2020年1月から、ALSという難病の治療研究を支援する基金「せりか基金」に月額支援しています。
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「宇宙兄弟」から生まれたALSという難病の治療研究を支援する基金「せりか基金」。物語が現実の医療に貢献しているというのがとても好きで、みじんこも2020年1月から毎月3265(みじんこ)円を支援しています。
同時に、自分でも毎月3265円の作品を2点販売することで、自作と「せりか基金」のプロモーションを合わせてやっています。
元が獣医だったので、アート制作を通じた医療貢献っていうのをずっとやりたかったんですね。iPS細胞に支援というのもやってたことがありましたが、「せりか基金」は物語との連動という部分がとても好きです。
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2020年7月から、販売する作品をよりALSとか病気に関連することに絡めながらやっていこうと思い立ち、実際の作品だけでなく、企画段階の資料も販売に出すことにしました。
その8月分が「感覚をいただく食事会~食べるオノマトペ」です。
✓ 合わせて読みたい 【8月分】ALS研究への支援をつづける「せりか基金」のためのアートプロジェクト「感覚をいただく食事会~食べるオノマトペ」
ALSは身体が徐々に動かなくなっていく病気ですが、思考や感覚ははっきりしてるんですね。でも、飲み込むことができなくなるので、「一緒に食事」が難しくなると思うのです。 ALSがあっても「一緒に食事」を楽しめる空間として、「匂いを使った食事会」を考えました。しかし、この「食べるオノマトペ」は、料理を食べるのではなく、抽象画と匂いとオノマトペを一度に体験できる感覚を食べる会なのです。 このアート企画の裏側で考えていることをご紹介します。
現在の私は、「社会治療」という医療概念についていろいろ考えているところです。
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社会治療というのは、これまで個人に向かっていた医療を拡張し、個人を取り巻く環境も含めて治療しようという概念です。医療従事者側の意識だけでなく、ふつうの人も「医者」として毎日社会を治療し続けているよっていう感じの考え方です。 私たちは社会を治療し、同時に社会が私たちを治療し続ける、みたいなイメージです。
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個人を取り巻く社会(環境)が何によって定義されるかを考えると、それは文化だと思っているんですね。社会っていう広い単位だと分かりにくいかもしれませんが、友達同士の関係、サークルみたいなコミュニティも社会の一つです。 サークルの中でだけ通じる用語や倫理観みたいなのが「社会がもつ思考のルール(文化)」になります。
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文化の最小単位を現在、私は「文字」だと考えています。文字の組み合わせによって言葉が生まれ、言葉が意味をなして文化をつくっていくんですね。文字の状態は細胞でいうなら、なんにでもなれる可能性を持った多能性幹細胞みたいです。 日本語だとオノマトペが非常によく育っていて、「気持ちがあったかくなる」というのと「ほんわかする」というのは、近い意味ですが、ほんわかで分かるのは日本語圏で育っているからこそだなーと思います。 単体の文字に含まれる感覚を、日本人は感覚で学びながら成長しているので、新しいオノマトペをつくってもなんか分かると思うのです。
たとえば、
「とてんぽ とてんぽ」
「ジジジギギリギ」
ひらがなとカタカナでもなんか違いが分かりませんか。1つの文字は明確な意味を指し示してはいないけど、なんかしらの「感じ」を確実に内包してますよね。
言葉として組み立てられた時、この「感じ」って変化すると思うんですね。
トタン屋根
鶏肉
とんとん拍子
十勝
閉じる
時(とき)・時計
戸口
渡航時間
外様大名
都市ガス
土地
凸(とつ)
隣
とにかく
殿様商売
徒歩
富(とみ)
豊島区
豊臣秀吉
「と」っていう文字を単体で考えると、私にとってはちょっとオレンジっぽい感じの色合いなんですが、「とこうじかん(渡航時間)」みたいな組み合わせになると、そのオレンジさが若干、青っぽい感じに近づく気がするんです。(「と」は緑っぽい!と感じる人がいれば、それでもいいです。組み合わされるとなんか色が変わるよねという話をしています)
「と」という色の絵の具が、他の色とまじりあって変化するみたいなイメージです。
社会の声として、私が今注目しているのは、このような「言語(文化の最小単位としての文字)」と「都市の形(道路や地形)」です。 (道路や地形についてはネットに暮らす時間が増えるほど意味がなくなってくるかもしれないんですが、現状ではまだ都市の形は意味があると思っています)
社会の声っていうのは、たぶん、自分の感情や感覚と対話することでキャッチしていく感覚的なもので、自分が社会を治療する治療者の立場に立った時、絵の具を空気に混ぜるように、社会の中に自分の感情や感覚を混ぜていくんじゃないかなと思うんです。混ぜている意識に気づくことが社会治療の第一歩な感じです。
同時に、その空気の色が自分に極端に合わない場合には、「移動」することが私たちのできる社会治療になります。
NLPという心理学だと、感覚はV(Visual / 視覚)、A(Auditory / 聴覚)、K(Kinestic / 体感覚)の3つに分けて考えるのですが、この3つの感覚をぜんぶ「味わったことがない新奇感覚」によって味わえるのがこの「食べるオノマトペ食事会」です。
もともともっているカタチや色、匂い、文字や音のイメージを複雑に絡み合わせることで、新しい感覚体験をした時、脳はそれをどう処理するんでしょうか。 コースが終わった後、みんなで「感想を話し合う」時間を持つのですが、この時間が「初めて社会をつくる過程の体験」になります。 「新しさ」がよいのは、そこに正解がないことです。正解がないから、自分たちが過ごしやすくなる最初のルール、常識、環境などを自分でつくることになります。 この極端な新奇性を担えるというのが、現代アートの特徴だと思うのですね。 10人くらいで初めて月に行ったら、「水を取りに行く人」とか「電力を作る人」とか考えて、スムーズに暮らせる方法を模索すると思うんですね。新しい人が来たら、ある程度組み上がったルールを次の人に伝えると思うのです。みんなで暮らしやすくするために。
そんなイメージです。 1)感覚や感情で社会(周辺環境)と対話する:自分の感覚や感情に気づきやすくなる練習が必要 2)コミュニティ内の声(社会の声)を共有する:コミュニティが安心して声をあげられるような場であることが必要 3)快適な場所に移動できること:未知なる場所へ向かう怖れを減らすことが必要 ↑「社会治療」を考える上で、こんな感じのことを人々に提供できると、頭での理解というより、実感によって理解しやすいのではないかと思っています。(私自身がアーティストとして、脳よりも身体から分からせたい派なのです) 「社会を最初から一緒に作るという体験」、あるいは「社会を気軽に移動する体験」が「社会治療」を伝える作品になるんじゃないかと現在は考えていて、その実践がこの作品企画です。 ALSという難病の「身体は動かなくなるけど、思考や感覚はそのまま」という特徴を伝える意味も含めて、感覚に特にフォーカスした作品企画ですが、ALSに限らず、食事制限がある人や宗教上の理由で食べられないものがある人も一緒に楽しめるはず。 なるべくいろんなバックグラウンドを持つ人が参加してくれた方が、「新しい社会をゼロから作る体験」というのが作品的に強化されるので、参加する人みんなにとって価値が高くなるイメージでいます。 新しい「環境」をつくる試みとして、自分でコミュニティつくったりプロジェクトを立ち上げたりできる人はいいのですが、だいたいの人は「誰かのコミュニティに参加する」だと思うんですね。 それでも社会をつくる体験にはなると思うのですが、すでに誰かに用意されているので、その場合、最初のルールは設置されてる状態だと思うのです。 そこをもっと、原始生物みたいにフラットにした、初めて息を吸う瞬間みたいなのをつくりたい。それがこの企画のコンセプトです。
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企画段階ですが、応援してくださる方はこちらから購入できます! 手書きのオノマトペメニューコースを考えてお送りさせていただきます。 せりか基金に直接支援したいよ!という方はこちらからどうぞ!
ALS支援をつづけているせりか基金はこちら
✓ 合わせて読みたい せりか基金オフィシャルサイト せりか基金助成金から初! 第一回受賞者・浅川先生の研究が成果に。
宇宙兄弟というマンガが好きな人は、マンガもぜひ読んでみてください!
月額3265(みじんこ)円支援してるよ!
物語(フィクション)から現実(リアル)につながってる試みとして、せりか基金がとても好きです。現在、月額で3265(みじんこ)円を支援しているのですが、無言で支援するのではなく、毎月2点、3265円の作品をつくって販売し、そのたびに告知もして、作品もせりか基金も知ってもらうというのをつづけています。もっと大きくアートを通じて医療支援したいなと思っているので、こちらはその最初の一歩です。
✓ 合わせて読みたい せりか基金オフィシャルサイト せりか基金助成金から初! 第一回受賞者・浅川先生の研究が成果に。
みじんこは、欲しがられたよ!ヽ(=´▽`=)ノ