自分の作品の改善点はどこか。すでに結構イケてる、この方向性でやっていこう!と思ったとしても、もうちょっと何かできないか、を考えたほうがいい。なぜなら、自分はもっとすごい作品がつくれるから。ここでOKとしてしまうと、そのもっとすごい自分の作品を見られないことになる。一歩一歩、山を登って振り返った時、自分ってこんなにやれるんだって、きっと自分自身に感動できると思うのです^^
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1)画面に類似がある
アート作品の批評術の記事でも紹介したように、画面がありがちなのはかなり致命的な弱点。しぶきを飛ばすような技法やジャクソンポロック的ドリッピング、じんわりにじんだ画面などを私は個人的にほんわか抽象と呼んでますが、特に技術がなくても、あんまり混ぜすぎない程度に色を重ねるとそこそこそれっぽくなるのです。おかげで非常によく見かける。それと印象派っぽいタッチですね。印象派の影響力の大きさを本当に感じますが、世界中でよく見かけます。
ギャラリストやアート関係者に見せて、反応が悪い場合はまず、画面が新しいと思われていない可能性が高いです。すぐに分からない隠れた新しさがあるのであれば、見せた時にそれをすぐ伝える必要がありますね。あと、誰にでも当てはまるような「売り」は弱点に含まれるかな、と私は考えています。「色合いが独特」「タッチが独特」みたいな感じ。アートやってる人全般に言えちゃうようなことだと、「他の人のタッチもよかったしなぁ」ってなっちゃうからね。
2)コンセプトが同じで、もっとすごい作家がいる
まだ始めたばかりの時には、自分が表現したいことや作品はオリジナルのような気がしてしまう。しかし、人間が考えることなんてほとんど同じですから。思いついたアイデアのほぼすべては誰かがすでにやっている。最初の頃は似たようなコンセプトだけど、自分より大規模で尖った作品をつくっている作家は存在すると思ったほうがいいです。
ちなみに私の場合は最初の壁がブラジルの作家、エルネスト・ネト。アーティストになる前から大好きな作家で、作品が非常に生物的。さらにインスタレーションで体験できる。すでに名が知れているネトとやりたいことがかぶってる上に、ネトのほうがはるかに精度の高い作品をつくっていたので、そのままではとても敵わなかった。なので、別の方向性を探しました^^
自分のやっていること、言っていることは、すでに誰かがやってるし言ってる。そう考えて、同じことを言ってる作家がいないか探し、その人がやってることを研究していくといいです。ちなみに私は今も、自分が言ってること、やってること程度は誰かが言ってるだろうと考えています。
✓ 参考リンク エルネスト・ネト / Ernesto Netoポスト抽象ミニマリズム
3)説明が長すぎる、分からなすぎる
科学をベースにした作品など、専門用語が多すぎて説明が難しすぎるというのも弱点の一つかと。いい作品だったとしても、よく分かんないと聞く気が起きなくなっちゃうわけだよね。そういう時は、アーティスト本人と親しいとか、取り扱いたいジャンルや興味が同じ、とかでないとなかなか話を聞いてもらえない。でも、覚えてもらえておけば、「紹介」してもらえる可能性もあるので、畑違いの人でも覚えてもらえる程度に分かってもらえた方がいい。自分が突き詰めて勉強したことは、他の人にはまず分かりません。自分の常識が相手の常識ではないので、分かるように説明する必要がある。相手の知識によって説明を柔軟に変えていく。特に海外に行った場合は、日本語がひらがな・カタカナ・漢字の3種類あるってことも知らない人多いですから。中国でフランス人に「漢字読めるの!?」って驚かれたことありますよ笑。
4)売るのが難しい
牛の頭部をウジがわいたまま置いちゃうダミアン・ハーストみたいなやつですね。いやもうぜんぜん、そっち方面いきたい人は攻めてください!と思うのですが、ギャラリストは作品を売る商売なので、売りにくい作品は敬遠される傾向があります。変わった素材を出すなら、見せる相手は選んだ方がいいですね。というか、自分で展示場所つくっちゃうほうがいいだろうね。ちなみにカビや苔みたいなのを使う作品も割と頻繁に見かけます。現代アートといえるかは分かりませんが、本物の人体を解剖学の教育目的として展示しているオーストラリアの展覧会(Real Bodies)もあります。私の知っているアーティストさんで、ヘビか鯉かを交配させてその模様を作品にしてるような人もいました。変わった素材もすでにいろいろありますよね。あとは、本物と写真を分けるとか、複数の「作品化」手段を考慮してもいいかもしれないね。
ちなみに、インスタレーションも無名の作家が売りにくい作品ジャンルの一つですw
✓ 参考リンク REAL BODIES
ちなみにこの絵が私がアートを始めた一番最初の頃にリアルガチで書いてたやつです。これを書いてた人が数年後に海外のレジデンスに受かるまでになってるなら、自分だったらもっと早くそれ以上いけるって思った人、正解ですよ^^。自作を改善しながらつづけることです。私もまだ少し頑張るから、一緒に頑張ろう。
✓ 合わせて読みたい 現代アーティストになりたい人のための~初心者の第一歩から海外展開まで役立ち記事まとめ
みじんこは、弱点まみれです!ヽ(=´▽`=)ノ