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【みじんこTALK】第10回~ドイツ人の写真家による「俳句」をテーマにした作品展インタビュー

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【みじんこTALK】第10回~ドイツ人の写真家による「俳句」をテーマにした作品展インタビュー

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Hola!(ハロー)バルセロナ在住のOumaです。現在滞在中のギャラリーで開催中のAndrea Wilmsenさんの個展”HAIKUS or Poems of Broken Things”。HAIKUSってあれです、日本の「俳句」。バルセロナ在住のドイツ人だというアンドレアさんに、今回の個展について伺ってきました。

破壊されたモノから感じられるストーリー

壁一面に貼られた写真はリズミカルに配置。対面には割れたガラスと石が、それぞれ写真の前に置かれている。

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なぜ、それは破壊されてしまったのか。破壊の前に起こった出来事は何か、人はそのストーリーを自らの思考の中で形作る。
「これはきっと誰かが腹いせで壊したものだ」
「置き去りにされて自然に壊れたんだろう」
想像されたストーリーは「事実」ではなく、あくまで想像に過ぎないにも関わらず、人は自らの思考を真実と思い込む。

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関連リンク  アンドレアさんの個展の英語版プレスリリースはこちら

なぜ、俳句をタイトルにつけたのか

「俳句は短い中に強い感情が込められた詩」と語るアンドレアさん。ランダムに並べられた写真の配列は、それぞれが1篇のHAIKUのように機能しているという。

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俳句は世界最短の五・七・五のリズムから成る定型詩。短い中に季節を表す言葉が入り、強い余韻を残す。彼女の出身地であるドイツの風景や歴史的背景も込められた写真たち。破壊された「それ」が残す強烈な余韻は、写真の枠に収まらない外の世界を想像させる。1つ1つのイメージが強いメッセージを発していながら、さまざまな国を旅して集められた写真は、「すべてのリアリティはどこかで繋がりをもっている」ことを思い起こさせる。

関連リンク  アンドレアさんのHPはこちら

自分が真実だと思い込んでいる記憶は、実際に起こったことではなく、思い込みによって脳が生み出した疑似記憶なのかもしれない。彼女の作品は、破壊を伴った現象を提示することにより、「リアリティとは何か」について私たちに問いかけます。あなたはこの作品の前で、何を感じるでしょうか?

作品展は2月19日まで。お時間があればぜひ、バルセロナまでお越しくださいませ!

関連リンク  Werner Thöni ArtspaceのHPはこちら


みじんこは、世界で活躍するアーティストを熱く紹介するよ!ヽ(=´▽`=)ノ