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自殺の名所・青木ヶ原樹海で作品制作したアーティスト~自分に制限をかける知識について

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自殺の名所・青木ヶ原樹海で作品制作したアーティスト~自分に制限をかける知識について

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日本では有名な青木ヶ原樹海。実際に行ったことがある方って周りにいます?あまりに自殺の名所として有名すぎるので、私はそのウワサだけで怖いし行きたいなんて思ったこともなかったんですが。。なんと、エストニアで会ったアーティストさんが作品作りしに行かれたことがあるようで!いろいろ現地のお話を伺ってきました。

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美しい原生林

話を聞いたのはアーティストのJacob Kirkegaardさん。主に音を使ったアートワークを制作している方です。デンマーク出身で今はドイツに住んでいらっしゃるようです。エストニアとラトビア両国でのアートプロジェクトに参加するために、私がアーティスト・イン・レジデンスで滞在するMoKSに1週間だけ来ていたのでした。イタリア出身のアーティストさんも合わせ、みんなでカフェに行った時に出た話題がなんと「青木ヶ原樹海」マジ!(V)o¥o(V)
Jukaiってなんや!?日本語か!?と思ったら、ほんとに青木ヶ原樹海だったようで。聞いたところ、なんと1人でGPSをもって青木ヶ原樹海に入り、木の中にマイクをうずめて現地の音を録音したり写真を撮ったりしてきたようです。

「そんな怖くなかったよ、ふつうに深い森だったー」っていうので、ぜひ写真を見せて欲しいと頼んでたところ、・・・なんと夜中の23時に部屋をノックしてきやがりましてですね。。「いつでも見に来ていいよー!」と笑。「行かねーよ、怖いわww」と追い返して日中にお部屋にお邪魔して写真を見させてもらいました。

参考リンク  Jacob Kirkegaard OBAKE

↑私が日本人に紹介したい!と何度も言ったので、忙しい中急きょ、画像と音をサイトにアップしてくれました。Thank you very much!!

木に貼られたLOVEの文字

サイトにははっきり出ていませんが、「遺体捜索承ります。メアドXXX」みたいな紙がビニールに入って落ちているものや、チラシみたいなものもいろいろ落ちているようでしたね。あと、入り口に「はやまるな」的な注意ボードも。( ゚Д゚)

遺体の写真もあるというので、ハラハラして拝見したのですが、すでに白骨化されているものでそれほど恐怖感を感じるものではなく(合掌)。しかし、その近くの木に、黄色と黒のストライプのテープでLOVEって書かれていたんですね。その様子をすごく神聖に感じた、というようなことをJacobさんは言っていました。今回、人の出会いがあって行ってみたようなんですが、日本人の間で「自殺の名所」というイメージが強く、コワイイメージを持っている人が多いところに興味をもったそうです。実際に行った感じでは、美しく深い森だったとのこと。あちこちに穴があって気をつけて歩かないといけないっぽいです。
帰る時に持っていたGPSをONにして出口の方向を知るわけですが、自分がこっちだろと思ってた方向と出口がぜんぜん違う方角だったようで、完全に方向感覚が失われたよーと言っていました。

自殺の名所と呼ばれるようになったのはいつか?

いつの間にか自殺の名所っぽく覚えていたんですが、そもそもこの価値観はいつから始まったんでしょうか。Yahoo知恵袋には松本清張の小説からっていう話がありましたね。

「自殺の名所」という偏見
青木ヶ原での自殺が起こるようになったのは比較的最近である。松本清張の小説『波の塔』では登場人物が青木ヶ原で自殺する場面が描かれているが、この小説が1973年にNHK銀河テレビ小説にてドラマ化されたことによって「青木ヶ原=自殺」というイメージが広く定着した。
以来、全国からこの樹海に訪れ自殺する人が後を絶たないため「自殺の名所」といわれているが、実際の青木ヶ原は散策目的で遊歩道を歩いている人も多い場所であり、周辺の町や村も登山者が宿泊する民宿村がほとんどであるために、このような周辺の土地に在住する人々は、実際の姿を知らずに自殺に纏わるイメージを抱いたまま訪れる人々には困惑しているというのが現状で、周辺には「考え直しましょう」など、自殺志願者に対する呼びかけの看板が設置されている。

参考リンク  樹海はいつから自殺の名所になったのですか?(Yahoo知恵袋)

映像を喚起させるサウンド

部屋のすごくいいスピーカー+少し暗い部屋で音を聞いたせいか、その場にいるような「臨場感」がすごくて。音ってこんなに状況を体験させるものなんだっていうのはすごく新しい体験でした。動物の鳴き声とかをさまざまに聞かせる展示作品が上海にあったのですが、そういうのよりももっと、音の中の細かい成分が浸み込んで、リアルに状況が体験できた感じ。Jacobさんは森美術館が主宰する海外アーティストの紹介プログラム「MAMプロジェクト」にも参加しているので、よければこちらの動画もご参考に。↓福島で撮ったサウンド作品を展示してたそうです^^

知らないはずのことを「知っている」という思い込み

青木ヶ原樹海は行ったことがないけど、知っている人は多いと思うんですね。行ったことはないけど有名なので「○○だろう」というイメージはある。そのイメージによって、自分の行動はなんと制限されていることかと。私は今回、たまたまJacobさんに会い、深く神秘的な森だったよ、という話を聞いたおかげで興味がもてるようになりました。ホラーは大嫌いですが、新しい体験は好きなので近くに行ったら寄ってみたいと思える。でももしも、彼に会わなければ、絶対に自分から行きたいとは思わなかったんですよね。樹海に限らず、こういうことはものすごくたくさんあるはずで、それによって自分の行動や活動範囲は制限されてる。こうして「制限されていた」ことを知れたのはすごくおもしろかった。「無知の知」っていう言葉がありますが、言葉を知っているのと理解しているのは別の話だなって。自分の経験によって知ったわけではない知識は、自分に制限をかけるだけ。それなら持たないほうがいいのかもしれませんね。

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