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【みじん講義】人の心を動かすストーリーの作り方 ~【連載第4回】~ストーリーの目的

Tanzania
みじん講義

【みじん講義】人の心を動かすストーリーの作り方 ~【連載第4回】~ストーリーの目的

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ストーリーが効果を発揮するのは他の人に伝える時、という話をしました。第4回めの今日はその具体的な方法論についてです^^

信頼関係を築くのに重要なもの

ストーリーは自分と誰かを繋ぐ時に効果を発揮する、と話しました。特に人と信頼関係を作る時に重要になります。テレビで見ただけ、本で知っているだけ、あるいはブログを読んでいるだけ。それなのに信頼しちゃう人、あるいは信頼できないなって思う人っていませんか?直接会ったこともなく、その人の一部の情報だけしか受け取っていないにも関わらず、なぜか信頼してしまう。
人を一瞬で信頼させるテクニック、みたいなのもあるのかもしれませんが、私自身は、人との信頼関係を築くのに重要なのは、真摯さと正直さ、その人に向き合っているかどうかだと思います。

人の心を読み開示させる技術、コールドリーディングの第一人者、石井裕之氏は、人と信頼関係を築くコミュニケーションのコツとして、「相手を抱きしめていることをイメージして話す」と言っています。シンプルに相手を好きであること。相手のことが好きだと、相手のことを細かく知ろうとし、いろんなところに気づくようになります。自分なりのストーリーを描き、自分を誰かに伝えるときには、伝えたい相手のことが好きであること。これが一番最初に重要なことです。自分の話を聞いてくれる人がいること、読んでくれる人がいること、その人たちをあなた自身が好きだと思えるかどうか。受け取ってくれる相手のことをどう感じているか、そこをまずあなた自身で客観的にチェックします。

そのストーリーによって何を伝えたいのかを決める

下記に2つの文章があります。最初をA。次をBとします。

4ヶ月で泣きながら仕事を辞めた。自殺するほど勇気がなかったから、毎日、車に轢かれないかなって思いながら生きてた。畳の床に寝て、たまに起きて水を飲んで、何日も同じ服を着たまま、海岸に流れた空き缶みたいに、波がすぎるのを待っていた。心配してきてくれた友達がおむすびを持ってきてくれて、食べ始めたらおなかがすいてきた。私が少しずつ話し始める話を、彼女は横で、うんうんって聞いてくれて、気が済むまで話せたら、また頑張ろうかなって思えた。

では、次にBの文章です。

タンザニアの乗合バス、ダラダラに乗った時、周りの人に「モジャ、ビリ、タトゥ、ウネ…」と指を折りながら1から10まで現地の言葉で数えてみせた。数を数えただけなのに、ギュウギュウ詰めのバスの中で、乗客みんなが手を叩いて大笑い。降りる時にバススタッフの若者が、私がやったように「モージャ、ビーリ、タートゥ…」と笑いながら数えてきた。数字が数えられるだけで拍手が起こるのは、日本ではなかなか見られないこと。世界中を旅して、いろんな国の文化や価値観があることを伝える、そういうことがしたい。

お察しの通り、こちらはどちらも私自身のストーリーですが、どこをピックアップするかによって、まったく違う人物のようですね。
Aの場合は挫折を経験し、友達の支えによって立ち直れた人、に感じます。Bは情景描写を含めて自分がやりたいことを伝える文章になっています。
ではどちらの語り方がいいか。それはあなたが何を伝えたいかによって変わってきます。

ストーリーを描き、誰かに伝える目的とは

  • 自分と相手との信頼関係を築く
  • 自分が何をやりたいかを知ってもらう
  • 自分がやりたいことに協力してもらう

ということです。
こう言ってしまうと、自分がやりたいことのために人様をまるで都合よく使っているゴミ野郎のようですが、そう言われたらYESでしょう。ですが私は、第2回でも触れたように、すべての人の夢は、必ず他者(自分も含めた全体)への幸福に帰着すると考えています。苦しいことがあってもやめられないこと、それでも突き動かされるものは、その根底に自分を超えた他者の存在が巨大な支えとなって、自分を押し上げてくれているからでしょう。
そういう想いがあるなら、ストーリーとして伝えましょう。そして共通の夢をもつ誰かと一緒に、歩みを進めていけばいい。私はそう思います。

さて、あなたのやりたいこと、ストーリーとして伝えたいことが決まったら、次回はさらにそれを具体的にしていきましょう!第5回をお楽しみに!ヽ(=´▽`=)ノ

Tanzania

 2011年、私は『地球の歩き方』という旅行ガイドブックの取材でタンザニアに行きました。4週間の間、1人で交通や地図、ホテルやレストラン、観光名所などの取材を行ってきました。初めてのアフリカ1人旅で、心身ともにヘトヘトになり、帰国した時には7キロ痩せていました。5秒毎についてくる人がいないか振り返り、人とすれ違う時は十分な距離をあけ、車のすぐ横を通る必要がある時は中に人がいないことを遠目で確認し、迷子になっても迷っているふりは見せず…。毎日停電して真っ暗になり、ホテルのドアもどこまで信用できるか分からない暮らしに、旅の最初は怖くて泣いてばかりいました。
 ただ、客観的に見ると、実際は現地の方に非常によくしていただいたんですね。バス乗り場までついてきてくれたり、オレンジをご馳走してくれたり、スワヒリ語を教えてくれたり。親切にしてもらったことのほうが多かったのです。確かに、現地で出会った日本人の半分は強盗やスリに遭ってましたが、少なくとも私は一度もそういう犯罪を見かけることすらなかったです。親切にしてくださった方々に、チップを渡したわけでもありません。求められたこともなかった。それでも、「アサンテサーナ(ありがとう)」と言って別れた後まで、私の心の中には「もしかしたら見返りを求められるんじゃないか?」という疑念が消えなかったです。現地に長く生活するJICAの隊員さんに同じ話をしたら、すごく親しい関係になったご家族でも、心の奥底のどこかに「もしかしたら」という疑念を感じてしまう、と言っていました。
 私は、「超嬉しい!」も「むかつく」も「やったー!」も「すごい傷ついた」も「ありがとう」も、発するものは言葉だけに限らず、なるべく正直でありたいなって思っています。疑念をもって伝える「ありがとう」を、正直に伝えるなら、「本当は見返りを求められてるんじゃないかなって思ってるから心からの気持ちじゃないけど、少しは本当にそう思ってるありがとう」です。喧嘩になりますね、笑。相手を信頼する気持ちは、自分の中にあるもの。もし、世界が日本と同じくらい安全になって、物が落ちたら「落ちましたよ」と教えてくれ、そこらへんにカバンを置いてても誰も取らない社会だったら。きっと私も心から「ありがとう」って言えると思います。これからもっといろんな国へ行って、世界中で展示ができるようになったら、自分がどこの国に行っても心から「ありがとう」って言えてることを確認したいです^^


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