瀬戸内寂聴さんが「極彩色の死なない家」と評したという三鷹市にある天命反転住宅の「たてもの見学会・建築する体の見学会」に参加してきました!
不可能と思われていた天命が反転する、不死の家
バス停を降りてしばらく歩くと、不意に現れるカラフルな住宅。2005年に完成した天命反転住宅は、住めるアート。「住まいは身体の延長にある」と考え、利便性やコストではなく、自分やパートナー、家族が中心にある住宅です。
ヘレン・ケラーは臭いで相手の性格が分かったといいます。すべての人がヘレン・ケラーになれる可能性を秘めていることを伝える三鷹天命反転住宅。自分がふだん当たり前に忘れていた身体の感覚を、改めて体験できる空間です。
✓ 関連リンク 三鷹天命反転住宅
一度に6色の色が見える
天命反転住宅は、一度に6つ以上の色が目に入るように設計されています。これによって人は「赤い家」「青い家」ではなく、「カラフルな家」と認識します。
いつもの自分の家も、よく見たら同じ「白」でも暗めの白、黄色っぽい白、まぶしい白など、細かい差があるはずなのに、いつの間にかまとめて「白」としています。私たちは果たしてどこまでモノを丁寧に見ているのでしょうか?
目をつぶって住まいを感じる
見学会は3つのコースに分かれており、私は最も体験が多いという「建築する身体の見学会」に参加しました。部屋の中に座った時、どれだけの素材に触れられるか、という問いで、改めて周囲にあるものの材質に目を向けます。説明の後には、目隠しをして室内を歩くという体験も。
「たてもの見学会」コース
- 学芸担当者による見学会
- 建築する身体の見学会
- ファミリー見学会
参加費は大人2,700円、子ども1,000円、幼稚園以下無料。
収納はなく、服や物は天井から吊るします。特定の場所にしまうのではなく、住む人それぞれの利用の仕方がある。それはまるで、「幸福」や「人生」の価値が人それぞれ異なることを明らかにするよう。
身体能力の違いに配慮
ヒトの身体は一人ひとり異なり、日々変化します。今あるものを当たり前と思わずすごすことで、今まで不可能と思われていたことが可能になるかもしれません。そのうち、天命(寿命)だってなくなっちゃう(反転)かも!
3歳の子が大人より使いこなせる場所もあれば、70歳以上の大人にしかできない動きもある。年を重ねるたびに違った楽しみ方ができることに気づけるようになるのも、この建築の魅力。
宿泊も可能な見学プログラム!
現在、9室の天命反転住宅では、1室は事務所、2室が事務所、2室がショートステイ利用、5室が賃貸として運営されています。長い人はもう7年も住んでいるそうですよ!荒川さんとマドリンさんは「この作品(住宅)は、人が住んで初めて完成する」という言葉を残しているように、「住む」ことに意義を見出しており、ショートステイも7日間からの利用となっています。
ショートステイプログラム
- 3LDK(4人用):気配コーディネーティングの部屋
- 2LDK(2人用):極限で似るものの部屋
入居者には「建築する身体」という本の「危機の倫理家の有効な方向づけ」の部分を必ず読んでほしいとしています。興味のある方は、こちらもチェック!
✓ 関連リンク 建築する身体―人間を超えていくために(荒川修作、マドリン・ギンズ著)
10年くらいしたら、また遊びにきたい場所ですね^^
みじんこは、ワクワクするような体験を紹介します!ヽ(=´▽`=)ノ