突然ですが、知的障がいをもった方と話したことってありますか?改めていわれると、私の日常では出会う機会がなく、私自身はほぼ触れ合ったことがないです。今回は台東区にある福祉作業施設に見学に行ってきました!
誰でも遊びに行ける開かれた作業所
一般的なイメージですが、作業施設と言われると病院などと同じで気軽には出入りできないイメージ。ですが、「つなぐ台東」ではいつでも見学者を受け入れており、本当に気軽に誰でも遊びに行くことができます。
✓ 関連リンク 特定非営利活動法人つなぐ台東
「つなぐ台東」と施設の仕組み
主に知的障がい者を受け入れている「つなぐ台東」は昭和55年に「手をつなぐ親の会」という集まりからできた作業所で、現在は作業所は4つまで増えています。私が見学させていただいたのは第3作業所です。
興味深かったのは、障がい者の方を「利用者」と呼ぶこと。彼らはあくまで施設を使ってくれるお客様であり、敬語で接する決まり、、とまではいわないまでも、そういう意識があるようでした。(とはいえ、親しい友人のように話している様子も見受けられ、そこはもうお互いの信頼関係ができているのだと思います)
「施設」であるため、利用者には「施設利用料」がかかりますが、ここに関しては台東区が肩代わりしているようです。
月給3万円は高いのか安いのか?
施設での平均月給は3万円。ボーナス月になると人によっては10万円くらいになるんだとか。この金額は作業量によるので仕事の早い人は高くなります。
こういった施設でのお箸詰めなど単純作業の仕事は非常に時給が安いことを聞いており、ここにくるまで私は「安すぎる、もっと上げられないのか」と思っていました。ですが実際に訪れて思ったことは「安いと考えるのは私の基準に過ぎないのではないか」ということです。
施設では過重労働を強いられるわけではなく(平日9時~16時まで)、「誰でも立ち寄っていい」という姿勢の通り、すごくほのぼのと話しながら作業をしていました。利用者の方全員と話ができたわけではないですが、数人の方は「仕事が楽しい」とおっしゃっていました。
私が訪れた日は「外食」の日で、お昼は近くのファミレスへみんなで食事をしに。それ以外にもスカイツリーへ行ったり、食品サンプルの体験しに行ったり、いろんなアクティビティもある様子。月に1度は生け花もするんだそうですよ!
いろんな国に行ってみたい私は、高いお金を稼ぐ必要があるかもしれない。でも、暮らせる家があって、楽しくやれる仕事があって、毎日の生活が充実しているならそれでいいのかもしれない。月給が安いか高いかは外部の私が決めることではなく、関わる人、特に「利用者」である彼らの選択である、と私は思いました。
やりたいことにお金がかかるなら稼げばいい。でもそうでないなら、必要な分だけ稼げればいいのかもしれない。世の中には「カンボジアに学校を作りに行くという経験を得るために自らのお金を払う」人もいるわけです。オーストラリアではボランティアをするのにお金がかかります。何に「価値」を感じるかは人それぞれ。それが安いか高いかは、本人が決めること。そういう気持ちは言葉になっていなくても、表情や行動で十分読み取れますよね。
また、考え方によっては国や台東区から補助金が出ているわけで、実働以外にも国からの給与が出ている、と考えることもできます。
現在はいろんな仕事がきているという「つなぐ台東」ですが、自主生産でクッキーの販売もしています。かなり美味しいです^^レーズンの入ったものがお勧め。
袋詰めなど単純作業は誰でもお願いすることができるようなので、私も今後、何かあったらお願いしたいなと思っています^^
折り仕事をやってみる
せっかくなので、私も1つ1円くらいの折り作業を体験してきました。○の位置をそろうように折るのですが、意外と難しく。。女性の利用者の方が非常に正確に早く、修行してもなかなか追いつきそうになかったです、笑。
15分で30円分くらい仕事してタイムアップ!笑
施設職員の方のやりがいや喜び
「知的障がいの人と話すのが単純に楽しい」「同じなんじゃないか」という意見と共に、興味があったのが「彼らをからかうのが楽しい」んです、というご意見。
「からかう」ってどういうことだろう?って思っていましたが、施設内でこんな会話が繰り広げられていました。
「今日はとんかつ食べる~」という男性の利用者さん
「お前には、とんかつは食べさせない!」という職員さん
「食べたいよ~」って言って笑う男性と「やだー、きゃはははは」と笑う女性利用者さんたち。
「からかう」って言っちゃうとなんか誤解を生みそうですが、要は冗談を言い合える関係であること、でしょうか。
日常に障がい者と関わる機会がない私にとって、こういう会話を彼らと交わすのはちょっとハードルが高いです。それは「こういうこと言って平気かな」「傷つかないかな」という思いが最初に働くから。
障がいの有無に関わらず、初めて接する人とは鋭敏なコミュニケーションがあるはず。そこから信頼関係が築ければ、もっとお互いの気持ちを素直に言えるようになる。それは相手が誰であっても同じこと。そういうコミュニケーションを築ける機会があれば、障がいだったりLGBTだったり国籍だったりするような「ボーダー」をどこかで越えられるような気がします。少なくとも、私はもっといろんな人と出会い、話したい。
次は生け花をやる時に見学に行ってきたいと思います^^
みじんこは、今までにない気づきがある体験を紹介します!ヽ(=´▽`=)ノ