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【作品紹介】韓国人アーティストNarim Lee個展~自分のことを知れるのが現代アートのいいところ

  • 8月 19 / 2018
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みじんこアート, みじんこ体験, みじん講義

【作品紹介】韓国人アーティストNarim Lee個展~自分のことを知れるのが現代アートのいいところ

2018年8月現在、滞在中の韓国ウルサンでのアーティスト・イン・レジデンス。もうすぐ帰っちゃうアーティストさんの個展が始まりましたよ。彼女はフィンランドでマスターコースを学んで戻ってきたばかり。彼女の作品を紹介するとともに、現代アートを日常に活かす楽しみ方、自分を知るために使う方法をご紹介します^^

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メディアアートの作家Narim Lee

もともとはビジュアル・コミュニケーション・デザインを学んでいたNarim。フィンランドに渡ってニューメディアのマスターを取得します。それではさっそく、彼女の作品をご紹介です。インタラクティブな作品なので、すべての作品は触れることができます。

参考リンク  Narim Leeのホームページ

鑑賞者として楽しむ

さて、まずは鑑賞者としての楽しみ方から。
いや、まあ「あー楽しかった」でぜんぜん十分だと思います。が、せっかくなので、ちょっぴりだけ日常に活かせるようなポイントを。
まず一つは、アート鑑賞は自分と丁寧に対話する機会になるということです。アートを見に行って「つまんないな」「なんか惹かれる!」いろんな感想が自分から湧き上がると思いますが、その気持ちをちゃんとつかむこと。なんでつまんないの思ったの、自分?どんなところがおもしろいと思ったの、自分?といちいち自分に聞いてやるということです。
自分のことって意外と自分で分かってないんですよ。アートを通じて、自分が何をしたいのかに気づくことができる。やりたいことがない、何をしたいか分からないという人にはぜひ見に行ってもらいたいのです。ギャラリーってタダだしね^^
これから紹介する作品になんらかの感情が生まれたら、ぜひ、ちょっと立ち止まって自分に問いかけてみてください。「どうしてそう思ったの?」と。

個展のテーマは「一寸先は闇」

About unstable lightと名付けられたNarimの個展のテーマは、不確かな人生について。先の予測がつかない人生。人にとっての普遍的なテーマといえるでしょう。では、この命題に対して、作家はどうアプローチしているのか。

会場に入って最初に目に入るのはプロジェクターで映された映像。瓶の中に割れた電球とアリが入っていて、映像は延々とそのアリを映しています。途中で別のアリがやってきて、瓶のまわりをウロついて去っていく。瓶の中のアリは、延々と瓶の中を歩きつづける。
あとでNarimに聞いたら、あっという間に出ていったアリと、いつまでも瓶から出られずにウロついてたアリがいたみたいです。

ちょっと奥に進むと電球のインスタレーション。これは全部、ゴミ捨て場から拾ってきたようです。電球はまだ生きている物と薄暗くなっている物、点滅する物などいろいろ。いつ消えるかは分からず、消えたはずの灯りが再びつくようなことも。

よく見ると電球の下にピアノ線のような物が張られているインスタレーション。私のちょうど頭の上くらいだったので、160センチくらいのところに張られています。下に引くように触ると、カチカチしたクリック音と共に、点灯していた電球が点滅するようになります。ほっといても急にカチカチしながら点滅し始めることも。これは作家も予測していなかったようです。

壁には双眼鏡がかけられていますね。

のぞくと、周りのライトがピッカピカに見えるように。明るいものが全部こんな感じでピッカピカに見えます。

奥の部屋には点滅する電球が吊るされたくらい部屋が。訪れた人は、プラグを抜き差しすることができます。もともと点滅しているライトは、プラグを抜いてしばらくすると、点灯に変わります。

暗い小部屋のこちらの作品もプラグの抜き差しが可能。作品を紹介した本が置かれていて、本は移動できないように紐で電灯に結び付けられています。

私は特にカチカチする作品が好きで。カチカチ音もなんだか心地よいんですよね。さて、さっきの鑑賞のポイントに従ってちょっと立ち止まってみる。なんでカチカチの作品が好きなの、と。すると、「触れるところが楽しい。体験できるのが好き」という答えが自分の中に生まれます。でもね、触れるだけなら、双眼鏡もそうだし、プラグを抜き差しするものもそうです。なぜ「これが一番?」さらに問いかけます。すると、プラグの抜き差しは自分がするアクションとしては「面倒すぎる」という答えが。プラグの抜き差しだけで面倒がっちゃうって、そうとう面倒がりですよ、自分!体験といっても、ライトなことが好きみたいです。双眼鏡はライトですが、対象に対して自分が影響を及ぼせないところが自分にはあんまり合わないようです。
つまり私は、手間のかからない感じで自分がかるーく影響を及ぼせる体験が好きみたいですね。こんな感じで「自分を深く知る」のに鑑賞を使う。
もう一つの自分のための鑑賞法としては「観察力を鍛えるのに使う」です。鍛える、というか、世界を丁寧に見てみる、ということですね。たとえば、プラグを抜いて電球が点灯に変わるインスタレーションは、ちょっと注意して見ないと気づかないです。すぐに切り替わるわけじゃないからですね。また、作品は触ってはダメ、という思い込みがある人にとっては、「触ってよい」という注意書きすら気づかないかもしれない。いつも通りの「いつも」の中に、本当はたくさんのアドベンチャーがあるのかもしれない。アートという明らかにギミックの仕込まれた場所で気づけないのなら、「いつも」の中で見逃してることはきっと膨大ですよ。
もちろん、作家のテーマ「人生」について、静かに哲学するのもいいですね^^。

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現代アーティストとして学ぶ

自分が作家の場合だと、あらゆる展示は自分のための勉強材料になります。特に自分は独学から始めたので、展示方法やテーマへのアプローチ、素材集めなど、全部が発見です。おもしろいと感じる場合には、自作にも生かせるかもしれない「売り」に気づくことができるし、つまらないと感じたら、なぜつまらないかを考え、同じ批評を自作にぶつけるのです。
私はこの展覧会を見て、自分が発表予定だった企画について、大幅にアイデア修正をしました。このへんの作家としての鑑賞法はまたいずれ^^。

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