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アートの目利きというのは「ヒト」ではなくて「歴史」~自分の価値が低下していないか考える

みじんこアート, みじん講義

アートの目利きというのは「ヒト」ではなくて「歴史」~自分の価値が低下していないか考える

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前世が見える、守護霊が見えるみたいな人のことを皆さんは信じますか?私は「どっちでもいい(どうでもいい)」という立場です。っていうのも、これまで何人かに前世とか守護霊とか見てもらったことがあるんですが、全員言うことが違ったからですね。「前世はいっぱいあるんだから、どれも本当だよ!」みたいな意見もあるかもしれませんが、それにしたって1つくらいはかぶっとけよwって思いますよね。今日は前世はともかく、証明できない物事を主張したがるのはなぜかという話。

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アートの目利きなんて本当にいるの?

現代アート界隈で活動していると必ずどこかでぶつかるのが「目利き」という言葉。アート業界で「影響力が強い人」というのは確実に存在します。POWER100に代表されるような、リーディングコレクターとかですね。その人が買えばアートの価格が上がるみたいな。ただ、「目利き」という「ヒト」は私は存在しないと考えてるんですね。アートの「目利き」は「ヒト」ではなく歴史(時間)。っていうのも、今残ってるアートって当時の「目利き」たちがボロクソ言ってたやつが含まれてますよね。マティスしかり、ピカソしかり。(ピカソはまぁ、生前から売れまくってましたが)
続きを話す前に「目利き」の定義を決めてみましょう。アートの目利きを「100年200年とつづくアート作品を見抜く人」とする。これ、前世や未来が見えている人と同じく、現時点で誰も証明できないんですよね。その人が「目利き」であることは、本人と周りの人が「信じる」ことによってのみ成り立つことになります。実際に目利きであるかどうかはともかく。ちなみに、10年20年くらい先に売れている作品が分かるというのであれば、「影響力が強い人」は全員「目利き」扱いになります。これは目利きができるというより、その人が「売れるようにした」というのが正解ではないかと。

ギャラリストとかがね、「この作品は目利きの目に留まり」「大コレクターに売れた」みたいな言い方をするのは当然なんです。ギャラリストって作品を売って、作家の価値を上げていくのが仕事だし、影響力が強い人に売れたということは、これから作品を買う人に対しての信頼度になります。私ももちろん、アーティストとして作品が売れて欲しいので、ぜんぜんそういう言い方をしますし、友人の作品がそういう評価を受けていれば、一緒になって「〇〇さんに認められるなんてすごいな!」という言い方だってします。平たく言っちゃうと、仲良くみんなで共犯者☆って感じですよね、これは。でも自分もちゃんといいなと思うものしか紹介しないので、そういう意味で嘘はないです。

簡単にすごくなれることを求めている

「自分が目利きだ」と思うことは個人の自由なんですが、この時の心理として「自分が考える自分の価値が下がっている」がないかどうかをチェックしてもいいんじゃないかと思うんですね。誰かに認められたいけど、分かりやすくスゴイ部分が自分にない。アートを見てる買ってるから目利きって言えるなら、お金と暇があれば誰でも目利きと言える(=価値なし)わけです。年間に1000冊本を読んでいます、は普通にすごい。毎日1万字小説を書き続けています、もすごい。誰でもできるけど、それをやるのは大変。それと比べたら「アーティスト」になるのも「目利き」になるのも簡単です。今日から自称すればいいわけだから。
「目利き」じゃなくてもいいんですが、自分のこれがすごいというのを直接的・間接的に一生懸命主張したくなる時って、「周りの人にスゴイと思ってもらいたい」からで、そう思っちゃうってことは、現時点で「周りの人にスゴイと思われていないことを知っている」ということなんですよね。簡単にすごくなれることを求めたり、誰かのことを「分かってない」と言いたくなる時って、自分自身が考える自分の価値が低下してる時なのかも、というお話でした。
とりあえず、私は「自分で自分のことを目利きだと妄信するようになったら、やばたにえん」と考えて生きまーす。

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