あいちトリエンナーレの作品を紹介していくシリーズ。ヘザー・デューイ=ハグボーグさんの作品「街頭で収集したDNAサンプルに基づいて3Dプリントされた肖像のシリーズ」をご紹介! あいちトリエンナーレは、2019/10/14までやっているので、間に合う方はぜひ!
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個人情報はもはや保護しきれない
なかなかこういう作品を「アート」として認めない!っていう人は日本には多そうな予感なんですが、私は割とどこまでをアートと定義してない人なので、個人的にはとても興味深かった作品です(科学がとても好きですし)。今の科学技術でどこまで解析できるのかって実感として分からなかったですが、こんなことまでできるの!?っていうのが純粋な驚きと発見でした。
今や自分がネットで買ったものは全部データとして残っているし、たとえば中国でよく使われている無料のレンタル自転車サービスでは、ユーザー行動として何歳の女性がどの時間にどこからどこまで行った、みたいなのが全部データとして残されています。町中にはカメラがあるし、もはや指紋どころか骨からDNA鑑定だってできちゃう。本作では合わせて「自分のDNA痕跡を消すスプレー」や「生体内の化学物質を隠すスプレー」が「商品」として販売されていて、それも「作品」として展示されています。絵文字アイコンがMoMAの永久収蔵品になったように、あるいはMoMAで展示されたインベーダーゲームがプレイ可能だったように、もはやアートの定義・境界なんて明確なものはどこにもない。ただ、現代アートとしての「強度」はもちろんあると思っていて、それは年月を経ても「価値」が失われないこと。アートと名乗っていないアートがこの世にはたくさんあるというのが私の意見で、世界最高のアーティストはブッダなんじゃないかと私は思っています。
✓ 参考リンク Stranger Visions, Dublin: Sample 6(あいちトリエンナーレ) Heather Dewey-Hagborg
個人が融合している時代
これだけ個人情報が明確に取得できる時代となると、個人が明瞭になっている気がしますが、私はむしろ、融合しつつあるのではないかと考えます。Amazonなんかを見ていると「これを買った人はこれも買っています」みたいのがけっこう出てきますよね。また、Twitterでフォローしてる人の発信を丁寧に読み込むことで、自分自身の一部にしちゃうとか。個人同士の結びつきがニューロンネットワークみたいになってきた時代。そういった中で私たちはやはり、集合体としての自分、集合体としての自分の位置づけを意識してもいいのかなと思ったのでした^^
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みじんこは、科学が好きです!ヽ(=´▽`=)ノ