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「支援」がアーティストを不幸にする~アーティストの活動を支える仕組みについて考える

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「支援」がアーティストを不幸にする~アーティストの活動を支える仕組みについて考える

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無名のアーティストがどうやって活動継続していくかに考えるシリーズ(あまりシリーズ化はしていない)。今日は「支援」っていう言葉をやめないか、という提案です。

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昨日の「現代アーティストの活動を支えるシステムについて考える~差別化をはかりたい起業家とマッチングさせる」を読んで、芸術家支援サイトとしてこんなのがありますよと教えてくれた方がいました。→芸術家支援プラットフォームmecelo

meceloを教えてくれたターバン野口のピロ先生→  ターバン野口の折り方(Youtube)

いろんなプラットフォームができるのはとてもありがたいことです。それだけで見てもらえるチャンスが増えますから。
ただ、この「支援」っていう言葉がね、アーティストの活動継続を阻害してるんじゃないかと最近思ってるんですよ。

なぜ「支援」がアーティストをダメにするのか

meceloみたいなシステムはほかにもあって、アーティスト特化ではないですが、valuもそうだしpolcaもそうですよね。CAMPFIREのファンサイト機能も同じく。ただね、まずアーティスト支援を謳った場合、集まる人って本人の知り合いですよね。それ以上に自動的に広がるってまずありえない。もちろん、あらゆる活動はファン、そのサービスをいいと思ってお金を払ってくれる人、将来に期待してくれる人たちがいて成り立っています。だからそういう人たちを一人一人説得して味方を増やしていきなさいっていうのは本当にそのとおり。でもこういう「支援」を前面に謳ったシステムの場合、アーティスト本人の努力以上に味方が広がっていかないんですよね。だって「支援」だから。同時に、アーティスト支援って言葉が浸透すればするほど、「アーティストは支援を必要とする存在」というイメージが浸透していくことになる。それだと、アーティストが庇護されるべき存在になってしまって、価値を提供している存在であることが伝わっていかない。アーティストの活動を見知らぬ人にまで広げるために本当にやっていかないといけないのは「アーティストと話せることがこんなに自分にとって価値があることなんだ」というアーティストに関わる価値を浸透させるということだと私は考えるのです。

↑ こういう意見があふれてくれば「アーティストと話せることが価値」というのが浸透し、見知らぬ人がちょっと興味をもってくれる可能性が増える。それが口コミになって広がっていくわけです。自分が知ってるアーティストを「支援」してるとして、周りの人に「一緒に支援しないー?」って言えます? 本当におもしろい、本当においしい、本当にいい、ためになると思うものは勧められるけど、「支援」が広がるのって震災とか病気とか分かりやすい「不幸」があった場合だけで、アーティスト支援がバズってるのってあんまりなくないですか?つまり、アーティスト支援の場合、バズるのはそのアーティストに不幸が訪れた場合のみ、ということにもなりかねない。


こんな横柄な支援者はいませんが(笑)、「支援」だと支援される側がどうしても弱くなってしまう。それがプレッシャーになってしまうこともあるような。(私はないですが、美人画家がコレクターさんに接待を求められるケースがあるという話も聞くのでね)

支援者を募ってファンクラブ化するというのは、支援してくださる方々のためにファンサービスを充実させ、一人一人味方を増やしていくということ。言うなれば「アイドル型」の活動継続形式です。これを悪いと言っているわけではなくて、得意な人は全然やってくださいって思います。でもさ、アーティストだよ?こんなのマメにできるくらいなら、アーティストより向いてる仕事ありそうじゃない?笑。多くのアーティストってこういうのマメにできないと思うんですよね。それに支援者へのフォローの時間を多く取るよりも、作品制作に時間を取りたいというのが本音のはず(アイドルのみなさんはフォローしながら歌やダンスの練習もやってるので本当にすごいです)。現代アートの場合でいえば、アーティストの作品を買う、その作家が活動を広げれば広げるほど、作品価値も上がって初期作品を安く買ってた人が得をするっていうのが、分かりやすく関わる人みんなが幸せになる活動継続の方法ですよね。ただまぁ作品価格という視点でいうならば、現代アートの枠組みに入らないアートについては取りこぼれてしまいがちです。広く「アート」というのを考えた場合にはやはり、支援ではなく「アートやアーティストに触れることが価値である」という視点が浸透してほしいなと思います。同時に、アーティスト側はその自覚をもつこと。

アーティスト清貧説が大キライ

まずね、私は「アーティストが貧乏の中、心は清く芸術に打ち込んでいる」のを期待する世間の姿勢が大キライです。なんかメディアも「貧しい中活動を続けている美談」みたいな感じで取り上げがちだし、そのせいでアーティストが貧しくあらなければならなくなるし、下手すると稼いでいるアーティストがそれだけで批判されちゃうんじゃないかなと。自分自身がなんらかの作品の前に立った時、その作者が大金持ちか貧乏かって関係ないですよね。響くものは響くし、そうでないものはそうじゃないし。漫画ワンピースのファンだって「尾田栄一郎が奢り高ぶっている」と思いながら漫画読んだりしてないはず、尾田さんがお金もってるか、もってないかに関わらず、毎週楽しみにしてるでしょ。
お金持ちは奢っている、貧乏人は心が清い、的な説ってルサンチマン(やっかみ)なんですよね。芸術に対してさらに「清貧」を求める人が増えれば、アーティストは貧乏でいなければならなくなる。ここ、変わって欲しい~~。

変わって欲しいアート周辺の考え方

1)アーティスト支援

アーティストと話すこと、関わること自体に価値があるという考え方に。落合陽一さんって「メディア・アーティスト」じゃないですか。でも、落合陽一さんを「支援」するためにお金払ってる人って、ほぼいないと思うんですよね。落合陽一と話せることが価値だと思っているとか、落合陽一が次に起こすイノベーションに興味があるとか。有名無名に関わらず、自分自身が世間に価値提供する存在であるという自覚が、アーティストに必要なんだと思うんですね。それがあれば、おもしろいと思って「投資」してくれる人も増えるだろうと。

2)アーティストは清貧であるべき

→なんかね「医者」もお金稼いでいるイメージが強いせいか、医者=悪のイメージもっている人多いんですよね。私自身は好きなアーティストさんはもっと売れてもらって、もっとすごいもの作ったのを見せて欲しいと思ってます。そもそも、アート作品や作家を見る時に、売れてる売れてないフィルターをかけて見るのはもったいないと思う。作品を見よう、もっと。そのほうが絶対におもしろい。

今日はアーティストの活動にまつわるお話でした。

合わせて読みたい  現代アーティストになりたい人のための~初心者の第一歩から海外展開まで役立ち記事まとめ


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