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「世界の果てから最も近い村」ドイツ・ホーエンシュタインでのアーティスト・イン・レジデンスレポート

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「世界の果てから最も近い村」ドイツ・ホーエンシュタインでのアーティスト・イン・レジデンスレポート

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2016年に参加した3カ所目のアーティスト・イン・レジデンス。すっごくのんびりした村での生活はとても楽しかったです。3週間しかいなかったんですが、もっと長くいけばよかったなぁと後悔してますよ。当時は3週間くらいの短い期間で次々いろんなところに行きたかった。今は最低でも3か月くらいいて町が自分に馴染むように暮らすのが好きです。

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世界の果てから最も近い村

The end of the worldではないけど、Closest placeだというのがレジデンスのスタッフさんの村の紹介文句でした。2018年からホストのお二人がほかのエリアに引っ越してしまったとのことで、現在はCLOSE中みたいですね。穏やかでいい村でしたが、近隣にスーパーマーケットがないので、車できてないと通常の生活ができないこともあって閉めてるみたいです。2016年に参加した時点で300人くらいが応募して、45人くらいが参加したと言ってたので、倍率は当時7倍くらいでしょうか。

参考リンク  Alte Schule Hohenstein Residency

最大4人のアーティストが一緒に暮らす

かなり大きな一棟のおうちに最大4人のアーティストが暮らすようになります。アトリエやキッチンはシェア。一階に2部屋、二階に2部屋くらいでしたが、それぞれのお部屋が広かった。私は一番小さいお部屋のようでしたが、そんなに荷物が多いわけではなく、期間も短いので十分な感じでしたね。ウェルカムボードまで置いてあったのがあったかい感じでした。

ノラ猫が周りにいて、勝手に入ってくるのですが、私の部屋にざぶとんがあって、よくそこで寝転がっててとてもなごみました。

シェアアトリエはこんな感じ。私が参加したときには、カナダ人のアーティストさんがレンタカーを借りてきてたので、スーパーとか行く際に連れてってくれたりしてとても助かりました。

制作場所が共同なので、音楽聞きたい人はヘッドホン使ったり。スピーカーが一つあって、好きな音楽を流したい人はそのまま流してましたね。

このレジデンス、どっかの会社が運営してたやつっぽくて、参加前に「助成金とかあるんですかねー」って聞いてみたら、「いくら欲しいの?」って聞かれ、おずおずと航空券代「700ユーロほしいす」って言ったら作品1点と引き換えに旅費助成してくれました。航空券代は700ユーロよりもっとかかってましたが、高く言ったらくれないんじゃないかと思ったりして、なんか微妙な金額提示してしまいましたね。金額請求がとても苦手なので困っています。でも滞在費もタダだったし、作品1点でちょっとでもお金出してもらえるなんてありがたいなぁって思ってました。

今は少しマシになりましたが、当時はまだまだ英語がへたくそで、ドイツ人は全員英語ペラペラだし、一緒に参加したアーティストさんもネイティブだったので、会話がぜんぜん何言ってるのかわかんなかったです。ネイティブの英語は今でも苦手ですが、スラングまじりになるので、第二外国語として英語を使ってる人より分かりにくいんですよね。

ホーエンシュタインは120人が暮らす穏やかな村で、村には小さなお城があります。ほかに観光名所なんてなさそうなんですが、定期的に旅人っぽい人を村内で見かけるので、カナダ人のアーティストさんと「なんもなさそうなのに、なんでこんなに人が来るんだろう」って話してた思い出がありました。

田舎の村なんですが、オキュラスもってる人がいて、なぜかVRでゴッホの絵の中に入らせてくれたこともあって、とても楽しかったです。

あと、この村で出会ったおしゃべり好きの英語の先生が、この後しばらく、私のレジデンス応募の資料の英語文をチェックしてくれてたんですよね。2017年に受かったフィンランドのレジデンスとかは彼女のおかげかもしれません。すっごく元気で、私が英語が苦手なので短い英文をメールすると、めっちゃ長い英語で返信がくるので、いつも翻訳に苦労してましたが、出会って1年経たないうちにガンで亡くなってしまいました。
世界中で絵を集めてるSORAプロジェクトというのに彼女も参加してくれてて、彼女の写真はその後もいろんなところで展示しています。「今どこにいるのー、写真送ってー」っていっつもメールをくれてたので、彼女の写真を他の国で展示したことを報告しても喜んでくれてました。

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村のパーティが楽しい

参加時とお別れ時にウェルカムパーティ、フェアウェルパーティをやってくれるんですが、これが村人たちにとってもとてもいいイベントになってる感じがしました。村の人たちが食べ物を持ち寄って集まるんですが、どれも美味しくて。誰かのつくった食べ物をもぐもぐしながら、誰かが話している音をわけわかんないままほのぼの聞くっていうのは幸せなことだなぁと思ったりします。

これからもいろんな土地で滞在制作したいなーと改めて思います。世界中を旅して、旅した場所を舞台にした小説を書きたいなっていうのは、大学生の頃から思ってたことでした。この村が出てくる医療ファンタジー「夜の案内者」はこちらから無料で読めるのでどーぞ。Kindle版を買ってくれる方はこちら。

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