良著を濃縮還元してお届けするみじんこブックレビュー。今日はウォーホルやジャスパー・ジョーンズなどと交流があったアートコレクターのキミコ・パワーズさんの「アーティストたちとの会話 アメリカン・ポップ・アート誕生の熱気」から、巨匠たちがどんな人たちだったのかをご紹介。
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キミコ・パワーズさんが実際にアーティストたちと交流することによって感じたことの抜粋まとめです^^
ジャスパー・ジョーンズ
自分が見たものを、自分で消化して、それを自分なりに作って画面に出さない人は芸術家とは言えない
アンディ・ウォーホル
「ミーハーで有名人好き。映画とかテレビのコンセプトも変えた人。テレビ画面を2つに分けたり、画面の中に別の画面を小さく映し出すなどのことをした最初の人」
クレス・オルテンバーグ
「既成のコンセプトを崩すことが基本としてあり、既存のコンセプトを崩したらどういう印象を人々に与えるか、そこに興味があった人」
クリスト
「創作への情熱が周りの人に伝わる、悪気はなく、利益追求でもない。本当にアーティストとしての使命感が感じられる、ピュアな感情。ともかくプロジェクトのことしか頭にないような人だった」
レオ・カステリ
ニューヨークのギャラリストで、アーティストをすごく大事にした人。自分のアーティストには毎月、生活費を送っており、初期のジャスパー・ジョーンズなどもお世話になっていたはず。当時は作品の数の方がお客さんより少ないということがあり、売る相手を選んでいた。
レオがジャスパーたちを見つけ、アメリカン・アートが世界で注目されるきっかけになったが、彼らのアートが素晴らしかったからなのか、レオに画商としての目があり、彼らを売り出す力があったからかは分からない。レオがサポートしても埋もれた人もいるはずなので、なぜそうなったかが興味深い。自分が信じていたら売れても売れなくてもいいというところがある人。押し売りするにしても、自分が本当に信じていないと説得力がないはず。
キミコ・パワーズが感じたアーティストたちの特性
最初にはじめた、というのは大切だが、スタイルとか手法というより、もっと違う次元のことがアートにとっては基本で大切。
アーティストたちは作品についてあれこれ言われるのが好きなよう。
政治・経済にはみな興味がなさそうだったが、自分の経済に興味がある人は多い。高く売れることに敏感なのは、売れたことよりも自分の作品の意味合いを社会の中で高く評価してもらったということだから。そういう意味でも高く売りたかったはず。
アーティストは今までの価値観とは違うものを提示していくことに興味があった。
美術品を作る時は、すでに頭が整理されていると思う。作品は整頓された頭から出てくるのでは。
どのアーティストも、自分の世界は自分の芸術と考え、他の人・他のものは関係ないというところがあった。
アーティストがお金持ちになったのは近年。昔はアーティストがお金がないのはスタンダードなコンセプトだった。
お金を追う人たちは成功しない。お金も受けしようと思って何かをやっても絶対に儲からない。自分が熱中することをしていると必ず儲かる。
パワーズ家がコレクションを始めた理由
もともとアートにまったく興味がなかったパワーズ。友人に勧められ、借りた作品を社員食堂にかけていたら非常に好評。社員にも来客にもおもしろい、素晴らしいと言われるようになった。そこからパワーズ家のコレクションがスタートした。自宅も作品を飾ることを考えた設計になっているため、住みにくい部分がある。
美術品はお金で話しちゃいけない(パワーズ)
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