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タグボートギャラリーで開催中の「あたり」個展「虚を見るために」で作品を買った理由含めた詳細を解説

  • 2月 22 / 2019
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みじんこアート, みじんこレビュー, みじん講義

タグボートギャラリーで開催中の「あたり」個展「虚を見るために」で作品を買った理由含めた詳細を解説

極限まで物を減らしてスーツケース1つと画材を抱えて旅するアーティスト、Oumaです、こんにちは。そんな超絶ミニマリストかつホームレスの私ですが、出会ったアート作品に惹かれて思わず買ってしまいました。こちらの展覧会の詳細解説をしていきます^^

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立体物が好き、そして売りにくいのも知っている

そもそも私は立体物が好きです。そして自分もインスタレーションをつくるので、インスタレーションが非常に売りにくいのを知っています(日本で6メートルの作品を誰が買って飾ると?)。売りやすいし作りやすいのは圧倒的に平面。平面画はやる人も多いから画材も充実しているし、飾りやすいから買う層も多い。でもそれだと「売りやすい」作品ばっかりあふれちゃいますよね。売れる作品をつくるアーティストばかりが増え、「現代アート」としておもしろいことをやろうとする人が困窮し、理解されないままやめてしまうことになるような社会にはしたくないのです。
もちろん、アーティストが活動継続するためには作品が売れないといけない。そこは活動継続のために考えないといけないけれど、でもアーティストとして訴えかける姿を私は期待するのです。バンバン作品を買ったりは今の自分にはできないけど、せめて、自分の言葉で、活躍してほしい作家を後押ししていきますよ。(もっとメジャーになって、気に入った作家をバンバン推していける身分に早くなりたいよ!笑)

あたり 展 虚を見るために (How to see a ghost)
2019年2月22日(金)~3月5日(火)
月ー金 12:00ー19:00 土日祝 休廊
オープニングレセプション:2月22日(金)18:00−19:30
http://tagboat.co.jp/atari-how-to-see-a-ghost/?fbclid=IwAR0SfYre1hPfd9CA83XQe8_X8Hbcbgo_Y01SOZIT5OG-mQh_8HRfl0LxWGE

日常的によくあるのに気にされない素材

素材感に着目してつくられたという「Landscape」シリーズ。シリコンみたいなので固まってるのかな、と思ったんですが、違うらしい。なんかオムツとかで使われる吸収ポリマー的なやつだそうです。もとは1ミリ程度の球体なのに、自分の体積の100倍くらいの水を吸い込むとか(そんなのあるんだ、物質、すげー!)。なんか珍しそうな素材なんですが、日常にありふれているようで、絶対に見たことがあるものだそう。浮いているものとして選ばれた時計や電話もありふれているもの。それをありふれていない手法で見せている。

ちょうどオープニング直前の調整中に伺ったので、水を入れてる様子も拝見できました。透明の粒いっぱいのところに入れているのは水道水。購入することを考えると、「水が汚れない?」「メンテナンス大変そう」とか気になっちゃいますよね。でも、1年に1回水を変えればいいくらいでそんなに大変ではなさそう。あと、中の時計は水の中で浮くように浮力を調整している自作品で、時計自体に重りがついています。耐水構造になっていて、電池交換などが1~2年に1回必要かも、とのこと。これは作家さん自らやってくれるよう(別途費用が必要ですが、高くないよ)。
動いていたほうがもちろんおもしろいですが、時計自体が止まってしまっても、あるいはあえて自分の好きな時間に止めてもらってもおもしろいかもしれない。ちなみに、今後、中身の時計だけ変更して別のものを浮かせる、みたいなカスタマイズも考えに入れているそうです。1年経って、時計が止まる頃、水を入れ替えると同時に中身も変化させる。ずーっとブクブクしてる作品なので、このままでも常に動きがあるんですよ。でもさらに、変化を加える楽しみがある。次のバージョンが出た時に、作品の変化とともに、作家の思想が深まっているのも感じることができるはず。私は変わるものが好きなので、そういう意味でもいつまでも発見をくれそうな作品です。購入した「Landscape-time_small」はエディションがついているので完全1点物ではないですが、作品の構造上、写真のプリントや版画などと違って絶対に同じにはなりえない。そういう意味では書家の「タイトルが同じだけど違う作品」とおんなじような感じでしたね。

この作品は日本より海外、ニューヨークとかでウケるんじゃないかなーって思ったんですが、その時に気になったのは「移動」について。持っていくのが大変そう、重そう、とかですね。これも本体のポリマー的なものはもともと小さいこと、重いのは水道水なので、現地で組み立てが可能とのことでした。
今回、購入者目線、ギャラリーとして展開する場合の目線での質問も多くしていますが、特殊な作品をつくる場合には、そういったこともギャラリー側が気にするので、「あたり」さんのように明解な答えを用意してあるのはいいですね。ギャラリー側もいろんなアーティストを使っているので提案はしてくれるけど、アーティスト側からのアイデアはいつでも期待されていますから。

拡大してみると、積み上がっているポリマーの辺縁がモザイク状になって見える。光が入ればまた見え方も変わる。作品の調整をしている時に、球体を触らせてもらえたのですが、弾力がありながら卵のようにやわらかい。

コンセプトに共通点を感じる

すごく惹かれたポイントとしては、自分の作品のコンセプトに近いものを感じるからですね。生命をテーマにしている私ですが、この球体自体も、1粒しかなければ別におもしろくはない。水槽を埋めるほど「集合」して作品としての力をもちます。そして、水槽の中で空気を入れられながら存在する時計は、もう「生きている」と。球体の生き物の中にうずまる生き物であり、これを購入して暮らすというのは、動物の世話と同じことなんだと。ほんと「みじんこ」ちゃんに仲間がきたよって言って見せてあげたいくらいですよ。
手間ひまをかけることで作品に自分自身がいつも関われる。その手間に自分はたまにイラっとするかもしれない。そういう時、作品のほうも私にイラっとしている。そこも含めて家族として生きたい作品です。

か弱い1素材が集合して1つのことを為す。それは社会の構造と同じです。その中で、この時計は生きたいと言っている。物の生命力が引き出されている作品で、ちょうど物と生命感の関係について考えていたタイミングでもあったので、自分にとって学びが多いと感じました。この辺りが一番の購入ポイントですね。

こちらは片方の時計に布をかけると片方の時計が止まる、という体験型作品。これについて聞いたら「社会の最小単位は2人」だ、という答えをいただきました。これも自分の作品のコンセプトに近くてですね。私の過去作品の「単細胞」がそんな感じで。ギャラリー内に隠しまくった細胞2つを発見させて「多細胞になった瞬間」。この瞬間って生命の概念が複層化した瞬間として、自分も大切に思っているんです。

あたり、っていう名前はどこから?

アートコレクティブ「あたり」ですが、メインは三隅幸さんで、ほかのメンバーはプロジェクトごとにいろいろ変わるそうです。「あたり」っていう名前はAから始まるから最初に来るだろう、ということと、世界(特にアジア圏)で通用する日本語から、だそうです。世界で使われる日本語ってTSUNAMI(津波)、KAMIKAZE(神風)とかあまりハッピーな言葉がない。そんな中で「あたり」はポジティブ感がありますね。世界で通用しまくるけど、名前がMANGA(漫画)だったら、絶対勘違いされちゃいますしね笑。

参考リンク  三隅 幸 / あたりのTwitter あたりの作品販売ページ(タグボート)

多様なアプローチ

水以外にも球体をモチーフにした立体作品。磁石で張り付いているのはおもしろかったですね。球という完成形を少し崩すことで「美」を創り出しているもので、どの方角から見ても美しく見えるようにつくられています。作品は持たせてもらいましたが、非常に軽い。家の天井とかかなり高いところとかにさりげなく付いていたらおもしろそうですね。ちなみに聞かなかったけど、S=4πr2+1をググったら、S=4πr2が球の表面積の求め方と出たよ^^

こちらは「cannapaceus」というタイトルのキャンバス作品ですが、「描いて」いないんです。キャンバスって1400年頃に始まったそうなんですが、いまだにその上に絵を描くという手法ばかりが流行っていることに疑問を呈しているもの。そんなわけでこの作品はキャンバスを削って画面を創り出しています。
こちらの作品を見た時に、上海SWATCHで同時期にレジデンス参加していたハンガリー人アーティスト、Arpad Forgoを思い出しました。彼の作品もキャンバスを削ってつくったり、板に布を貼ったものに色をつけて磨きまくったりして作っているんですが、質感がもとの素材とはぜんぜん違うものに見えるんです(ツルツルすぎて金属みたい!)。
「あたり」さんの作品では、真四角なキャンバスでなく斜めになってるところも注目。

参考リンク  Arpad Forgoのインスタグラム

今回の展覧会で購入するなら水使ってるやつが圧倒的におススメ。飾る場所が難しかったり、立体が苦手だけど、この作家を推したい、将来性に期待したいという人は飾りやすいし保存しやすい「S=4πr2+1」や「cannapaceus」をどうぞ。
cannapaceusというのは、ラテン語で大麻の意味。キャンバス、という言葉はのちに麻織物を意味する古いフランス語の「canevas」に由来しているそうです。

参考リンク  好奇心の危険性(ターナー色彩株式会社)

合わせて読みたい  現代アーティストになりたい人のための~初心者の第一歩から海外展開まで役立ち記事まとめ

 

みじんこは、生きてるよ!ヽ(=´▽`=)ノ

みじんくん と みじこちゃん

「超生きてるよっ。」
「生きまくりだよー」

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