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生きる価値のない真っ赤な椅子の話~アート作品制作のウラ話

  • 7月 25 / 2019
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生きる価値のない真っ赤な椅子の話~アート作品制作のウラ話

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韓国テジョンのArtist in Residency TEMIでの個展「Research for the border between Living or Non-living thing /生物と非生物の境界についての調査研究」に展示中の作品をちょっとずつ解説していきます^^

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晒された椅子

Exposed Chair / 晒された椅子
Wall paint on Chair, strings, pen on cardboard
h870×w560×d580mm

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この展覧会自体が「生命の定義」への問いかけであり、どこからが「生きている」どこからが「生きていない」を感覚的に伝えるように構成していています。その中で、この作品は「モノ」のもつ生命性についての問いかけの役割を担っています。

本作は生命を再定義することをテーマにしています。私は幼い頃、「モノ」を生きているように感じており、誰かが椅子や机を蹴飛ばしているだけで子猫が蹴られているように感じ、心を痛めていました。現代ではロボット開発も盛んになっています。ロボットはこれまでの生命の定義では「モノ」にあたり、論理的に考えると生き物ではありません。しかし、興味深いアンケートが以前、ツイッターに上がっていました。もしもそのロボットが人間に似ていたら、そのロボットを暴力的に扱うことができるか、というアンケートです。ほとんどの人が「できない」を選択していました。私たちはごみを踏みつけることもできるし、小さな虫をつぶすことをさほど気にしないのに、人間に似ているロボットは傷つけられないということにとても興味をもちました。私は今、改めて生命について定義すべきではないかと考えており、生命を「愛着」として再定義しています。この椅子がひどい拷問を受けていることに対して、あなたの心は痛むでしょうか?

参考リンク  Artist in Residency TEMI

この椅子は韓国で私が実際に使っていたもので、すごく愛着のある椅子なんですね。これまでの私の作品と比べると割とチャレンジングな作品になります。本当に美しい椅子で、使い始める前に全身を拭き、埃がつもりたびに筆で掃除していました。企画した段階から、椅子が本当にかわいそうで全然作りたくなかったんですが(笑)、こんな状態でさらし者にされていても、椅子自体の威厳がぜんぜん失われていないように私は感じています。展覧会の開始前に、伝えたいことを椅子にいっぱい話したので、その意図を椅子がくみ取ってくれたのかもしれません。

2019年7月現在、日本と韓国の関係が急激に悪化しておりまして、状況的にも意味合いが強まった作品になったかなと思っています。というより、状況からよりさまざまな意味を想像する人が多いような気がします。会場に入って一番正面に置いてあるので目を引きますし、これがいいと言っていた人もいましたね^^

個展の写真はこちらから  生物と非生物の境界についての調査研究(Facebookのフォトアルバム)

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みじんこは、晒されてるよ!ヽ(=´▽`=)ノ

みじんくん と みじこちゃん

「晒し物だよっ。」
「威厳もっちゃうよー」

mijinconbi

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