじんこブログ。2019年ははじめてプレゼン審査が入っていたので、対策とともに、自作の反省点をあげておこうと思います。
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とりあえず出そうよ、ルミネ!
LUMINEのコンペは応募費用がかからず、一人でいくつも企画案を出していいんです。今回も、2作品が最終審査に通っている方もいました。だから、落ちてもリスクがあるわけじゃないし、少なくとも審査員に「作品を見てもらえる」。だからアートをやってみたいな、って思ってる人はなるべく出したらいいと思います。リスクゼロだよ、マジ。
アートをやってから今日までの生活をしていて思うのですが、自分の活動が広がるきっかけって、アート関係者、ギャラリストやコレクター、批評家などに見てもらえる時が一番チャンスが広がりやすかったです。彼らは横のつながりもあるので、展示場所や買ってくれる人など次のチャンスをくれやすいんですよ。それに気に入ってもらえなかったとしても、何が響かなかったのか、見返すチャンスになるじゃないですか。特に完全独学でもともと知識がなく「現代アート」をやる場合って、けっこう分からなくないです?何がいいのか、何をすべきなのか。私は分からなかった。知識として文脈がどーの、とかは理解したけど、実感として分からなかった。だからね、分かるために、最初はたくさんの人の話を聞いたんです。ニューヨークに行って、ロサンゼルスに行って、ギャラリーのオープニングにいる人に片っ端から声をかけた(海外のギャラリーのオープニングってアーティストがいることが多い)。コンペは一次に通ると審査員と話せる。落ちても気に入った作品だったら覚えておいてもらえるし、またどこか別のところでその作品に出会ったら、「あっ」ってなると思うんですよね。だからね、とりあえず出すといいです。コンペは応募費用がかかるところもありますが、ルミネはタダですし。
最終審査での反省点
今回出したのは「青でもなく空でもない」という作品。Swatch銀座での展覧会に出していたやつです。世界中の空の写真を切り取って1つの空にした作品。だけど、もしかしたらそれは単なる青の画像かもしれない。最近、AIが存在しない人の顔写真をつくっている記事を見ましたが、もうほんとリアルそのものでした。じゃあ、リアルとフェイクの堺はどこにあるのか。私たちはそこに存在するモノからどんなストーリーを導きだすのか、そういうのがテーマの作品です。もともと単に空をくみ上げるつもりだったんですが、これ、空って言わなかったら誰も空って分かんないだろうな、それが本当に空でも。それなら単なるデータでも同じじゃないかと思ったのが作品化のきっかけです。作品や作家の背景にあるストーリーに私たちは感動します。たとえそれが嘘だったとしても。
プレゼン時間が1分間(しかも2番目)でけっこうハラハラだったんですが、みんなオロオロしてましたね。しっかり準備しててもつくり込んだ感じがしちゃうし、オロオロしてると伝わらないし。そういう意味で、グランプリの方はうまかった。作品どおりのキャラクターがうまく出てましたね。こちらは、また機会があればご紹介したいです。
自分の反省点としてはまず、準備資料が足りなかったこと。作品模型と補足資料を持参してよくて、私は作品本体のみを持っていった。でも資料は持っていかなかったんです。理由は、応募資料に参考画像を貼るところがあって、それで出していたので同じのを持っていってもな、と思ってたからですね(ルミネの最終審査でプレゼンや補足資料提出が必要だったのは初めてなのです。前は単に呼ばれて追加資料を出すこともなく待つだけ)。でもあとで「この薄いフィルムシートでちゃんと展示できるのかなという気になってしまった」と言われてしまったので、ちゃんと展示実績があるところを示すべきだったなと。それと作品上部に前回の展示の影響でボンドがついたままだったんですが、それを取っておけばよかった。簡単にいうと、見栄えが汚かったんです。実際の展示になったら、そこの部分はフィルムごと捨てちゃうつもりだったのですが、審査の段階でこれがあるとたぶん、「ちゃんと作品設置してくれるのかな」って選ぶ側が気になっちゃうと思うんですよね。なにしろ、他の人はがっちり模型を作りまくってきてたので。次はこういうところも気をつけます。
作品そのものの反省点
審査員のみなさまに言われた作品についての振り返りを。
・「アート」を展示していると分かる物、ふだんのディスプレイっぽく見えない作品を求めていた。
→これはもう、どうしようもないw 場所に合わなかったってこと。
・薄いシート素材で展示に耐えられるのかに不安があった。
→展示実績があったので、自分にはイメージがついていましたが、これはプレゼン用に再度資料を用意すべきだった。次回に向けて改善しやすい反省点ですね。
・リアルかフェイクか、というのは説明があればおもしろいけど、作品を見るだけでは分からない。「空」っていうタイトルにしてしまっても、そのテーマは伝わったのではないか。
→なるほど、と思える面もありますが、「解説がないと分からないなんてダメ」っていうのは割と言われることなので、あえて真逆の意見を打ち出したい。そもそも私が現代アートのおもしろさに触れたきっかけは、杉本博司さんの「海景」の解説を聞いたから。たとえば歴史に残る作品があったとして、それが残ったのは、誰かがそれが「良い」って伝え続けたからだと思うんですよ。ファンの口コミから「何か」が知られていくように、パッと見で良さが分かりにくいものでも伝えてくれる存在があれば、ちゃんと伝わっていく。事実、小さな作品がつながって巨大な1つの作品になる「系統樹」はコンセプトも伝えやすいので、口伝してくれる人が多いんですよね。この青作品もそれに近い。鑑賞者を巻き込める作品をつくる作家としては、解説してくれる存在に頼らないといけない作品っていうのもアリじゃないかなと。
それを踏まえた上で、「作品を知って好きになり、解説をしてくれる人が全然いない」っていう状況は、作品の強度の問題なので、そこは改善しないといけないけど、タイトルを変えたり、「見て分かるように形を変える」っていう方向性はなくていいかな、と。それよりかは、作品の本質である「リアルとフェイクの堺」という部分、そこをもっと明確にすべき。それはこの作品じゃなくてもいいかもしれないですけどね。この子の今後はまた考えます^^
・雲を入れていない理由は
→撮影の時から空だけにフォーカスしていたので、聞かれるまで改めて「雲を入れない理由」をしっかり考えてなかったんですが、今、改めて考えて返すとするなら、空は1つだけど、雲は1つじゃないから、ですね。次はそう言います笑。
今回の最終審査、グランプリも準グランプリも満場一致ですぐに決まったんだそうです、おめでとうございます。まぁ、というわけで、この作品だったらたぶん何を頑張っても無理だったと思います。
最後に。コンペは審査員の好みによって結果が分かれます。アーティスト・イン・レジデンスの応募もそうですね。所属ギャラリーとの出会いも、婚活と同じで相性なので。なので諦めずに、自分の味方になってくれる人が見つかるよう、声をあげつづけましょう!がんばれ、アーティスト!
・・・そんな私は次はもう、みじんこちゃんで出しますよ。
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みじんこは、いつでもグランプリだよ!ヽ(=´▽`=)ノ