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天才と狂気の関係~知的に劣ると評されたピカソのキュビズムからアウトサイダーアートについて考える

みじんこアート, みじん講義

天才と狂気の関係~知的に劣ると評されたピカソのキュビズムからアウトサイダーアートについて考える

医療と芸術の関係を考えるにあたり、過去のブログからアウトサイダーアート関連の記事を読み返しています。参考文献は服部正さんのアウトサイダー・アート 現代美術が忘れた「芸術」(光文社新書)。こちらが非常によくまとまっている良著なので、一読をお勧めします!

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アウトサイダーアートは芸術なのか

『天才と狂気』という著作の中でイタリアの精神科医であり犯罪学者でもあったロンブローゾがこんなことを言っています。

「天才は狂気の一形態であり、すべての天才はなんらかの精神病にかかっている」

ロンブローゾは天才の病理学的側面を証明しようとし、精神病患者の作品については否定的な態度をとっていました。マルセル・レジャやプリンツホルンが「芸術的衝動」と表現した細部への執拗なこだわりや絵で埋め尽くされた壁は、ロンブローゾに「無益さ」や「不合理」ととらえられました。さらに、『天才と狂気』が賞賛され、多くの国で翻訳され広がったため、アウトサイダーアートの芸術性は覆い隠されてしまいます。

参考リンク  天才と狂気の関係~知的に劣ると評されたピカソのキュビズム

 

現在では有名になっているピカソのキュビズムがまだ否定的な見方をされていた頃、ピカソの絵と精神病患者(狂人)の絵は似ている。だからピカソは精神病院に行くべきであり、彼の絵は狂人と同じくらい知的に劣っていると主張した新聞がありました。

『狂人の施設の住人が描いた奇妙な絵。それらは、キュビズムの画家たちの作品より芸術的だろうか』
(STRANGE PICTURES DRAWN BY INMATES OF ASYLUMS FOR THE INSANE: ARE THEY MORE ARTISTIC THAN CUBISTS’ WORK?)
ロンドンの大衆紙「デイリー・ミラー」1913年8月の新聞の見出しより。

参考リンク  アウトサイダー・アート 現代美術が忘れた「芸術」 服部正 (光文社新書)

ウィーンにある芸術家の家

アウトサイダーアートのギャラリーは世界各地にありますが、有名なものの一つがオーストリアのグギング。アウトサイダーアーティストたちが住んでいた「芸術家の家」があり、Oswald Tschirtner, August Walla, Johann Hauserらが暮らしながら制作していました。現在のアーティスト・イン・レジデンスですね。
作品価格がいったいいくらになっているんだろうと気になって調べてみましたが、Wallaの作品はこちらのサイト(DOROTHEUM)で2000~3000Euro。30センチくらいの小品ですが、そこまでバカ高くはないですね。
「芸術家の家」を作ったのは精神科医の Leo Navratil。アウトサイダーアート(アールブリュット)と言えば、フランスの画家、ジャン・デュビュッフェが有名ですが、作品を芸術として「見出した」存在として、精神科医たちの貢献は大きいです。

参考リンク  Museum Gugging ウィーン近郊グギング(Gugging)のアウト・サイダーズ

私は病院という場で一つのアートジャンルが生まれたことに注目します。病院はある種、圧倒的に守られている場所なんですね。アートビジネスにも関係ないし、将来の夢とかもなくていい。そんな中でも創り続けてしまうというのは、創るという行為に人間の本質があるように思えてなりません。

合わせて読みたい  現代アートについて考える~初心者の第一歩から海外展開まで役立ち記事まとめ

 

みじんこは、医療とアートが好きです!ヽ(=´▽`=)ノ

みじんくん と みじこちゃん

「区別できないよっ。」
「同じだよー」

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