海外の広いアトリエでアートを制作しながら暮らす。渡航費や生活費がもらえるところもあるので、コストがかからずに長期滞在しながら制作に集中できます。学生の夏休み、子どもが大きくなったから2週間くらい、定年して自由時間が増えた。人生に自分とアートのための時間をつくる。アーティスト・イン・レジデンスはそんな夢を叶えてくれます。
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オープンコールもいろいろ
アーティスト・イン・レジデンスもオープンコールのジャンルはさまざま。キュレーター向け、批評家向け、ミュージシャン向け、小説家、詩人向け、デザイナー、ダンサー、映画、ドキュメンタリー、建築家向けなど、いわゆる美術以外のジャンルにも開かれています。アートとしても、ビジュアルアートだけでなくパフォーマンス、リサーチ、彫刻などいろいろ。私が2017~2018年5月まで参加していたSWATCHのアートピースホテルでは、本当に多様なジャンル、国籍の人に開かれたプログラムで「漫画家さんも歓迎」と代表の方が言ってました^^
✓ 参考リンク SWATCH ART PEACE HOTEL
現代アートでなくてもレジデンスには受かる
「自分の作品はコンセプトとかあるわけじゃないからレジデンスには出せない」という声をたまに聞くのですが、アーティスト・イン・レジデンスは現代アート向けのみなわけではないので、現代アートじゃなくても別に受かります。これまでに参加したレジデンスでは「自分の作品はもっと商業的だからコンセプチュアルアートではない」と名言している作家や、印象派が好きで印象派っぽい作品をつくっている作家もいました。世界のアートシーンに打って出るぜ!というギラギラした人だけが参加しているわけでもなく、これまでと違った環境で刺激を受けながらアート制作をしたい、という人もたくさんいます。
なので、気になる人は気軽な気持ちでどこか受けてみたらいいと思います^^ レジデンスの応募攻略などは過去に記事を書いてるので参考までにどうぞ。
✓ 合わせて読みたい 無料で海外に数ヶ月滞在してアート制作しよう!~アーティスト・イン・レジデンス攻略法
サイトスペシフィック性をどこまで考慮するべきか
現代アートではなく、コンセプトがそこまではっきりない場合には、作品ポートフォリオだけでいいところに出すのがおススメ。募集テーマに沿った作品をつくっている人は、もちろんそこに出したほうがいいです^^
企画を求めてくるところは、基本的にはサイトスペシフィック性を考慮した作品企画を出したほうがいいのですが、最近、私はこのサイトスペシフィック性を重視しない方向で攻めようかなと考えています。サイトスペシフィック性というのは、その土地でつくる意義があるかどうか、というレジデンス先と作品とのマッチングです。
私はリサーチアーティストではないので、サイトスペシフィック性を作品に乗せようとしてもどうしてもぬるい感じになっちゃうんですね。だったら、最初から自分のステートメントに沿った得意分野で出したほうがインパクトがあるんじゃないかと。ちなみに、SWATCHのレジデンスは上海や中国がまったく関係ないテーマで出しています(他のアーティストさんは中国関連のテーマで出していたので、ほぼ私だけが関係ない感じw)。サイトスペシフィック性が絶対に必要なところは応募要項にもそのことが明記されているので、そうでなければ自分のステートメントを前面に出した企画の方が、アーティストとして自分自身も成長できるものがつくれるし、自分もつくっていて楽しいです。
また、私は以前、レジデンス先のホームページの「しょぼさ」で競争率とかレベルを判断してたのですが、これが意外とアテにならないことが最近分かりました笑。ホームページがめっちゃ古い感じなのに名門とか、まともにホームページがないのに競争率がめっちゃ高いとかあるんですね。以前参加していた韓国のMOHAは部屋は狭いしアトリエにバッタが侵入しまくってますが、条件の割に競争率は驚くほど低かったし、レジデンス主催のアクティビティも多かったですね。
今も継続してレジデンスに応募しつづけ落ち続けているのですが、レジデンスの応募資料をつくることがアイデアの掘り下げや英語力のアップにつながっているので、私はこれからも出し続けますよ!
✓ 合わせて読みたい 現代アートについて考える~初心者の第一歩から海外展開まで役立ち記事まとめ
みじんこは、アーティスト・イン・レジデンスが好きです!ヽ(=´▽`=)ノ