3か月の韓国滞在が終わり、久々に日本に帰ろうとしています。5月に出国してまずはデンマーク。フランス、バルセロナと巡ってるうちに季節も移り変わり、すっかり寒くなってきましたねー。
今日は2018年10月現在、私が滞在している韓国ウルサンのアーティスト・イン・レジデンスをご紹介します。好条件の割に倍率が低く、レジデンスを受けたことが一度もないけどチャレンジしてみたい、キャリアを積みたい、という人にはかなりオススメです^^
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アーティスト・イン・レジデンスとは?
アーティスト・イン・レジデンスというのは、アーティストが住居とアトリエを提供され、現地で制作するプログラムのこと。世界各地にあり、有料参加なところや助成金が出るところなど、条件はさまざまです。当然ながら条件が良ければ良いほど、競争率が上がります。体感ではアメリカのレジデンスの競争率は飛びぬけてる感じしますね。必須なのは日常生活に支障がないレベルの英語力。自分のアートについて英語で説明できたほうがいいですが、ふつうの英語よりも難しくなるので、これは慣れないうちは事前に準備しておくのがいいですね。
私は2016年に初めて参加してから今回の韓国で9カ所目。レジデンスについては過去記事にまとめてあるので、そちらをご参考に。アトリエというのは英語だと「スタジオ/Studio」、海外だと作業場と言う意味で「ワークショップ/Workshop」というのをアトリエという意味合いで使うことがあります。どちらにしろ、アトリエと言ったほうが海外では通りが悪いので、この記事では統一してスタジオと表記させてもらいますね。
✓ 合わせて読みたい 無料で海外に数ヶ月滞在してアート制作しよう!~アーティスト・イン・レジデンス攻略法
低倍率好条件の韓国レジデンス
現在、滞在中の韓国、ウルサンにあるレジデンス「MOHA ART STUDIO」ですが、こちらは上海にいる時に韓国人のアーティストさんから教えてもらいました。英語で名前ググっても上位に上がらないし、サイトが韓国語のみなので、ふつうに探すのはかなり難しいでしょうね。
その韓国人アーティストさんが英語での応募要綱を送ってくれたので、私はそれを見て応募しています。
✓ 参考リンク MOHA ART STUDIO
MOHA ART STUDIOの条件
年度によって条件が変わるかもしれませんが、2018年は月30万ウォン(約3万円)の給与が支給、それ以外に20万ウォン(約2万円)の画材代が出ます。渡航費は100万ウォン(約10万円)を上限として支給されます。この中からガス・光熱費等(月1万円くらい)を支払うことになります。他に食費の補助があり、定期的にお米や野菜、肉、冷凍食品、調味料などを購入してくれます。なので、ふだんの生活費はほとんどかからない感じ。最寄りの空港まで送迎してくれます(画材をたくさん抱えている時にはこれがすごくありがたいw)
それ以外に、近隣の美術館をまわるアートツアーや、ちょっと遠くのアートビエンナーレまで1泊して訪れるツアーなど、場所だけでなく、さまざまなアクティビティを提供してくれます。これまで参加したレジデンスの中でも一番充実している感じですね。
キュレーターや批評家との1対1でのミーティング機会もあるのですが、これは韓国人アーティストのみ。韓国語が喋れれば対談機会も考慮してくれるかもしれません。一緒に食事に行って質問できる機会はありますが、英語が通じないのでインターナショナルアーティストへの助言はなしです。
それにしても、韓国では英語が通じないシチュエーションはけっこうあるんですよね。ソウルだとまた違うのかな。日本語、フランス語のほうがここでは有用なような。。
期間は1~3か月、4か月、8か月の中から選択。私はビザの関係があるので3か月を希望して希望通りでした。(前は1か月くらいですぐ次の国に行きたい派だったんですが、最近はちょっと長めに滞在してゆっくり制作したい派になりました)
応募倍率を聞いたら、これだけ条件がいいのになんと2倍程度。私が今まで受けたところは平均10倍くらい。低いなーと感じるところでも5倍だったので、これだけ好条件なことを考えると神レベルのチャンスです。インターナショナルアーティストの参加はこれまであまりないようで、カカオトークのグループチャットがほとんど韓国語のみ、みたいな大変さはありますが、スタッフさんはかなり親切。現在のスタッフさんも英語がそこまでペラペラではない分、自分があまり英語が得意でなくてもついていきやすいかなと思います。(ネイティブや英語がうまい人の英語の方が難しいのです)
残念な点を挙げるとしたら、個室の部屋がちょっと狭いこと。部屋とスタジオのタイプは2種類あるのですが、片方はそこそこスペースがありました。ギャラリースペースはかなり広いのですが、ちょっと田舎すぎて人がほとんど来ないこと。スタジオに虫がめっちゃ入り込んでくること(作業している自分の目の前にカマキリがよじ登ってきててびっくりしたことがあるw)。
レジデンスを体験してみたい!という人、海外のローカルな場所でやりたいことがある、みたいな人にはかなりおススメ。先日、私も地元の人と絵を描くワークショップをしてきましたが、MOHAのアートプログラムを近隣の「村」がサポートしているようで、相談すると日程等の調整をしてくれます。ただ、村関連のプロジェクトはきっちり組織化されているわけではないので、日程変更・予定していた話が変わる、ということが非常によく起こります。なので、のんびり構えていくといいかなと笑。
こちらに来て驚くのは韓国の人のフレンドリーさ。日本語が話せる人があちこちにけっこういるんですよね、びっくり。英語が苦手で海外レジデンスに応募をためらっている人は、韓国から入るのはいいかもしれない、と思いました^^
次回のレポートでは、内部写真を交えてさらにご紹介していきますよ、お楽しみに!^^
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みじんこは、海外でアート制作するのが好きです!ヽ(=´▽`=)ノ