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日米比較から考える感情表現と間の使い方、ロイ・リキテンスタイン

みじんこアート

日米比較から考える感情表現と間の使い方、ロイ・リキテンスタイン

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ポップアートの代表作家、アメリカのロイ・リキテンスタイン。コミック表現が代表的なリキテンスタインですが、ドットパターンも手描きしていて、近くで見ると丸が均一でないところはとても魅力的です。
題材が「コミック」なので、日本のマンガと比較しながら見るととても興味深いのです。

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ロイ・リキテンスタインが出てきた当初は、雑誌に「史上最悪のアメリカ人アーティスト」と酷評され、逆にそれが批評する価値のあるアーティストということでリキテンスタインの評判を押し上げたという話がこちらの記事に書かれてました。

参考リンク  5分でロイ・リキテンスタインを語れる5つのプロファイル

日米のコミック表現の違い

大きな違いとしては、
・感情表現の違い
・間の取り方の違い
があるかなと思っています。

1)感情表現の違い

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Drowning Girl

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泣いている女性ですね。

ざらっとリキテンスタインのインスタを見ると、泣いている人の表情もそこまで大きく変わらず、かなりアイコン的に扱われています。誰でも泣いていると分かる感じですね。

日本のマンガはけっこう泣いているシーンでもバリエーションが多く、まゆげの寄り方、目の色、涙や鼻水の流れ方、口の歪み方、全身の震え、とかなり「泣く」の感情表現に使われている要素が多いんですね。

デフォルメされた泣き方でもけっこう細かい。たとえば吹き出しの中のフォントまで変わっていて、ひぐぅぅ感が出てますよね。

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I Know….Brad 1963 #roylichtenstein #popart

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2)間の取り方の違い

あとは画面の空白の量が、日米ではだいぶ違います。

リキテンスタインはけっこうぎっしりですよね。

日本では印象的なシーンでは「空白=間」がとてもいい感じで使われています。

現代音楽の作曲家をやっている外国人の友達がいるのですが、友達がいうには、音楽の世界でも「間」の使い方が日本は独特なんだそうです。もともとのクラシックは音がぎっしりで、最初から最後まで音が途切れることはなかったんです。でも、たとえば武満徹という作曲家は音がない時間帯(=間)を音楽の一部として使っているところが画期的だったと。

参考リンク  武満徹と映画、音と音楽

日本のマンガって、大事なシーンではこうして「間」をつくることが多いと思うんですよね。

これがある種「タメ」みたいになっていて、次の音や言葉に感動が多く乗ります。微細な表情+間によって日本人は繊細な感情表現を伝えているようです。

これは民族的な背景もあって、日本というコミュニティの中で、私たちは幼い頃からこういう表現を学んできています。でもアメリカの場合は移民が多く、共通の土壌が少ないので、「細かい」表現をされても分からないということがあるかもしれません。

海外にいると、「日本人は感情が分かりにくい(=何を考えているか分からない)」というのをよく言われます。日本人同士で読み合える空気が、海外だとそうでもない。

これはどちらがいい悪いというわけではなくて、コミュニケーションは所属するコミュニティの共通表現によってなされるということです。
「日本」とか大きいくくりではなく、会社や学校、親しい友達などで考えてもたぶん、よく伝わる表現はそれぞれ違うと思うのです。「伝えたい」と思った時、どのコミュニティに発信するかを意識すると、伝わりやすい表現方法が分かるかもしれませんね!

合わせて読みたい  現代アーティストになりたい人のための~初心者の第一歩から海外展開まで役立ち記事まとめ

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