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シェル美術賞2019からアーティストのポートフォリオのつくり方について考える

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シェル美術賞2019からアーティストのポートフォリオのつくり方について考える

先日、シェル美術賞2019を見に行ったんですね。そしたら作家のポートフォリオファイルが置かれていたんです。なるほど、いいなと思うアーティストのポートフォリオを見てもごもごすることができるんだなと思いました。

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ポートフォリオの作り方を考える

シェル美術賞って1956年からやってる賞なんですね、だいぶ長いですね。その分、権威とかあるのかもしれません。ホームページには「現在では「若手作家の登竜門」として、美術界で高い評価を頂いています。」とありました。とりあえず、今日はポートフォリオの話です。ちなみに私は門はあちこちにあると考える派なので、ここが登竜門であるみたいなのはあんまり信じてないんですね。というのも、美大行かずに独学自己流できてるので、最初から登竜門を正面からくぐれると考えていないのです。真正面から門をくぐれるような天才じゃないってことですね笑。

参考リンク  シェル美術賞概要

なんのためのポートフォリオか

5人分くらいのポートフォリオをサクサク見まくって、なるほど、これは気をつけないといけないなと思ったんです。それは、ポートフォリオのほとんどが「自分の作品を取り扱いたいと思う人向けにつくられていなかった」からです。ポートフォリオって基本的にはこんな感じでまとめられています。

作品画像とタイトルと画材と制作年。最低限の情報がこれですね。まだポートフォリオを一度もつくったことがない人は、まず最低限の情報でつくるといいです。0→1にする作業ですね。しかし、慣れてきたらそこで終わったらいけないなと。というのも、このスタイルのポートフォリオが多すぎて、ぜんぜん「差」が感じられなくなっちゃってたからです。ポートフォリオって自分を見てもらうものなのに、みんな白いTシャツ着てたらどれも印象に残りません。そんなわけで、どうしたらもう少し見てもらえるのかを考えてみました。

リズムをつける

作品が良ければ見てもらえるって言われればまぁ、その通りなんですけど、目につきやすくする努力はしてもいいかなって思うのです。そんなのいらない、作品単体で勝負だっていう人はぜんぜんそれでがんばってください。そもそも何をすればうまくいくかなんて分かんないですからね。これは私なりの仮説検証なので、このとおりにやるというより、自分でアレンジしてもらうのが一番いいかなと思っております。
今回、書家のハシグチリンタロウさんのポートフォリオがとてもよかったので、いくつか抜粋です。

まず、最初のページに自分の写真があるのがいいですね。ほとんどヒトなのか分かんなくなってますが、どんな感じのアーティストがどんな作品をこれまでつくってきたのかが分かります。ハシグチ作品の場合は「書」「身体性」「思考ノート」のようなキーワードがポートフォリオを辿っていると読む人に伝わってきます。ものすごく簡単に言うと、全身で作品をつくっている、ぶっ飛んだ感じがある、みたいなのが所見でも分かります。

ハシグチ作品についてのお問い合わせはこちらへ  現代アート 工芸 ギャラリー Gallery Nao Masaki

ポートフォリオはなんのためにある?

ポートフォリオをつくるにあたって、自分のポートフォリオがなんであるのかっていう目的を考えるといいかなと思うのです。作品を見せるためではないんですよね。それはもちろんあるけど、「作家のストーリーを見せる」というのがとても大事だと思っています。個展やグループ展や、販売サイトなどで作品を単体で見せることとの大きな違いです。これまでにどんな試行錯誤をしてここまでやってきたか。過去から現在につづくストーリーが見えると、作家がこれからつくる作品について期待がもてるからです。たとえば、ポートフォリオの画像が似た感じの作品だったら、10年後もおんなじ作品つくってそうって思いますよね。そこまで予想がついちゃったら、見る側がおもしろいと思えるのか。

2010年くらいにはこんなだったのが、2013年くらいにこういうことをきっかけにこんな感じになり、2016年でさらに変化があって現在の作品になっている、と。作家が自作と向き合って苦悩してきたのが分かると、作家自体に共感を持てますよね。

あとは基本的な部分ですが、名前やホームページ、インスタなどのURL以外にCVを載せておくこと。本気で取り扱いたいと思う人は作品の良さの次に「どうやって売るか」を考え始めるので、CVを必ず見ます。そこでそれなりに発表歴や賞歴があると、コレクターに対する説得力を出しやすいので扱う側が安心しやすい。逆に2010年からCVがぱったり止まってると「活動辞めちゃったのかな・・・?」みたいなのも推察できますよね。新作が出続けないアーティストは取り扱う側の気持ちからしたらちょっとコワイ。やめられちゃったら、頑張って推したのがパーになってしまいますからね。
あと、ホームページはあったほうがいいですが、今はインスタのほうが強いかなぁって思っています。フォローする側も気楽なんですよね、インスタって。勝手に流れてくるのを見ていられる。ホームページだとわざわざ情報取りにいかないといけないですし。そんなわけで、2019年現在はインスタやっておくのはオススメです。作品に興味をもってくれた人はその作家の他の作品も見たがるので。活動を追いやすいという意味でインスタお勧めです。そんなわけでOumaのインスタもフォローしてくれたら嬉しい気持ちです。→https://www.instagram.com/oumavet/。最近は割とまじめにやっています。

ポートフォリオ作りまとめ

そんなわけで、自作のポートフォリオを充実させる方法をまとめると、
1)基本情報を入れる
2)これまで活動してきたストーリーを伝える
3)作品のバリエーションを見せる
1の基本情報については、短いコンセプトを添えるといいです。特に画像では分からない制作の工夫(3年間土に埋めてましたとか、自分の汗で描いていますとか)は書いてないとポートフォリオの画像ではまったく分かりません。自作の「売り」をちゃんと伝える。がんばっていろいろ仕込んでも、気づいてくれることはほぼないので、ミステリー小説で最初から犯人とトリックを言っておく、みたいな感じですね。ネタが分かってもそこからさらに思考できるのがアートのいいところですから。しっかりつくられた現代アートっていうのは、コンセプトを数行ばらしたところで全部ばれるっていうのはありえないんですよ。
3に関してなんですが、大型作品とかの場合は「画像でサイズを伝える」っていうのも意識するといいかなと思うのです。作品部分のみの切り出しで画像をつくってしまうと、6メートルの作品と30センチの作品の差が視覚的に分かりにくいんですよね。なので、あえて展示室全体の写真を添えるとかして、「規模感」を伝えるといいかなと思います。そういうことをすることで、さまざまな作品をつくれることが伝えられるし、ポートフォリオにリズムが出ます。

ポートフォリオとして作品を並べてみると、自分自身でも「あーなんか同じすぎるかな」とか「最近こんなばっかかな」とか改善点がわかってくるので、そういう意味でもいいかなと思います。ちなみに私は昔はポートフォリオをファイルにして海外で持ち歩きしてたんですが(重い)、最近はもうiPhoneに画像入れて見せながら解説するとかにしてますです。

初めて作品拝見しましたが、大城夏紀さんのポートフォリオは分かりやすく、パッと見て惹かれました。レジデンスプログラムで選抜された作家さんは、シェル美術賞の中でも選抜された方のようで、やっぱりみなさん素晴らしかったですね!

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