良著を濃縮還元してお届けするみじんこブックレビュー。今日は『世界一の巨大生物』。青いダンゴムシ、とても美しい。
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生物について勉強しているんですが、こちらの本がおもしろかったです。(ちょっとこわいけど)身体が巨大だとどういうことが起こるかっていうのが、体表面積の計算うんぬんとかから、けっこう具体的に書かれていました。生物といっても、動物だけでなく、巨大植物まで網羅しているので、世界の巨大〇〇を全部網羅してると思ってよさそうな本です。
おもしろかった!と思ったとこをメモしましたよ。
1)大きいことの利点
身体が大きいことの利点は、とにかく肉食動物に襲われないこと。アフリカゾウは草食ですが、襲おうと思う肉食動物はほぼいません。たまにライオンががんばるくらい。
2)不利な環境に強い
暑いところでずっと生きてたり、長く食べなくても平気だったりするのが大型動物。砂漠でもラクダは平気ですが、ネズミとかはあっという間に身体が熱くなりすぎて大変なことに。天候が悪い時などは大きい動物のほうが有利みたいですね。メスが身体の大きい動物を好むのも、大きいほうが生存率が高い感じです。
3)大きいと集団は不利
身体が大きいということは、生殖可能な状態になるまで年月がかかり、集団絶滅のリスクが上がってしまいます。個体というより、種の危機が大きいのが大型動物。 マウスは5~8週で子どもが産めるようになります。
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天候の急激な変化で集団が絶滅しても、マウスならすぐに元の数に戻りますが、大型動物だと戻るのに1世紀くらいかかっちゃうことがあり、その間に絶滅してしまうことも。恐竜がいい例ですね。
4)毛皮に生えた藻を食べるナマケモノ
ほとんど動かないことで有名なナマケモノ。蛾と共生していて、ナマケモノの糞に幼虫が生みつけられて幼虫は糞を食べて育ちます。ナマケモノは毛皮に暮らす蛾の死骸や糞のおかげで育った藻を食べて生きます。 自分の毛皮で農業やってる感じがすごいなと思いました。
5)大型の鳥が着地はリスク
時速18キロは着地のときに激突するリスクのない最高速度だと考えられている。着水の際に足で水を蹴りながら原則するアホウドリもいる。
6)天敵がいなかったモアは人類に食べられた
ニュージーランドにいたモアは、人類が入植してきて150年で滅びた。見た目が『火の鳥』宇宙編に出てくる鳥人間みたいだ、、!
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7)幼虫と一緒に作品つくるアーティスト
フランス人アーティストのユベール・デュプラさんが、トビケラの幼虫を集めて水槽に入れ、一緒に金の粒や宝石を入れ、トビケラがつくった巣を作品にしています。
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幼虫とアーティストのコラボ作品ですね。
8)大絶滅を生き延びたものたち
6600万年前に恐竜を含む多くの生き物が大絶滅したんですが、絶滅しなかった生き物はどうしていたかというと、淡水の河川に多く住んでいたようです。淡水の河川に生物の死骸や破片が集まり、それが食糧として供給されていたようです。川の底に沈んでくれててありがたい、みたいな感じのようです。
9)小さいものは共存できる
アリが集団で橋をかけるように、小さいものは協力して物事をなす、組織化が得意。また、世代交代も早いため、絶滅のリスクも少ない。 生物のシステムがとてもよくできていて、学びの多い一冊でした。生物好きな人はぜひ。
みじんこ、巨大化するよ!ヽ(=´▽`=)ノ