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侘び寂びから草間彌生まで~日本の美意識、文化について考える

みじんこアート, みじん講義

侘び寂びから草間彌生まで~日本の美意識、文化について考える

村上隆さんが芸術起業論の中で言っているのが「作品を意味づけるために、芸術の世界でやることは決まっている。世界で唯一の自分を発見し、その核心を歴史と相対化させつつ発表すること」
グローバルな時代だから、作品の文脈は世界の歴史から語れれば十分かと思っていたのですが、どうしたって自分は日本人なので、日本の美・文化の面からも考えられたほうがいいと最近は考えるようになってきました。同時に「日本のアートの側が持っているかもしれない普遍的な文明性や価値を、どのように世界の側に翻訳できるかを考えていくべき」という記述が、三潴末雄さんの「アートにとって価値とは何か」にありました。
そこでまずは、ザ・日本的なものをリスト化してみました。

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1)漫画

もう堂々と日本文化と言っていいのが漫画。英語でもMANGAで通じますからね。昔は海外に出す時はセリフが横書きになっても読めるように絵が反転されていましたが、最近ではオリジナルのママ出版されることも多くなってきているよう。日本人だと言うと漫画の話はかなり振られます。漫画から日本が好きになった人も多いはず。
また、漫画自体は立体感のある西洋の絵画と違い、物体の輪郭を取るような平面画。書き方自体も日本古来の歴史が詰まっているようです。オノマトペ的な効果音が「ギギギギギ」みたいに迫力を出すために画面全体に描かれていることも多く、これは英語版でもそのまま。外国人が読むときはどうイメージしているんだろう、文字の形状の迫力から雰囲気を察しているのでしょうか。

2)侘び寂び

日本人の美意識として重要なポイントだけど、日本人でも正確に言える人は少ないのではないでしょうか。アメリカ人のレナード・コーレンさんの著作『わびさびを読み解く』の中に、こんな記述が出てきます。

日本においては「歴史を通じて、わびさびを頭で理解することは、意図的に阻害されてきた」。その背景には、文字や言葉を介さない理解という禅の思想の影響、言葉に置き換えられない価値こそがわびさび独自の価値だとする美的曖昧主義、家元制度による独占の歴史があると。

美的曖昧主義!これはアート鑑賞の姿勢として、現在でも無意識の中に息づいているのではないでしょうか。つまり、「ただ感じる」ような鑑賞姿勢ですね。また「わびさびの心」の1つは、「不可避の受容」だとしているのも興味深いです。

参考リンク  わびさびとモダニズム~レナード・コーレン『わびさびを読み解く』を読んで~ 【わび・さび】の意味を説明できる?理解しておきたい日本独特の美意識

3)神道・八百万の神々

ほとんどの日本人が自分のことを「無宗教」だと信じていると思うのですが、宗教と意識せずに根付いているのが神道。初詣や七五三は神道の行事。なんとなく引いてしまうおみくじも神道なんですね。

神道の信仰が形となったものが祭りです(神社本庁のサイトより)。

祭りを通じて地域の和を保ち、自然に感謝する。毎週日曜に教会に行って信仰を確かめるような宗教ではなく、習慣のように意識下に根付いている文化的な宗教ですね。

参考リンク  神社本庁のサイト

4)オノマトペと母音言語、ひらがな・カタカナ

日本語は世界でも珍しい母音言語。虫や動物など自然の声を「言語」として理解しているという研究があります。自然の中に神々が宿ると考える神道は、自然の声を「言語」として理解する日本人の脳だからこそ生まれたものかもしれません。また、オノマトペの数は4500語以上。オリジナルで生み出したオノマトペでも、日本人同士ならなんとなく分かりますね。
それから「日本語」そのものも、もちろん日本文化に。漢字は中国由来のものが多いですが、日本で開発されて逆輸入しているものもあります。「可愛い」もその一つ。
「きょう、みちでころんだ」と書いても「今日、道で転んだ」と書いても同じ意味なのに、なんでお前たちは漢字を使うんだ、と以前、カナダ人に言われたことがあります。日本人からすると、全部ひらがなだと読みにくいのですが、アルファベットのみの国で生まれ育っているとそういう感覚が分からないよう。私たちは文字を視覚的に読みますよね。漢字・ひらがな・カタカナが混ざってたほうが読みやすい。そういう特徴も興味深いなと思います。

参考リンク  日本人の音意識 オノマトペのない世界は大変(オノマトペラボ)

5)もののあはれ

上海で出会ったスペイン人の女の子が言ってたこと。日本の「もののあはれ」が好きで、私の作品に「もののあはれ」を感じたんだそうです。一言でいうなら、物事をただありのままに深く感じ入る情緒的感覚、といった感じでしょうか。侘び寂びと合わせ、感じ入る、というのが日本人の美意識を語る上で欠かせないようです。

参考リンク  「もののあはれ」とは 「もののあはれ」の源流 貴族の生活と雅びの心

6)KAWAII

日本語は分かんなくても、KAWAIIだけは知っている。「外国人が思う「Kawaii(カワイイ)」とは?Instagramから世界各国の「#Kawaii」を分析」こちらの記事で、KAWAIIのインスタ投稿についての調査が載ってました。インスタで#Kawaiiと#かわいいを比較すると、#kawaiiのほうがアニメキャラ(女の子)が多く、#かわいい、は韓流スター含むリアル人間、あるいは可愛いお菓子、動物なんかが多かったです。KAWAIIとかわいいは微妙にニュアンスが違うのかな。

7)禅

禅をテーマにしたアート作品やプロダクトはあちこちで見かけますが、禅=日本、と紹介されていることが多いんですよね。Wikipediaでは「南インド出身で中国にわたった達磨が祖で、坐禅を基本的な修行形態とする」と記載があり、どちらにしろ日本が起源ではないのではないかと思っていました。しかし、以前、中国人アーティストさんのアーティストトークに参加したところ、中国の禅は文化大革命の際に失われてしまい、オリジナルの禅自体は約200年近く鎖国していた日本に保持されているという話もありました(詳しい歴史は確認していません)。

8)諸行無常

もとは仏教用語ですが、平家物語の「祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり」に知られるように、日本には移りゆくものを受け入れる美意識があります。

参考リンク  諸行無常の響きあり(仏教ウェブ入門講座)

9)村上春樹

日本人だというと世界中で言われるのが「村上春樹好きなんだ!」です。ルーマニアの学生も読んでたし、バルセロナ在住のスイス人さんも読んでた。恐ろしいほど世界中で人気なんだ、と感じる作家さんです。私も大好きです^^ 世界でこんなに読まれている日本人小説家っていないんじゃないだろうか。

参考リンク  村上春樹(新潮社公式サイト)

10)草間彌生

最後に挙げておきたいのが草間彌生さん。世界で最も影響のあったアート関係者を紹介するPOWER 100の2017年版では55位にランクイン。好きな日本人アーティストとしてまっさきに名前があがるアーティストの一人ではないでしょうか。

参考リンク  2017 Power 100 / Art Review

ちょうど芸術起業論のまとめを見返していたら、作家としての重要なポイントが書かれていました。

欧米のアートシーンでは作家の正直な心情の吐露こそが、作品の受け入れられる重要な要素となる。

参考リンク  芸術起業論(村上隆)

シンプルに正直さ。しかし、自分はどこまで正直に自分自身を暴露できているのか、と考えます。いやその前に、どこまで自分のことを知っているのか。人は1秒間に1億個もの刺激を受け取っていて、そのほとんどを捨てているとも言われています。ありのままに感じ入るということが、自分にはどれだけできているのか。世界は自分が思っているより、もっと美しいのかもしれないですね、それでは今日はこのへんで^^

合わせて読みたい  現代アーティストになりたい人のための~初心者の第一歩から海外展開まで役立ち記事まとめ


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