あいちトリエンナーレ2019で公開されていたモニカ・メイヤーさんの作品から、参加型アートプロジェクトをつくる時に気をつけることをまとめました。
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「女性として差別されていると感じたことはありますか? それはどのようなものですか?」
「あなたや、あなたの身近でセクハラ・性暴力がありましたか? それはどのようなものでしたか?」
「セクハラ・性暴力を無くすために何をしましたか? これから、何をしますか?」
「これまでに受けたセクハラ・性暴力に対して本当はどうしたかったですか?」
事前に行われたこちらの質問に対する答えが展示されていた作品で、
このプロジェクトは、1978年より40年以上にわたり世界各地で続けられて きたものです。
というからすごいですよね。40年ですよ!
✓ 合わせて読まれたい モニカ・メイヤー(N04) | あいちトリエンナーレ2019
40年前と今とで返信がどう変わってきているのかがとても気になります。ジェンダー問題について特にここ10年くらいは大きく意識が変わってきているのではないでしょうか。レインボー(LGBTQ)関連の運動も活発になってきてますよね。
今日は展示内容についての考察ではなく、自分の作品の反省についてなんですが。。
あいちトリエンナーレ2019の時には、表現の不自由展が展示クローズになって、多くの作家さんが「連帯」を示す、ということで作品を展示させない判断をしたり、展示替えをしたりしたのをご存じでしょうか。モニカさんの作品で、コメントが破かれているのもその「連帯」アクションの一つなんですね。これはもとはクリップでワイヤーに飾られていました。
#YOurFreedomっていうムーブメントが日本でも起こって、それは、
「あなたが日常の中で見つけた差別や偏見、我慢やあきらめを強いられた具体的なエピソードを教えてください」あ、あいた〜〜!
— キュンチョメ (@kyun_chome) September 29, 2019
扉と壁が声でいっぱいになったので、一枚目の扉が開き、 #YOurFreedom の場所が拡張されました。今日からCIRの展示室の壁、そして不自由展を塞ぐ壁に張られていきます。 pic.twitter.com/bzP9MHumUq
この質問を訪れた人が閉まっている展示室に貼っていくっていう感じだったんです。
私は2019年5~12月まで韓国の2か所のアーティスト・イン・レジデンスに参加していて、この辺りの流れを主に韓国で感じていました。
8月に一度ちょこっと日本に戻ったので、その時にあいトリにも行きました。
5~8月のテジョン滞在の時が日韓関係がかなり悪くなっていて、9~11月の釜山滞在の時にはちょっと落ち着いてきたみたいな感じでした。(現地にいても韓国語で情報が入るわけではないので、町の空気感を感じたり、地元の人に話を聞くしかなかったところはありました)
2019年が韓国では独立100周年記念の年だったので、そういうのも影響してたのかもしれません。
でも、あいトリの不自由展クローズについては、韓国では「少女像がダメだった」みたいな報道になっていた気がして、ほかの作品のことなどは伝えられてないように感じたんですよね。
日本サイドのネットコメントと韓国の町の雰囲気とのはざまで、自分はアーティストとしてどうするべきか、みたいなのをすごく考えた時期でした。日本で起こったこういうアクションを伝えるという意味合いをもって、釜山での2019年10月の自分の個展の時に、同じような問いかけを行ったんです。
あなたが日常の中で見つけた差別や偏見、我慢やあきらめを強いられた具体的なエピソードを教えてください
일상 속에서 발견한 차별이나 편견, 혹은 아집이나 포기를 강요당한 구체적인 사례를 들려주세요
What is a concrete example of when you experienced discrimination or prejudice that completely disempowered you and made you feel hopelessness?
具体的には、この問いかけを書いた紙を机に置き、壁に貼ってもらうっていうやつです。同時に、この頃は香港のこともめっちゃ盛り上がっていた時期で。韓国では学生運動とかも起こってたんですね。(中国人と韓国人の学生さんが韓国の大学で争っていると現地の人が言っていましたが、くわしくは調べてください)
✓ 合わせて読まれたい 2019年10月の釜山の個展で韓国に暮らす人に聞いた「日常の中で見つけた差別や偏見について」
なので、香港についてどう思うか、みたいなのも問いかけに入れました。
香港について知っていることを教えてください。また、香港へのメッセージがあればお願いします。
홍콩에 대해서 알고 있는 것을 가르쳐 주세요. 또, 홍콩의 메시지가 있으면 부탁합니다.
Could you tell us what you know about HongKong? Leave the message to HongKong, please.
✓ 合わせて読まれたい 2019年10月の釜山の個展で韓国に暮らす人に聞いた「香港へのメッセージ」
回答集はそれぞれリンク先からどうぞ。
長くなりましたが、今日の主題はそこではなく。今日のテーマは「参加型アートはフォーマットでつくる」です。
私はこんな感じでバラバラっと貼ってもらったんですね。もともと、自分がこういうバラバラっとした感じが好きなのもあるんですが、市民参加でアートをつくるのであれば、もっとフォーマットをしっかりすべきだったなと。
具体的には
・色
・貼付フォーマット
を統一すべきだったと。
あ、あいた〜〜!
— キュンチョメ (@kyun_chome) September 29, 2019
扉と壁が声でいっぱいになったので、一枚目の扉が開き、 #YOurFreedom の場所が拡張されました。今日からCIRの展示室の壁、そして不自由展を塞ぐ壁に張られていきます。 pic.twitter.com/bzP9MHumUq
もう一回こちらを注目すると、
・ピンク系が多い(モニカさんと同じ)
・整列している(モニカさんと同じ)
ですよね。
自由参加してもらっても、フォーマットがしっかりしていると、全体を「作品」として見た時の一体感が違うんですよね。
これが自分はバラバラ。4色にしている意味も特にありません。
バラバラにするんだったら、床に散らしてもらったほうが「連帯感」はあったかもしれません。
連動してるのは「問い」だけで、それ以外の作品の在り方部分をちゃんと分析してからトレースすべきだったということは、とても反省しています。女性差別をテーマにしていたモニカさんが「ピンク」を主体に使っているのも意味がありそうな気がするんですよね。
アートとして作品化することで、コメントしてくれた人たちの存在を昇華させるような役割も持っていましたし。
バラバラにしたいなら、バラバラなのが作品として昇華するフォーマットをつくるべきでした。
今日はそんな学びのお話でした!
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