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世界を旅して感じた海外と日本のアート環境4つの違い

  • 9月 14 / 2017
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世界を旅して感じた海外と日本のアート環境4つの違い

書家・山本尚志さんに「現代アートと書」をテーマにしたインタビューを行っている。「書家の強みと日ごろ意識すべき具体的なトレーニング」について伺った第2回のインタビューをすでに終えた。インタビューの際に「芸術家は交流をもたないと聞いた」という話が出てきた。
それを踏まえ、今回は日本と海外のアート環境の違いについてまとめてみた。

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これまで旅してきた土地は

2013年に初めてニューヨークを訪れて以来、ロサンゼルス、バルセロナ、サンクトペテルブルグ、ドイツ(ホーエンシュタイン)、フィンランド(トゥルク・マンッタ)、ルーマニア(シギショアラ)とアートを目的とした旅をしてきた。
特に現代アートの活発なニューヨークやロサンゼルス、ピカソの故郷バルセロナでは、現地アーティストとの交流も多かった。今回の記事では現地で展示発表をしたり、地元アーティストのスタジオビジットをしたりする間に感じた日本との違いをまとめた。

1)一人でつくるかみんなでつくるか

冒頭の「芸術家は交流をもたない」という話に戻る。これは日本の場合で、海外ではかなり多くの交流が行われている。ロサンゼルスでお邪魔したアーティストさんのお住まいは、元は廃工場になっていた場所をアトリエに改装したような場所で、一部屋ごとに違うアーティストが住んでいる。部屋も広く、起きたらそこがすぐにアトリエみたいな状況。また、そんな環境だから、アーティスト同士も当然、作品を見せ合ったり意見を交わしたりする状況が生まれている。
ニューヨークやバルセロナで訪れたアトリエは、縦長のビル。一室ごとが違うアーティストだったり、広い部屋で複数人のアーティストが作業をする環境になっている。出入りや通路を歩く際に他の作家の作品を見る。このように自然と作品についてのやりとりが生まれている。
日本ではどうだろうか。ほとんどが自宅の部屋兼アトリエで、制作について誰かと意見を交わす機会は、ネットを通す以外では、なかなかないのではないだろうか。

バルセロナには4Gats(クアトロガッツ/「四匹の猫」の意味)というピカソやミロが作品について意見を交わしていたというカフェが今も残っている(正確には再建)。かつてはサロンと呼ばれる展覧会に作家が集まり、新しい芸術について活発に意見を交わしていた。
そもそも「派」とはグループの意味。作家たちが集まって新しい手法を考え、みなで試行錯誤していた結果ではないか。またそうして皆で一丸となることで、当時巻き起こったであろう批判に対抗していたのではないかと考える。


4Gats(クアトロガッツ)at Barcelona

ニューヨークの美術学校では無料レクチャーが毎週どこかで行われ、そこでは訪れた人たちが年齢もバックグラウンドも関係なく、対等に議論し合っている。そうやってアートの質を高め合っている人たちと、個人で戦っている日本人はやはり不利だと思う。自分の作品を客観視するのは口で言うほど簡単ではない。それよりも、周りの人から忌憚ない意見を聞けた方が客観的なのは確かだ。

2)展示を見にくるお客さんの違い

日本のお客さんと海外のお客さんの違いは分かりやすい。
日本のお客さんは「自分の感想をいう」海外のお客さんは「自分の知りたいことを聞く」
日本のお客さんは「この絵はこんな感じがするね」「○○を思い出させたよ」という自分の感想をいうのに対し、海外のお客さんは「ここはなんで赤なんですか。素材は何を使ってるんですか」と何もかもを聞いてくる。
これは日本と海外の文化の違いだと考えている。島に囲まれた日本は、ほぼ単一民族で構成されていたけれど、海外ではいろんな人が入り混じっている。相手を知り、受け入れるために、「感じ」で分かろうとするか、「理解」して分かろうとするか。たぶん、同じような「感覚」を持ち合わせていないがゆえに、はっきり何なのか聞く、という能動的な姿勢が「分かる」のために必要だったんじゃないかと。
とにかく、海外のお客さんはやたらと聞いてくる。

3)展示方法の違い

次はアーティストの展示について。日本の展示は作品一点ごとを見ることが多い。だから割とまっすぐ横並びや均等配置している展示が多い。それに比べ、海外の展示は空間全体をつくろうとする意志が感じられる。
これは「もともと作品は飾るもの」である海外の文化観が出ていると考えられる。これまで訪れた海外の部屋のほぼすべてになんらかの作品が飾られていた。それくらい、作品が日常にあるのが一般的ってこと。
つまり、ギャラリー自体が「飾り方サンプル」を示す場であり、それによって買う人が「ああ、うちにこうやって飾ればいいんだわ」とイメージしやすくなる。
かつては大きなアートフェアの時に、大金持ちの家に飾られた作品を見るガイドツアーが開かれてた。どうやって飾ればいいか分からないような作品でもサンプルを見られれば「なるほど、こうして飾ればいいのね」というイメージがつくために、手に取りやすくなる。

4)美術予算がある

アメリカでは州法によって、「これだけはアートにお金かけないとダメよ」と定められている州がある。大きなビルを建てた時、そのビルの建築にかかった費用の何%かはアートを買いなさいよ、と。そのせいかニューヨークの町はアートだらけ。町がアートにあふれておもしろい状態になっていること。日本の美術館はチケット代で運営しないといけないことが多く、人が入るか分からない無名作家の展示を行いにくいと聞いたことがある。

合わせて読みたい  現代アートについて考える~初心者の第一歩から海外展開まで役立ち記事まとめ

日本と海外でアートについての違いがあるのとは当然のことで、だからと言って合わせる必要があるわけじゃない。今の自分が気づいていない選択肢も無数にある。何を選択するかは自分次第なのです^^


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