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ステートメント(ビジョン)はシステムで伝える、John McLaughlin / Total Abstraction

  • 6月 13 / 2020
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みじんこアート

ステートメント(ビジョン)はシステムで伝える、John McLaughlin / Total Abstraction

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2017年にロサンゼルスのLACMA美術館でJohn McLaughlinさんのTotal Abstractionという展示が行われました。その展示から考えたステートメントとシステムの関係です。

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サイトにこんな感じの紹介文があります。

参考リンク  John McLaughlin Paintings: Total Abstraction

Long acknowledged in Southern California as one of the most important artists of the postwar period, John McLaughlin (1898-1976) created a focused body of geometric paintings that are entirely devoid of any connection to everyday experience, inspired by the Japanese notion of the void.

日本の「Notion of the void」にインスパイアされたって書いてありますね。Notion of the voidは訳が難しいのですが、「虚の概念」とか「無」とかかなと。

作品はTotal Abstractionというタイトルにもあるように、めっちゃ抽象なんです。で、この幾何学的な画面は日本の和室にインスパイアされているんですね。

たたみの部屋の感じが絵にそっくり!

展示会場の作り方で素晴らしかったなぁと思ったのが、こんな感じで作品の前に椅子が置かれていたことです。

作品ってだいたい前で見て、へーって思って去っていくんですが、座って一枚の作品とじっくり向き合う時間があります。作家さんは1976年に亡くなっているので、この展示自体は美術館のスタッフさんが展示方法や椅子のアイデアなんかを考えたと思うのですよね。

こういうアイデアを出して実行してくれるというのは、作家さんのことを本当に愛し、作品を理解してくれてるからだなぁと思うのです。

座っていい椅子がある、ということは、その椅子に座って作品を独り占めしていいよ、っていう意志表示です。
周りの人も椅子に座っている人の目の前に立って作品を見るとかしにくいので、自然に他の作品から見るようになります。座っている人に配慮してしまうんですね。

椅子の色も、作品に合わせて色が違っていて。これに座ることで自分が作品と一体になれる感じもあります。

アーティストにはステートメントがあって、それは企業でいうと「ミッション」とか「ビジョン」みたいなもの、あるいは「世界観」みたいなものだと思うのです。それを伝えていくのは、言葉ではなくて「システム」なんだなぁというのを感じた作品展だったんですね。

椅子が置いてあることで、椅子に座れるシステムが展覧会内でできあがっています。

それは言葉にはなっていないけど「座って好きなだけ時間を取って作品と向きあってください」っていう意志表示で、作品のステートメントを伝えるものなんですよね。

アートの個展を楽しむ醍醐味はこういうところにあるなと思っています。作品単体で見ても、素晴らしい作家さんなので、ステートメントはすごく伝わります。
でも、個展会場で見られることで、作品と肌で向き合うことができるのです。この会場の空気というか。ふつう、他の人が横に来たら、どいて次の作品を見ようかなーとか、周りの人の動きとか気にしちゃうんですよね。
この作品展の場合は、座っている人が自然に優先されるような、作品と真正面から対峙するという姿勢を大事にしてくれるような設計になっているんです。

私は今、自分がコンセプトとして掲げる「社会治療」ってなんなんだと。
たとえばnoteのミッション「だれもが創作をはじめ、続けられるようにすること」ってとても明解なんですよね。なにかしようと思った時、それが「創作をはじめること、創作をつづけられること」に合致してるかなと考えやすいですよね。
「社会を癒し、社会から癒される」っていうのが社会治療の中身なんですが、それだと抽象的すぎてどう行動していいか分からない(自分でも分からない)。

これをすごく分かりやすい言葉まで翻訳し、それならこれがいい!と行動しやすい状態にもっていけたら、そこからステートメントを伝える「システム」ができるだろうと思っています。

みんなの「知る」を増やして「好き」を選びやすくする。

みたいなことを今は考えていますが、葛藤中です。考えながら何度も「いったん決め」ていったほうがいいのかもしれない。

言葉でビジョンはいくらでも語れますが、ビジョンを世界観に変えるのは、システムなんじゃないかと考えましたよ。システムというのは社会ということ。システムをつくるということは社会の声をつくることに等しいんじゃないかと思っています。

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ここまで読んでいただきありがとうございました!

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みじんこは、システムだよ!ヽ(=´▽`=)ノ

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「世界観だよっ。」
「伝えてるよー」

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