前回に引き続いての、作品自己批評術。まだまだ初心者段階ですが、意外と陥りやすい典型的ダメパターンを自覚し、ワンランク上を目指していきましょう!
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1)展示方法に工夫がない
横並び均等配置された額装あるいはキャンバスの展覧会。当たり前によくある手法で、まず失敗がない。しかし同時に展示に新しさも皆無というね。ギャラリーや美術館で他者の展覧会を見ているはずなのに、毎回恥ずかしげもなくこの手法を繰り返す。ギャラリーに行ったことで何かをつかんだ気になってる典型例ですね。漫然と「行ってるだけ」なのがよく分かっちゃう残念な例です。
壁の隅に展示、見えない場所に展示、天井や床に展示、作品が移動する、作品なのかギャラリーの備品なのか分からない。作品そのものだけでなく、プロの展示では「見せ方」にも工夫が施されているのです。
2)虹色パターン
色の使い方って本当に難しいんですよね。だけど、どんなに悩んでもやらないほうがいいのが虹色配色。いわゆる赤・オレンジ・黄色・緑・青・藍・紫が順に並ぶ、あるいはこれに近しい色合いのグラデーションです。何色を塗ればいいか分からなくて苦しいのはよく分かる。そんな時の虹色パターンは炎天下の砂漠で出会ったオアシスのよう。うん、でも虹色オアシスに足突っ込んでるモノはアートに限らず多いので、そのオアシスは蜃気楼です。あ、大丈夫。私も気がつけばオアシスを求めがちです。
3)かっこよさげな科学用語を使う
展覧会や作品の説明に、どんな言葉を使ってるでしょうか?科学用語とかを交えての説明とかしてないですか?
ニューロン、シナプス、樹状突起。科学の用語ってなんか響きがかっこいいんですよね。なので、つい赤い切り絵ごときで「毛細血管☆」とか言いたくなっちゃう。あ、大丈夫、自分(元獣医)も言ったことありますよ!
よほど勉強してるんじゃない限り、言葉で作品を盛っちゃってる感がバレバレ。しかもバレてる時点で盛れてもいないっていう残念感。分かんない言葉をカッコつけて使うのは真夏日以外はやめておけ。凍死する。
4)これまでつくってきた作品点数が少ない
10年やってるんですよ、と見せられた作品が5点しかないとか。すべてが幅10メートルの超詳細作品でない限り、サボりすぎだろ!作家の質を担保するのは年数ではなく、作品数。
5)テーマが毎回変わる
前回の展覧会は「日常の中にかくれた世界のひみつ」がテーマ。今回は「児童虐待への問題提起」。次回のテーマは「ピッコロ大魔王その後」
えっなになに?何があっちゃった?ダメとは言わないけど、毎回違うテーマでそれぞれ深く考察できるのか。ウケるテーマを頑張って探しているようにしか思えない。ピッコロ大魔王だけにしておけ。
始めたばかりは自信のなさもあいまって、なんとか作品が「素敵に見える」ように盛りたくなるもの。どうせ盛るならスーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャスレベルに盛り切りましょう!
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みじんこは、科学用語です!ヽ(=´▽`=)ノ