今回は、フィンランド・トゥルクの現代アート美術館、Wäinö Aaltonen Museumで2017年に行われていたJacob Hashimotoさんの作品をご紹介です。大型のインスタレーションの規模がすごい!美しい!
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✓ 参考リンク JACOB HASHIMOTO: GIANTS AND UNCERTAIN ATMOSPHERES — Jacob Hashimoto
いろんな見方ができる作品ですが、大規模インスタレーションについては「面によって空間を点描してる」感じがおもしろいなぁと。
丸と四角の凧みたいなものが集合してつくられるインスタレーションなんですが、この小さい単位のモノが集まって、っていう感じが集合的な生命観を表しているようで、とても勉強になります。 たくさんの色を使うっていうのは意外と難しくて、とてもごちゃごちゃして下品な感じになりがちなんですが、点描のように空間が彩られているのと、中間色が多いせいか、うるさい感じにはなってないんですよね。 これを見て、空間がそこに溜まっている感情で色づけられたら、こんな感じになるかもしれないと思ったんですね。
「社内がちょっとピリピリしてる」
「彼女の発言で空気が凍り付いた」
みたいな表現が日本語にはありますよね。 そういう空間に入ったら、その瞬間に「あっ、ここはピリピリしてる!」「ここの空気がなんかちょっとおかしい」って気づくと思うのです。
これはきっと、その空間に「感情が集積」しているんじゃないかと。ほら、笑ってる人の近くだと明るい気持ちになるし、悲しんでる人の近くだと喜んじゃいけないような気持になるじゃないですか。 空間が感情を伝えて、それが周りに伝染してる気がする。なにより、発している本人が一番影響を受けるはず。 んで、もし空間に散らばった感情が「色」で見えたら、どんな色に囲まれていたいか、もう少し自分で客観的に選べるんじゃないかなと思うんです。
人の感情はそんなに単純ではなく、笑っててもちょっと悲しく苛立ってるみたいなことってあると思うんですよね。その微細さが、空間に色で見えていたら、私たちは自分に影響する感情をもう少し積極的に組み合わせられるんじゃないかなと。
よく見ると本当にいろんな色とパターンがあります。 自分の周りの感情を、こうして色で見てみたくなりました。まとめると「空間に散りばめられた感情を色で見える化」してくれた作品だなぁと。 この空間にあふれる感情は、とても多様で美しかった!
小品のクオリティも本当に高くて。凧のような形状やパターンから、日本の伝統っぽさも感じさせ、でもとてもモダン。
道路っぽいパターンの組み方もおもしろいんですよね。柄っぽいパターンでまとめたくなりそうなところに、あえて高速道路のような線が、集合的な面によって形成されている。
線がレイヤーによってつくられているため、とても動的に見える。こちらは本当に動いているインスタレーション。小刻みにゆらぎます。
↓こちらの作品からは「多は異なり」という言葉を実感します。
一枚のパーツがピンクだったとしても、単体でピンクでも全体でピンクっぽいイメージにはならないんですよね。全体には全体の意志があり、単体には単体の意志がある。
「多は異なり」については、こちらの本が参考になりました。
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自分がもつイメージ、自分の町がもつイメージ、自分の国が持つイメージ、すべて違うとしたら、単体としての自分の意図は、集合体の中に混ざった時にどれだけ反映されているんでしょうか。
こちらは単体と全体のもつイメージがかなり近いですよね。そう考えると、多は必ずしも部分と異なるわけではないのかもしれない。 では、その差はどこにあるのか。 多が異な時と、多が同な時とはどういう状態か。上記の作品も、丸いパーツを考えると全体と似てる気がするけど、支えている棒や糸の視点から見ると、全体はどう考えても単体(棒や糸)と似てないんですよね。 どのレイヤーでモノを見るかで全体と単体との共通性は変わってきそうです。
素晴らしい作品を拝見して、心震えるばかりなのですが、私もこういう作品が発表できるように、がんばっていかないとです!
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みじんこは、おっきくなりたいよ!ヽ(=´▽`=)ノ