2度目のフィンランドでのアーティスト・イン・レジデンス(AIR)もすでに3週間。アトリエと家の往復、あとは他のアーティストさんについて森に行く生活がつづいています。
そして未だに所属先の美術館には行っていないという。
まとまった時間滞在しているので、写真映えのする晴れた時に行こうかなーとのんびり思っています。そういうのんびりした予定で生きられるのもAIRのいいところ。今日はレジデンスのメリットとデメリットのほか、事前・事後確認しておくといいことをご紹介します。
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アーティスト・イン・レジデンスとは
アーティスト・イン・レジデンスとは、現地に滞在してアート制作するというプログラムで、海外に限らず日本にもたくさんあります。
制作できるスペースがあるところが普通で、滞在場所は自分で確保するところから、先方が用意してくれるところまでさまざま。その他詳しくは前回の記事をご覧ください。
私は基本的に滞在費無料のところにしか参加しないので、滞在費無料の海外AIRについての話になります。
✓ 参考リンク 無料で海外に数ヶ月滞在してアート制作しよう!~アーティスト・イン・レジデンス攻略法
レジデンス参加のメリット
AIRには、こんな感じのメリットがあります。
- 制作場所がある
- 宿泊先がある・迎えなどの手配がある
- 初めての土地でも相談できる存在がある
- アーティストと出会える
- 現地モノプロジェクトをやる時に手伝ってもらえる
- 発表機会がある
- 設備使い放題
- 地元メディアが紹介してくれることがある
制作場所の条件も机のありなし、広めのロビーみたいなところで作業、画材提供ありなどさまざまですが、だいたいは十分な作業スペースがあります。シェアアトリエの場合は他のアーティストと相談しながら場所を決める場合もあり。日本の狭い暮らしに慣れていれば、だいたいは「やったー!」になるはずです(笑)。
あと助かるのはピックアップしてもらえること。画材をしょい込んだ大荷物を抱えて行くので、空港や最寄り駅まで迎えに来てもらえるのは、かなりありがたい。場所によっては指定された場所まで行く必要があるので、事前に確認が必要です。
安心なのは初めての土地でも困ったことがあれば相談できる存在があること。自転車を買える場所や画材やさんの場所、○○へ行くにはどうしたらいいの?ささいなことでも聞ける存在が現地にあるのはありがたい。観光旅行よりは長く滞在することになるので、こういう存在があると安心して暮らせます^^
他にはアーティストとの情報交換やディスカッション、制作状況を見学できること。何よりこのことが私をアーティストとしてここまで育ててくれました。
また、設備付きの場所に受かると、設備が使い放題なのがありがたいところ。リトグラフの制作など、自宅に設備がなく、毎回借りてつくっている場合にはこういうところに受かると助かりますよね。また、専門家がついて機材利用の指導やヘルプをしてくれるところもあります。材料費は払うところもありますが、マージンはないので通常の材料費のみです。
私はプロジェクトの関係で現地でワークショップができる場所も同時に探しているのですが、受かった後に相談すると、だいたい学校やワークショップの場所などを紹介してくれます。また発表の際にギャラリー内でワークショップができることもあります。
発表機会としては、現地で展示の機会が得られる場合、作品寄贈しておくと追って発表機会がある場合、レジデンス先の年間カタログに載るなど機会が得られることがあります。また、地元の新聞やウェブメディアで紹介してもらえることも。
フィンランドマンッタの地元紙で紹介。
ほか、追加で機材が必要な場合は購入してくれることもあるので、まずは相談してみるといいです^^
レジデンス参加のデメリット
デメリットといえば、行ってる間収入がなくなることですね、やっぱり。社会人で定職を持っている人は2週間の参加が限度ではないでしょうか?
私は休みの多い学生のうちに行ってこられるのがいいんじゃないかなと思っています。
2017年9月現在はフィンランドのマンッタ(Mänttä)にあるSerlachius Museumでのレジデンスに参加しています。
応募の際に気にしておくこと
受ける前の確認事項
私は英語がペラペラなわけではないので、間違って理解していて、行ってから高額請求とかあったらコワイ。ということで事前に有料か無料かはしっかり確認します、笑。
諸条件は応募資料に書いてあるので、そちらを見ても分からなかった場合はメールを送って確認します。
2017年の旅でやらかしましたが、あちこち参加していると、ビザなしでいられる期間を過ぎて滞在することになっちゃうこともあるので、連続で参加する場合には住所の確認と共に、各国のビザ条件などを事前に確認しておきます。さもないと途中で滞留許可の申請を出すなど面倒なことに。
治安的にハードなところもあるので、自分があんまり旅慣れていないようなら、そこそこ治安状況の良い国を選ぶのもポイント。なにしろそれなりに長期の滞在になるので、「もういやー!」となってもすぐに帰れません。いや、帰ってもいいでしょうけど、お互いの信頼関係のためにそこは守っておきたいですよね^^
- そもそも応募資格があるか(応募国指定やキャリア指定などの諸条件を求められることがある)
- 参加先の住所(意外とどこなのかが調べにくい。マイナーな都市名だとどこの国だか分からないので、住所を確認)
- 有料か無料か、奨学金があるか
- 参加時期(自分の予定とかぶっていないかどうか)
- Wifiの有無(国立公園内などの場合はないこともある)
- 運転免許が必須かどうか(近隣に公共交通機関がない場所は条件に入ってることがある)
受かってからの確認事項
私はアートキャリアを積みたくて行っているので、発表機会が全くないところにはたとえ無料であっても基本的に参加しません。作品寄贈を嫌がるアーティストもいるようですが、私は置いてきた作品が発表の機会に恵まれたり、他の人に見てもらうチャンスになったりするので、義務がなくてもそういうことに繋がりそうな場合はなるべく寄贈します。
- 発表機会があるか、作品寄贈の義務があるか
- 空港や最寄り駅まで迎えに来てくれるか
- Invitation(招待状)を出せるか(助成金申請用に)
- 現地に必要画材を買える場所があるか(都市部なら問題なし)
✓ 合わせて読みたい 無料で海外に数ヶ月滞在してアート制作しよう!~アーティスト・イン・レジデンス攻略法 現代アートについて考える~初心者の第一歩から海外展開まで役立ち記事まとめ
少なくとも滞在費無料なところは出せば受かるわけではなく、海外のアーティストと戦わなければなりません。最低でも倍率は5倍くらいでしょうか。受け入れ人数が多いところの方が受かりやすいです。アーティスト・イン・レジデンス攻略法、次回は実際の応募資料について考えていきます!
✓ 合わせて読みたい 無料で海外に滞在してアート制作しよう!~アーティスト・イン・レジデンス(AIR)応募資料攻略法
みじんこは、放浪癖があります!ヽ(=´▽`=)ノ