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ルミネアワード2019から学ぶアートプレゼンテーション~真実と嘘のバージョン

  • 2月 28 / 2019
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ルミネアワード2019から学ぶアートプレゼンテーション~真実と嘘のバージョン

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ハシグチリンタロウさん、グランプリおめでとうございます!今回のルミネの選考はすごくおもしろかった。簡単に言うと、ルミネの「変化の意志」を感じたことですね。今日はそのへんと、ハシグチさんのプレゼンテーションが素晴らしかったので、その辺をご紹介します!

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グランプリから分かるルミネの意志

ルミネのアートアワードに応募する時、みなさんは何を考えますか?私は自作が「ルミネに合うかどうか」です。アーティスト・イン・レジデンスの応募の時にもそうですが、相手方と自分との接点みたいなのを強調して企画提出します。だからルミネに出す人は最初に「自作がルミネっぽいか」を考えると思うんですね。今回、推薦者が選んだアート作品のうち、菅木志雄さんの作品だけがルミネっぽさがないけれど、ほとんどみなさん「ルミネっぽ」くないですか?私も自作の中からルミネっぽいのを出しましたし。過去作品もけっこうルミネっぽいです。最終審査の作品も、みなさんどこかしらルミネ感がありました。そんな中、ハシグチさんの作品が一番、ルミネ感がなかった。それが選ばれたということで、私はルミネの変化の意志を感じました。審査会場にいた人全員に、「ルミネっぽくない作品を選んでみて」って言われたら、満場一致でハシグチ作品だったでしょう。また、ルミネ感がない作品ゆえに、ルミネに展示されることで逆にギャップによるインパクトが大きくなるんじゃないかなと。すごくおもしろいチョイスです。同時に、これまでたぶん、「自作はルミネっぽくない」という理由で作品を出さなかった人もいるはずで、そういう人たちにとっても、このチョイスは希望になるんじゃないでしょうか?出す人増えるだろうからね。
ちなみに、後で小山さんに聞いたら、菅木志雄作品のチョイスはルミネ側だったそうです。小山さんは他の作家もいくつか出しており、その中で菅木志雄が選ばれたから自分も驚いたと言っていました。(私は小山さんが菅木志雄さんを推したくてゴリ押したんだと思ってましたよ、本当にすみません) やっぱり、ルミネ側が「変化」を求めていたんだね!

参考リンク  ルミネアートアワード2019

プレゼンテーションについて

ハシグチさんのプレゼンテーションは非常にリアリティがあり、素晴らしかったんですね。一言で言うと、作家とプレゼンが一体化している感じ。ハシグチさんのプレゼンテーションはこんな感じでした。
制作してる時に使っている服装とゴーグルで、いつも聞いている音楽をかけ、作品を持参。作品は30センチまで、という規定でしたが「折ればいいか、ということで」巨大作品を折って持参です。(折って持参したものは30センチには収まっていたようです)「自分はふだん、こんな感じで音楽を聞きながら作品をつくってるんすけど、ルミネのエスカレーターを上がった時にズドーンって感じがあると思いました」
もともとルミネの最終審査にプレゼンテーションはなかったので、こういう機会は今回が初でした。割とちゃんとした内容のプレゼンテーション、あるいはオロオロした初々しさが目立ったプレゼンテーションの中で、多少の緊張は見られたものの、作家と作品の一致感がしっかり感じられました。ハシグチさんらしさが全面に伝わるいいプレゼンテーションでした。あとで、応募時のテキストも見せてもらったのですが、それも素晴らしかった。プレゼン、テキストのみを考えたら、私よりもうまかったと思いますよ!
一言、補足しておきますが、一生懸命練習してきたプレゼンがダメだとは全く思わないです。だってさ、なんで練習してきたかって、それはここで展示されたかったから。一番目の女の子なんか、審査会場の緊張感を全部背負ってしまって、ぜんぜん実力発揮できなかった感じですもん。 みなさん、模型も本当につくり込んできていて、ここでルミネと一緒にやりたい!という熱意がものすごくありましたよ。今回、ルミネが示したかったこととのマッチングで合わなかっただけ。同時に、一次で落ちてるからと言って、私の作品よりダメってことはぜんぜんない。やっぱり本物を見ないと伝わらない作品だってあるし、作品はいいけど、応募資料のテキストをつくるのが飛びぬけて下手な人だっているはずだから。何より、今、このブログを見ている人と比べたら、私はその10倍以上は確実にいろんなものに落ちまくっているよ。いろんな方法で見せ続ければ、必ず自分のパートナーになってくれる人が見つかる。それまで発信することをやめないでね!

Oumaのプレゼンテーション

私の作品は写真のインスタレーションで、この青は空なのか、青なのか、リアルとフェイクの堺がテーマになっているものでした。プレゼンの説明はざっくりこんな。
「この作品は私が20年かけて世界30カ国をまわって撮りためてきた青空の写真です。雲一つない空を選んでいて、この写真一つで世界中の空を一度に見ることができます。っていうとホントっぽいですよね。実はフォトショでそれっぽい色混ぜたんですよねーっていうといきなり嘘っぽい。じゃあリアルとフェイクの堺はどこにあるのか。私が誓えるのは世界196カ国の空を集め、この作品を拡張し続けていくということだけ。これが青なのか空なのかは見る人の想像しだいです」

実をいうとこのプレゼン自体がだいぶ嘘だらけだったんですよね。企画の時には「世界15カ国」って書いて出してました。それがプレゼンで倍になってる。あと、そもそも世界196カ国ですよ?20年で30ヵ国なのに、それは本当に行けるんですかね?行けなくない?ほんとに誓えるの?(誓わないよ!)っていう感じだったんですが、あとで審査員の方に聞いた限りでも、やっぱりみんな「空の写真なんだな」って信じている。自分的にはけっこう嘘ついたわーって思ったんですが、完全にホント前提でした。つまり、誰も本当は空じゃないと気づいてくれない。しかし、ここまではっきり「嘘だよ」って言わないと、嘘だとすら思ってもらえない。プレゼンで嘘をつくなんて想定外ですかね? でも、みんな普段から嘘つきまくってない?自分ってそんなすごい?自分ってそんな優しい? リアルをリアルなまま見せてる人ってどれほどいますかね。なら、正直に全部ウソだよって言ったってよくない? 私は創造力、思考力が失われていることに、危機感を覚えているんです。だから、私はこれからも変わらず、あらゆる場所であらゆる手段を講じながら、それを伝えていくってことを誓いますよ!(誓わないけど)

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