デンマーク、コペンハーゲンよりOumaです。7つめとなるアーティスト・イン・レジデンス、Danish Art Workshops。これまでのレジデンスの中では最も機材のそろったレジデンスになります。実は最初の応募では落選。2度目の応募でめでたく合格となりました。
今回のレポートでは各工房の様子と合格のコツをお届けです!
※レジデンスの情報は随時変更されるので、詳しい情報は公式サイトからご確認ください。
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Danish Art Workshopsの基本情報
地下からセラミック、金属加工、木材加工、作品保存、テキスタイル(編み物や染色など)、フォトグラフィー、グラフィックプリント(シルクスクリーン、木版、リトグラフなど)と各階ごとに異なる工房があるDanish Art Workshops。設備の充実ぶりといい、地元ではかなり有名な場所のようです。
レジデンスの住まいは工房から徒歩10~15分くらいで、Black Diamondと呼ばれる王立図書館の近くにあります。短足の足には辛いのですが、自転車もレジデンス先から借りられます。住まいも工房もコペンハーゲのど中心なので、自転車さえあればほぼどこにでもアクセスできる最高のロケーションです。
✓ 参考リンク Danish Art Workshops
滞在費は無料、使った分だけ材料費は支払いが必要です。初日にデポジットで1500DKKの支払いが必要ですが、これは終了時に返金されます。渡航費の助成はなく、初日は工房のレセプション(4階)まで自力でくる必要がありますが、空港直通の駅からも徒歩で10~15分くらいなので、さほど大変ではありません。(石畳の道にスーツケースがひっかかるくらい笑)
初日はワーキングタイム(9時~15時)に着かないと受け付けてくれないと思うので、この時間内に着くように飛行機を調整するといいです(他のところに一泊するという手間がなくていいように)
住まいは3人のアーティストさんでシェア暮らし。それぞれ自分の部屋があり、キッチンやバスルーム、リビングが共用です。掃除は自分たちで分担。シーツやタオルは週に1回、工房に持っていくと新しいものと取り換えてくれます。
1)セラミック工房
それではまずは地下から行ってみましょう!地下には広々としたセラミック工房が。かなり大型の作品が焼ける窯やろくろも完備。各ワークショップにはアシスタントさんがいて、機材の使い方を指導してくれます。(とはいえ、完全な素人が参加しているわけではなく、知識・技術のあるアーティストが参加しています)
この階にはシャワールームなどもあるので、工房で塵まみれになった場合にはシャワーを浴びて帰れます^^
週1で交換してくれるシーツやタオルの交換もこの階で。
2)金属工房
1階にあるのが金属加工の工房。機材のあるエリア以外に、制作途中の作品を広げておける場所もあります。4人ぐらいのアーティストさんがシェアして使っているようでした。
3)木材加工、作品保存工房
3階には木材加工の工房のほか、作品の修復・保存をメインにした工房があります。
4)テキスタイル工房
4メートル近い大型の編み機もあるテキスタイル工房。こちらでは染色用の設備も整っているため、糸から自分の希望に合わせてつくり込むことができます。
5)フォトグラフィー工房
大・小と2つの部屋があるフォトグラフィー工房。大型ライトや三脚、ライトボックスなどの設備があり、暗室もあります。大型のプリンターもあり、光沢ロール紙や透明なシートでプリントすることができます。
他の工房は機材をそれぞれシェアし、アトリエ自体も広い場所をエリア分けしてアーティストがそれぞれ使っている感じですが、フォトグラフィー工房は1人のアーティストでひと部屋を占有です。
フィンランドもそうだったのですが、もともと寒い国は基本的にエアコンがなく、窓を開けないと夏はかなり暑いです。特に2018年はみんなが「異常だ」というほど暑いようで、窓を閉め切っているとしたたる汗が止まりません。
6)グラフィックプリント工房
木版、シルクスクリーン、リトグラフの工房があるのが5階。リトグラフは石を使った本格的なもので、かなりうらやましい!
合格のポイントとオススメの参加期間
DAWでは最大3か月までで希望の期間を出すことができます。私は3週間を希望で出して、参加日程も希望通りだったのですが、3週間は短すぎたと非常に後悔しています。中心部はそれほど大きくないとはいえ、コペンハーゲンはデンマークの首都。見どころも多く、スウェーデンまで電車で30分という立地なこともあり、周辺環境の見どころも多いです。制作と探索をゆとりをもって行うのであれば、最低でも2か月、他のEU諸国に立ち寄る予定がなければビザなしで滞在できる90日間いっぱいまでの滞在が理想です。
合格のポイントは「近いうちに展覧会の開催予定があること」と「工房の利用が必須なこと」。
近日中に展覧会予定があるアーティストさんを優先で受け入れているようだったので、応募資料には展覧会の詳細を添えるといいかと思います(実際に応募資料に記入欄がある)
DAWの嬉しいイベント
工房が各フロアごとなこともあり、別の工房で働くアーティストさんたちとの交流はふだんあまりないのですが、DAWでは12時~13時のランチタイムをなるべくみんなで一緒にしようという習慣があります。他に、毎週金曜日の15時~はケーキタイム。ケーキとワイン、コーヒーが振る舞われて、みんなで楽しむ時間があります。
とはいえ、ほとんどの会話がデンマーク語で行われます(海外からの参加アーティストが少ないため)。デンマークではほぼ全員が英語ペラペラなんですけどね笑。
館内で行われたパーティの残りで豚さんがいらしたことがありました^^
家族での滞在も可能
レジデンスは場所によってはパートナーや子どもと一緒に暮らすことが可能なのですが、DAWも大丈夫なよう。同居アーティストさんの1人が赤ちゃん連れで継母さんも一緒にシェアハウスに滞在しています。室内も2人くらいであれば生活するのに十分な広さがあるので、シェアメイトにきちんと気遣いができれば、パートナーとのコラボレーションワークも十分に可能ではないかと。
赤ちゃんも可愛いし、おばーちゃんが共有スペースをいつもキレイにしてくれているので、私としては非常に助かっています。
さて、お世話になったお部屋やアトリエは自分で掃除して引き渡すのが義務。次の人のためにキレイにして帰りましょう!
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みじんこは、プロフェッショナルな工房が大好きです!ヽ(=´▽`=)ノ